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天空の村・アタシはミーナ  作者: シード
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第四話『起死回生』

 ざざざざーん!

『やい、ミアン、ミーナ。さっきから聞いていりゃあ、お亡くなりになっただの、安らかにだのと、ふざけたことばかり言いやがって。あたいがセレンの造った劇薬ぐらいでどうにかなると本気で』

 ざざざざーん!

 ぐぃ!

『ラミアさん! こんなところでなにやっているのさ? お話の主人公格である人間が、突然いなくなっちゃ駄目じゃないか。それに、ここは別な世界だよ。あちきたちがおいそれと入っちゃいけない場所だって判らないの?』

『レミナ。別にきたくてきたんじゃない。気がついてみたら、あたり一面、霧のようなものが立ちこめた場所にいたんだ。耳を澄ませてみると、なにやら声が聞こえてくる。それでそちらへ引きよせられるようにむかって行ったら、ここに出ちまったってだけの話で』

『ラミアさん。理由なんてどうでもいいの。それより、あとがつっかえているんだから、さっさと持ち場に戻りなよ』

『そんなことを言うけどな。帰っても、また霧の中だろう? だったら、このまま抜けだした方が』

『なに自分勝手なわがままを言っているのさ。ねぇ、つっこみ担当のマリアちゃんからもなんか言ってやんなよ』

 ざざざざーん!

『レミナさん。誰がつっこみ担当ですか。誰が』

『いいからいいから。さぁ、早く』

『もう、レミナさんったら……。つっこみ云々はともかく、レミナさんの言う通りですよ。このお話での私の出番はほんの僅かなんですから。それすら、なくなるような真似は許しません』

『く、くっそう。マリアまで加勢にきやがって。は、離せ、二人ともぉ』

『駄目にゃんよ。これ以上、お話の世界を乱したり、こちらの世界へ介入したりすれば、宇宙の秩序を冒すことにも繋がりかねにゃい。それだけは絶対に避けにゃければ』

『そうよ。ミアンの言う通りだわん。黙って、お話の世界に戻りなさい』

『ミーナ、ミアン。お前たちまでやってきたのか。じゃあ、言わせて貰うけどな。大体、あたいがここに引きよせられるきっかけとなった声は、この部屋の奥でなにやら縮こまっているこちらの世界のお前たちなんだぞ』

『縮こまっている? あっ、本当だ。お目目をまぁるくしたアタシとミアンがいるわん』

『どうも済まにゃい。こっちのラミアにゃんが非常識なものにゃから、迷惑をかけてしまって』

『そうよ。ラミアさん、お謝りなさい』

『なに言ってんだ。あたいがどんな悪いことを』

 ざざざざーん!

 ぶずっ!

『ううっ! ……セ、セレン。お前まで……』

 ばたっ!

