第十五話『イオラとのお喋り』
ふみっ。ふみっ。
うぉーっ! わぉーっ! がぉーっ! ……。
ぱーん! ぱーん! ぱーん! ぱーん! ……。
ぱちぱちぱちぱちぱち! ぱちぱちぱちぱちぱち! ……。
「ふぅーん。あの歓声と拍手と爆発音は、この装置が鳴らしてたってわけにゃん」
「うん。こうやって足で踏むとね。けたたましく鳴り響く仕掛けになっているの。それに、まだまだあるわん。こっちを踏むとぉ」
ぱしゅぅっ!
「ほら、紙吹雪が舞うの。ねっ。面白いでしょ?」
「にゃあるほど」
すとん。ぺろぺろ。
「面白いといえば面白いのにゃけれども……」
「けれども?」
「ひとり芝居をやっているみたいで、……にゃんか空しさを覚えてしまうにゃ」
「それはしょうがないわん。アタシとミアンしかいないんだから、そこのところは大目に見て貰わないと」
「それにしてもにゃ。こんにゃもの、どこで見つけたのにゃん?」
「掃除道具置き場の隣の部屋よ。『物置き』ってやつじゃないかな。真っ暗だったけど、霊灯をつけたらいろいろなものがあったわん」
「紐はともかく、扇子とか、お祭り装置まであるにゃんて。一体どういう空間なんにゃろ? ここは……」
「人形なんかもあったわん。村じゃ見かけないひらひらした服を着ててね。可愛らしい顔だったんだけど、なんとなく妙な感じを覚えたわん」
「妙な感じ? どんにゃ風に?」
「うぅん。言葉では説明しづらいなぁ。とにかく『なんとなく』、なの。箱から飛びだした、みたいな感じで転がっていたんだけど、その倒れていた箱も変だったわん。可愛い人形を入れるには不釣合いな、ごっつくて重そうな黒い箱なの。もう、すごく薄気味悪くなってね。そのままにして逃げてきちゃったわん」
「転がっていた? なんでにゃろう?」
「アタシのせいかもしれないわん。実は、『面白いものはないかな』って子ども姿で探していたら、なにかにぶつかっちゃったの。棚にあったものが何品か床に落ちたわん。もちろん、すぐに拾って片づけたけどね。今考えてみると、あの時じゃないかな。箱が倒れたのは」
「ミーにゃん。ウチらにとってここは未知の空間にゃ。興味があるからといって、むやみに歩きまわらない方がいいと思うのにゃけれども」
「うん。これからは気をつけるわん。あっ、それはそうと」
「なんにゃ?」
ぺろぺろ。ぺろぺろ。
「あのねぇ。ほっとした様子で、おっさん座りしながら毛づくろいなんかしている暇はないわん。練習はこれからなのよ!」
びしっ!
「えっ! まだなにかやるのかにゃ?」
「ミアン。お願いだから、自分の大事なところをなめた舌を出したまま、こっちをむかないで欲しいわん。なにかが……そのぉ……あのぉ……ついているような」
「ミーにゃん。ウチは猫にゃよ。あたりまえの仕草をしているのにすぎないにゃん」
「そこをなんとか」
「といわれてもにゃあ。ところで本番はさっき終わったのにゃろう?」
「さっきのは開会のごあいさつみたいなものよ。イオラの登場を祝う記念式典はまだまだこれから。ミアンも気を緩めちゃだめよん」
「もう手遅れにゃよ。既に緩みっぱなしにゃん」
ぺろぺろ。ぺろぺろ。
「それもなんとか」
「やれやれ。ミーにゃんには勝てないにゃん。しょうがにゃい。聞いてあげるから、ウチが自分の身体をなめ終えるまでお待ちにゃさい」
「……うん。……判ったわん」
ぺろぺろぺろ。ぺろぺろぺろ。
「ぺろぺろっと。……ふぅ。やっと終わったにゃん。どうにゃ? ミーにゃん」
「へっ? ……ミアン、『どうにゃ?』って?」
「美しくなったにゃろ?」
「…………。
(どう見ても変わりないわん。元々、妖精に猫の美しさなんて判る筈もなし。とはいえ、本当のことをいっても機嫌を悪くするのが関の山。練習もして欲しいし、ここは一つ)
おほん。ミアンって、そのぉ、ほら、元々美猫じゃない。だからよく判らないわん」