『全く困ったものだ。どこの世界に臨床試験のさなか、他の世界へ飛び出す奴がいると言うのだ』

『あーあ。倒れちゃった。セレン。ラミアさんったら、あっと言う間に昏睡状態になっちゃったけど、大丈夫なの?』

『レミナ。実を言えば、最初に注射したのはラミアの身を重んじるあまり、薬の毒性が原液の半分ぐらいのものだったのだ。だが、どうやら甘かったようだ』

『すると、セレンさん。今の注射は?』

『マリア。原液をそのまま投与した。間違っても、もう自力で動くことはできない』

『原液をそのまま? セレンさん、大丈夫なんですか、そんなものを注射して。ラミアさんに、もしものことがあったら』

『多分』

『多分って……』

『マリア。ラミアのことだ。大丈夫だと思う。我はラミアを、いや、ラミアの身体を信じている。きっと、この試練に耐え得ると』

『そんな無責任な……』

『まぁ、マリアちゃん。やっちゃったものはしょうがないよ。とりあえず、ラミアさんはおとなしくなったからね。このままあちきたちの世界へ連れて戻ろうよ』

『そう……ですね。むこうに行けばネイルさんもいますし、大事には至らないでしょう』

『ちょっと待て、マリア。我はネイルの師だ。我に、ならともかく、何故、弟子であり、かつ見習い呪医にしかすぎないネイルに、そのような期待を』

『セレンさんが村一番の呪医であることは誰もが認めています。しかしながら、これまでも度々、人命に関わるような不祥事を起こしているじゃありませんか。それを村長を始めとする私たち村役場の全職員と査問会委員のみなさまとで、どれだけ苦労してもみ消してきたか。ネイルさんが現われてからは、その苦労もなくなりました。彼が、大事に至る前にセレンさんの後始末をきちんと処理してくださるからです。しかも、八方丸く収まるように。それは師であるセレンさんが一番判っておいでの筈です。そのネイルさんに期待してどこが悪いんですか?』

『うっ! ……それには一言いちごんもない。判った。これ以上、余計な口を出すのは慎むとしよう。レミナの言う通りにする』

『やったぁ! マリアちゃん。セレンを言い負かすなんて、やるじゃない。じゃあ、決まりだね』

『はい、レミナさん。ミーナさんとミアンさんも手伝ってください』

『判ったにゃあ』『もちろんだわん』

『それでは……と。そこにいらっしゃるこちらの世界のミーナさんとミアンさん。大変お騒がせして申しわけありませんでした』

『じゃあにゃ。こちらのミアン』『さよならだわん。こちらのミーナ』

『では戻るとするか。レミナ。ラミアを頼む』

『判っているよ、セレン。それじゃあ、マリアちゃん』

『はい、レミナさん』

『ウチらも』『戻るわん』

 ざざざざざーん!


 …………………………………………………………………………。


「ミーにゃん。今の見たかにゃ?」「しかとこの目で見て、耳で聞いたわん」

「ウチはまた、この本は飛びだす絵本かと思ったのにゃ」

「まさか、お話の登場人物がやってくるなんてね」

「驚きすぎてなにも言えにゃかったばかりか、お漏らしまでしてしまったのにゃん」

「実はアタシも」

「このまま部屋を汚しておく訳にもいかにゃい。この部屋を出て掃除道具を探してみるにゃん」

 ずぼっ!

「霊体になってドアから抜け出ちゃった。どうしよう。アタシだけになってしまったわん」

「ただいまにゃーん!」

「と思っていたら、もう帰ってきたわん」

「ミーにゃん。都合のいいことに、部屋を出た通路の一番端に台所と掃除置き場があるのにゃ。ミーにゃんも人間の子供ぐらいの大きさになって、手伝うのにゃん!」

「ええっ。アタシもぉー!」

「ほら、ウチのあとについてくるのにゃん!」

 ずぼっ!

「あっ、また消えた。……しようがないわん」

 ぱかっ!

「子供みたいになったわん。これでよし、と。ミアーン、待ってよぉ!」

 ずぼっ!


 …………………………………………………………………………。


 ずぼっ! ずぼっ!