「ウチもうすうすは感じていたのにゃけれども、やっぱりそうにゃのか……。
美しいというのは罪なのかにゃあ」
「おえぇぇっ!」
「うん? ミーにゃん、どうしたのにゃん?」
「ぷっぷっぷっ。き、気にしないでいいわん。ちょっと胸が苦しくなっただけだから」
「気分でも悪いのかにゃ? 病院へ行くのにゃら、ついていってあげるのにゃよ」
「だから違うって。それより、ぷっぷっぷっ、あっあっあっ。
……ふぅ。なんとか口の中が正常に戻ったわん。
それじゃあ、ミアン。次なる練習課題を発表するわん」
「無理しにゃくても」
「発表するわん!」
「やれやれ。判ったにゃん」
「いぃい? ミアン、よく聞いてね。今度はさっきと違って、歩くのは綱の途中まででいいの。どう? 楽でしょ?」
「それだけならにゃ」
「さすがはミアン。もちろん、それで済む筈はないわん。具体的にいうとね。次の手順でやって欲しいのよん。
1.後ろ足二つだけで綱を渡るわん。両方の前足は扇子を開いた状態でつかむわん。
2.綱の真ん中まできたら高く跳びあがるわん。後ろへ一回転、ぐるりと回るわん。
3.回り終わったあとは逆立ちの格好で綱の上に乗るわん。
いっておくけど、逆立ちの際、綱に触れていいのは右前足だけよ。左前足と右前足は扇子を立てた状態でつかむの。
どう? ミアン、できそう?」
「めちゃくちゃ難易度が高くなったのにゃん。できそう、って聞かれてもにゃあ。返事に困るのにゃよ」
「まぁ、考えたアタシでさえ全部できるなんて、これっぽっちも思ってはいないけどね。とりあえずやってみようよ。できそうな部分が判った時点で、改めて、演技を構成し直せばいいと思うわん」
「それを聞いてほっとしたのにゃん」
「じゃあ、始めよう。まずはさっきと同じ100回をめざして」
「100回も……。ミーにゃん、一つ聞いてもいいかにゃ?」
「どうぞ、だわん」
「その回数に、にゃにか意味でもあるのかにゃ?」
「特には。ただ多い方が正しく見極められると思って。数字的にもきりがいいし」
「ミーにゃん。せめて、そのぉ……10回ぐらいには、まけられないのかにゃ?」
「買い物をしているわけじゃないわん。100回がいやなら、どう? 思いきって1000回っていうのは?」
「増えてどうするのにゃん」
「ミアン。話しあってばかりじゃ演技は上達しないわん。ぐずぐずいうのはこれぐらいにして早くやろう。時間は大切に、だわん」
「ふぅ。判ったにゃん」
…………………………………………………………………………。
「何故なんにゃろう? ……たった10回で、……全部できてしまったにゃん!」
「ミアン……。やっぱり、あなたは天才だわん。
(まさかここまでやれるなんて。ひょっとしたらアタシの目の前にいる化け猫って、すごい才能の持ち主なのかも)
ミアン。もう化け猫なんて、やめちゃったら? 綱渡りを芸に生きる猫、芸猫になればいいと思うわん」
「あのにゃあ、ミーにゃん」
「そうだ。ねぇ、ミアン。今度村中を回って、綱渡りをみんなに見て貰おうよ」
「村中を、かにゃ?」
「うん。ほら、村のあちこちに集会所があるじゃない。あそこに人を集めて芸を見て貰うの。きっと、拍手喝采。うけること間違いなしだと思うわん」
「芸猫とはにゃあ。
(ウチがミーにゃんを背中に乗せて、小さな荷車を引いている姿が頭に浮かんできたにゃあ。案外楽しいかも……、おっとと。危うくその気になるところだったにゃあ)
ミーにゃん。ウチは化け猫のままでいいにゃんよ。それより、今の感じを忘れにゃい間に、早く本番をやった方がいいと思うのにゃけれども」
「そうね。ミアンのいうとおりだわん。ええと……」
「うん? ミーにゃん、どうしたのにゃん?」
「ええと……、うぅん、ええと……、のどまで出かかっているのにぃ。そのあとが」
「大丈夫かにゃ? ミー」
「わ、判ったわん!」
「うわっ! ……びっくりしたにゃん。急に大声なんてあげてはいけないのにゃよ。耳が吹っとぶかと思ったにゃん。一体なにごとかにゃ?」
「お次は……、えへん! 第十五話目だわん!」
「話数が思いだせずに苦しんでいたのかにゃ。しかも判った途端、威張っているにゃんて。
やれやれ、ミーにゃんにも困ったものにゃん」
第十五話『イオラとのお喋り』
イオラとはどんな話でも遠慮なくできる。強がりっぽいこともいってみた。
「でも、アタシにはイオラがいるもん。いつだって抱きしめてくれる。霊力だってすぐにもらえる。だから、アタシは平気よ」
「そう? 嬉しいわね。そういってもらえると」
「うん。だけど、たまにミアンがうらやましいって思うこともあるわん」
「そうなの? お願い。詳しく聞かせて」
「ミアンって、ここにいる時はアタシみたいにイオラから霊力をもらっていたでしょう? それなのに人間たちと一緒に食事をして、そこからも霊力を手に入れることができるの。
だから、……いいなぁ、って」
「ミーナちゃん。ワタシたちは生まれた時から霊体でしょ? でもミアンちゃんは、元は実体を持つ普通の猫よ。それが理由なんでしょうね。霊体としてこの世に残った時、ミアンちゃんは生きていた頃の身体を具現化する力、つまり、実体波を使う能力が既に備わっていたの。ワタシはそれに気がついたから使い方を教えたわ。それでミアンちゃんは今までと少しも変わらない生活をつづけられるようになったのよ」
「ふぅん。そうなんだ」
アタシは口をとがらせて足をばたばたさせる。
「あら。ひょっとしてミーナちゃんも、人間たちと一緒にお食事がしたいの?」
「……うん。だってさ、ミアンだって楽しそうに食べているのに」
「ごめんね。ミーナちゃん」
イオラはアタシをぎゅっと抱きしめる。
「そうね。ワタシがミーナちゃんに実体波を使える力を与えられたらよかったのに」
「えっ。ち、違うわん。別にイオラを責めているんじゃないの。ただちょっとうらやましいな、って。ほんのちょっとだけよ」
アタシはイオラが顔をくもらせたので、あわてて弁解した。
「いい子。いい子ね、あなたは」
イオラはそういってアタシの頭をなでる。
「ワタシを気づかってくれて本当にやさしい子ね。ワタシはあなたに会えてよかったわ」
「イオラ……。アタシもよかったと思っているわん。イオラに会えて」
アタシは甘えるような口調でイオラに言葉を返した。
「でも、生きている時みたいに生活できるなんて、実体波ってすごいのね」
アタシがそういうと、イオラは微笑みながら首を横にふる。
「ミーナちゃん。一口に実体波といってもね。いろいろあるのよ。ものに触れられる程度のものから、肉体と変わらないほど高度なものまで。ミアンちゃんの実体波は、もちろん、最上級。村を飛びまわっている霊翼竜と同じように、身体が細胞以下にいたるまで具現化されているの」
「えっ。アーガやフーレって最初から霊体じゃなかったの?」
「アーガの前身はドラス。フーレの前身はディルド。どちらも強い霊力を持った翼竜だったわ。不幸あってともに滅びてしまったのだけれど、彼女たちの残した心と霊力は相当強いものだったのね。村に満ちている霊力を引きこむことなく、自身を霊体として復活させてしまったの。
……ただ、彼女たちは水のように不定形な身体へと変わってしまったわ。翼竜としての威厳と誇りを持って生きてきたものにとっては、到底受けいれることのできない姿にね。当時、村にいた森の精霊は彼女たちの嘆きに応え、村の役に立つことを条件に霊体を再構成、霊翼竜としてよみがえらせたの。それが今、村の上空を飛んでいるアーガとフーレなのよ」
「へぇ。そうだったの。イオラがミアンを助けたのと同じようなことをやったんだ」