「よし、と。準備はこれでいいにゃあ。じゃあ、ミーにゃん始めるのにゃん」

「ちょっと待ってよ、ミアン。第四話は読まないの?」

「掃除をしにゃがら、読めばいいにゃん」

「そんなぁ!」

 第四話『起死回生』


「ラミアさぁん。大丈夫ですか。ラミアさぁん」「ううっ」

 彼女は、叫んでいるその声に反応して、うっすらと目を開けた。

「ここは一体……」

 ぼおっ、とした目で、声をかけた人を見つめている。

「大丈夫ですか。ラミアさん」

 めまいでもするのか、右手を額にあてている。それでも、自分に話しかけている人が誰なのか判ったみたい。

「うん? ああ、ネイルか……。一体あたいはどうしたんだ」

「だめです。まだ寝ていなくちゃいけません」

 ネイルさんは身体を起こそうとしたラミアさんの両肩を手で押さえ、ゆっくりと枕の上に彼女の頭を戻した。

「ネイル……。そうか。ここは病院か」

 ラミアさんは今、診療室の一角に置いてある診察台に寝かされている。

「ふぅ。よかった、気がついてくれて。さぁ、これを。解毒剤です。飲めば、徐々に意識もはっきりしてきますよ」

 ネイルさんが差しだしたのは錠剤とコップ。彼女は半ば、ぼぉっとした様子でその二つを受けとり、ながめていた。ややあって我に返ったような感じになると、錠剤を口に放りこみ、コップの中に入っている水(だと思うけど)を、ごくごくっ、と一気に飲みほした。

「ラミアさん。あとで声をかけますから、それまでは静かに寝ていてください。いいですね」

「ネイル……。判った。いうとおりにするよ」

 ネイルさんの念を押すような言葉に、ラミアさんは素直にうなずく。今一つ意識がはっきりしないような感じ。彼が病室を去ったあとも、なにかにとりつかれたような目で、無言のまま天井をながめている。そうしている間に睡魔が襲ってきたのか、彼女の瞼はいつしか閉じられていた。

 ネイルさんも呪術師。この病院の見習い呪医でセレンさんに師事している。男の子であるにもかかわらず、あごのあたりまで伸びている黄色い髪と色白の顔には、あどけなさと女っぽさが入りまじっている。作務衣の色はセレンさんと同じ白。もちろん、白衣も着用している。


 それから一時間ぐらい経ったあとのこと。ラミアさんは目を覚ました。彼女が寝ているベッドのそばにはいくつか椅子が並べられている。その一つに、ネイルさんが座っていることを彼女は気づいたみたい。彼は『カルテ』と呼ばれているものに、なにかを書きこんでいる。

「ネイル」「あっ、ラミアさん」

 彼は立ちあがってカルテを椅子に置くと、ラミアさんのベッドへ歩みよる。

「どうです。ラミアさん」「……まだふらふらするけど、さっきよりは楽になった気がする」

 上半身を起こした彼女は、頭をふって目をぱちくりさせている。

(確かにね。アタシが見ても、顔色がよくなっているのが判るわん)

「どうぞ、水をお飲みください」「ありがとう」

 ラミアさんは差しだされたコップを手にとる。

 ごくっ、ごくっ。

「ふぅ。……うん。大丈夫だ。意識が、はっきりとしてきた」

「一時はどうなることかと心配しました。でも、もう大丈夫。すぐに元気になりますよ」

 ネイルさんとラミアさんがそんな会話をしていると、セレンさんが部屋にやってきた。彼女もラミアさんを見るなり、ほっとしたような表情を浮かべた。

「どうやら、気を取りもどしたようだな。安堵した」

「安堵した、じゃありませんよ。いくらなんでも、ラミアさんにあんなことをするなんて。ご友人じゃなかったんですか」

 ネイルさんは自分の横に立ったセレンさんを真顔で問いつめる。

「友人などではない」

 彼女の口から素っ気ない返事が。顔も、いつもの愛想がない表情に戻っている。

「なにっ!」

 これにはラミアさんも気色ばむ。

「親友だ」

 セレンさんは、ぽっ、と顔を赤らめた。

「お前……」といいかけた言葉をラミアさんはあわてて引っこめる。

(本当。まぎらわしいわね。セレンさんのいい方って)

「それにしても」

 ラミアさんは首をかしげながら、言葉をつづける。

「一体あたいに、なにがあったんだ。ネイル、教えてくれよ」

 ネイルさんはラミアさんにうなずくと、セレンさんへ抗議するかのような視線を向けた。

「先生。僕はいいませんからね。先生のやったことなんですから、先生がいってください」

 彼は少し怒っているみたい。

「ネイル。君は呪術師の免許はあるが、まだ見習いだ。そして君の師はわれだ。だから、君に師として『命令』する。君の口から『いいなさい』」

「嫌です」と即座に断わるネイルさん。

「そうきたか。困ったな」

(セレンさんったら、本当に困っているわん。なんなの? この師弟関係)

「では一歩ゆずって、君に師として『お願い』する。君の口から『いってほしい』」

「まったくぅ。都合が悪くなると、すぐにそうやって人に押しつけるんだから」

「いいから、早くしてくれ」

「はいはい、判りましたよ」

(うっそお。あっさりと折れちゃった……。

 アタシ的には、もうちょっとねばってほしかったなぁ)

「ラミアさん。これは誠にいいにくいんですけど」

「うん? どうした、ネイル」

「単刀直入にいえば、ですね。ラミアさんは、……あのぉ、そのぉ、

 ……薬を盛られたんですよ、この先生に」

 ネイルさんは、目はラミアさんに、右手の人さし指はセレンさんに向けている。

「ネイル。君は親から『人を指さしてはいけない』と教えられたことはないのか? それは人を見くだす行為だ。以後、気をつけるように」と注意を促すセレンさん。話をそらすかのようなその態度に、

「先生。そんなことより、今、問題になっているのは」といってネイルさんは、『そうはさせじ』とばかりに踏んばっている。ラミアさんも彼の言葉が気になったとみえて、『ちょっと待て』と二人の話に割りこんできた。

「ネイル。薬を盛られたって、どういうことだ」「ええと。それは」

 ラミアさんの言葉に、ネイルさんは視線をセレンさんへと移す。セレンさんはあごを動かしている。『早くいえ』と急かしているみたい。

 ふぅ。ネイルさんはため息をつくと、言葉をつづけた。

「つまりですね。先生は、ラミアさん、あなたの身体を新薬の実験に使ったんです。『気分がすぐれないようだから休ませている』なんて最初はいっていましたけどね。いつものラミアさんとは別人なくらい顔色が悪い。それで先生の周りを調べてみたら、案の定、薬を使ったと思われる痕跡が見つかったんです」

「ネイル、もうそれぐらいで」「黙ってろ、セレン。ネイル、そのまま話を」

「使用ずみの注射器を捨てる箱には、使ってまもないものが一つありましてね。器内の中に残っていた液を調べてみたら、先生自身が造った新薬でした。それに、先生の机の上にあったコップ。中にはその新薬の対象となる病を発症する薬が仕こまれていました。それも一瞬で気を失うほどの強力なやつを、です。

 霊覚を使えば、薬を投与した相手に意識がない状態でも、病にかかったのかどうか、あるいは薬が効いたかどうか、くらいは判別できます。

『おそらく先生は、なにもいわずにラミアさんの身体を被験体として使ったのに違いない』

 そう思って問いただしたら、あっさりとお認めになりました。そうですよね、先生」

「うむ」とセレンさんは、たった二文字の言葉を返す。

「うむ、ってお前。いくら親友だからって、本人の許しもなく勝手にそんなことをして。それでいいと本気で思っているのか!」

 さすがに怒りを隠せないラミアさん。

(それはそうよね。アタシだって、そんなことをされたら怒るもん)

「いいとは思っていない。だが、どうしても急いでやる必要があったのだ。それにラミアも口にこそ出さないが、暗黙の了解をしてくれたと思っていた」

「どういうことだ。それって」

「ラミア。君が入ってきたのは診療室だ。ここに、普段日常で口にする飲みものが置いてあるわけはなかろう。差しだされた時点で、薬だと気がついたはず。それにもかかわらず飲んだということは、『我が造った新薬』の実験に、自分の身体を提供しようと考えてくれたに他ならない。そう思ってしまったのだ」

「なんて都合のいい解釈を……」

 ラミアさんとネイルさんはハモると、呆然とした様子でセレンさんを見つめている。

(アタシも開いた口がふさがらないわん)

 そんな二人の様子に、セレンさんは、判っている、とばかりにうなずく。

「やはり、誤解だったようだ。すまないことをした。前もって頼めばよかったのかもしれないが、聞いてもらえる可能性はなかったと思う。だから、やらざるを得なかったのだ。どうか許してくれ」

 セレンさんは真顔で、ラミアさんに深く頭をさげた。

「……そんなに大事だったのか。なら、しょうがないかもしれないな」

 ふぅ。ラミアさんはため息をつく。

「判ってくれるか?」

 許しを乞うような目を向けているセレンさんに、彼女はこんな返事を。

「判るもんか。だけど、あたいが実験に使われたことで、誰かを治す役に立ったのか?」

「それは間違いない。君のおかげで患者が一人、重い病から救われるはず」

「なら、いいや。今回は大目に見てやるよ」

「……ありがとう。これ、このとおりだ」

 セレンさんはラミアさんの手を取って、再び頭をさげた。

「いいよ、もう。事情は判ったし」ラミアさんはその手をふりはらうと、苦笑いを浮かべた。

「先生。先生はいい親友を持って幸せ者ですよ」「うむ。我もそう思う」

 ラミアさんは二人の会話を耳にして、『いい師弟関係だな』とでも思っているようだった。


「あっ、そうだ」

 ラミアさんは想いだしたみたい。腰にぶらさげている袋に手を入れた。

「セレン、これなんだけどな」

 ラミアさんは採ってきた花を取りだすと、セレンさんへ差しだす。だけど、セレンさんはそれを一目見るなり、首を横にふった。

「ラミア。折角採ってきてくれたのに申しわけないが、同じ『麻耶』の花でも、これは純種だ。我が探しているのは、薬効成分のある変種の方だ」

「……やっぱりな」とラミアさんは肩を落とした。

(そうか。探していた花の名前は『まや』っていうのね)


「お掃除が終わったぁ、終わったぁ」

 ぱかっ!

「ふぅ。やっと元の姿に戻れたわん」

「ミーにゃんもご苦労様にゃん」

「でも、ミアン。どうしてお漏らしした場所だけじゃなくて、部屋全体も掃除したの?」

「そこだけ『ぴかぴか』だと、なにか怪しまれてしまうんじゃないかと思ったのにゃん」

「へぇ。誰に?」

「誰にって、……はて、誰なんにゃろう?」

「呆れた。根拠もなく、アタシはつきあわされたって訳?」

「まぁまぁ。これでも食べて機嫌を直すのにゃ」

 ぽーん!

「あっ、赤玉ゼリーだわん。頂きまーす」

 ぱくっ! もぐもぐもぐ。

「本当。この甘さが疲れをいっぺんに吹きとばしてしまうわん」

「もぐもぐもぐ。それに、にゃんこ食べても、飽きがこない美味しさにゃん」

「もぐもぐ。それで、第四話の感想は?」

「ラミアにゃんが助かってよかったにゃあ」

「それだけ?」

「うんにゃ。それだけ。ミーにゃんは?」

「うーん。そうね、アタシもそれだけ。まぁ、いいか。それより、ミアン。赤玉ゼリーって、すぐに口の中から消えてなくなっちゃうのよね。もっと長続き出来ないものかなぁ」

「そんなミーにゃんの期待に応えて、ネイルにゃんが既に改良型を造っていたのにゃん」

「えっ。あるの? ちょうだいちょうだい」

「これにゃあ!」

 ぽーん!

「あっ、赤玉ゼリーによく似ているわん。それじゃあ、頂きまーす」

 ぱくっ! もぐもぐもぐ。

「にゃるほろね。これが……、もぐもぐ、がりっ。……うん? がりっ。

 もぐもぐもぐ……。ねぇ、ミアン」

「なんにゃ? ミーにゃん」

「これは飴だわん」

「そうとも言うにゃん」

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