アタシは話題を変え、今日、遭遇したできごとについての話を始めた。イオラはいつもアタシの話を楽しそうな顔をして聴いてくれる。アタシもそんなイオラの顔を見るのがたまらなく嬉しい。このひとときはアタシにとって、かけがえのないものとなっている。
話題は、アタシが森でよく見かける銀光虫の話へと移る。
「ねぇ、イオラ。銀光虫って身体が銀色でとてもきれいよね。それに不思議な感じもするの」
「不思議って?」
「暗いところにいる時は身体が光って点滅をくりかえすんだけどね。その光を見ていると、まるでイオラの光を浴びたように力がみなぎってくるの。一体どうしてなのかな」
「あら。……ということは、ワタシ、ミーナちゃんに銀光虫の話はまだ」
「えっ。うん。聞いてはいないと思うわん」
「ごめんなさい。つい、話をしたつもりになっていたわ」
「イオラは銀光虫についてなにか知っているの?」
「もちろんよ。知りたい?」「うん。知りたい」
「じゃあ、話すわ。銀光虫はね、お母さまの意志と力を受け継いでいるの」
「えっ、イオラのお母さま? それって、ひょっとすると前に話してくれた」
「そう。森の精霊『銀霊』。それがワタシのお母さま」
「じゃあ、アタシにとっては、『おばあさま』ってわけね」
「こらっ。そんなこと、大きな声でいってはいけないわ。お母さまはね。そういう呼ばれ方をされるのがあまりお好きではないらしいの」
イオラは人さし指を口元にあてると、心配そうにあたりを見まわした。
「ミーナちゃんとのお喋り、お母さまに聴かれたかしら……。
ああ、どうしましょう。怒ってこの森に雷を落とさないといいのだけれど」
「えっ、そうなの。ご、ごめんなさい」
つぶやきともとれるイオラの言葉に、アタシはあわてて頭を抱えた。
「ふふふ。冗談よ、ミーナちゃん」
イオラの表情が一転。微笑みを浮かべるとアタシを抱きしめた。
「でも、用心するに越したことはないかもしれないわ。これからお母さまのことを口にする時は、別ないい方を考えておいた方がよさそうね」
「別ないい方って?」「そうね……。たとえば、銀霊お母さまとか」
「判った。これからは銀霊お母さまって呼ぶことにするわん」「その方が無難ね」
アタシとイオラは顔を見あわせて笑った。
「それで、イオラ。銀光虫のことなんだけど」
「あら、ごめんなさい。話がいつの間にかわき道にそれてしまっているわね」
「うん。イオラ、銀光虫についてもっと教えて」
「判ったわ。いつもはミーナちゃんに村で起きたできごとを聞かせてもらっているから、今日はワタシが話をしてあげる」
「うん。お願い、イオラ」
「じゃあ、話を始めるわ。銀光虫というのはね……」
イオラの話が始まった。……物語を読むような言葉づかいで。
「実体波の話が出たからいうけど、あれって本当、便利なものだと思うわん。アタシなんか霊体のままだったら、こんな風に一日中、森の外になんていられないもの」
「じゃあ、お話のミーにゃんがお昼に森へ帰っているのは」
「もちろん、霊力切れを起こしそうになっているからだわん。現に帰ったそうそう、イオラから霊力を貰っているじゃない」
「霊体の霊力は意識的に使わにゃくても、自然放出されてしまう分があるからにゃあ。仕方のないことにゃん」
「ミアンは実体波についてどう思っているの?」
「猫だった頃と変わらない身体を再現して貰っているからにゃあ。違和感なく生活できるにゃよ。いや、むしろ楽しくにゃった、といった方が正解かも。だって、猫だけじゃにゃくて人が食べる物も、おなかを壊すことなく口にできるのにゃから。食べられる範囲が拡がるのは嬉しいことにゃん。実体波を使えてよかったと思っているのにゃよ」
「もっとも、いいことばかりじゃないわん。例えば、石にぶつかったら痛い、なんていうのは、霊体の時には感じなかった感覚だわん」
「実体波が高度なものであればあるほど、つまり肉体に近づけば近づくほど、そうなっていくのは当然のことにゃん。外部から受ける刺激の範囲や度合い。これらは拡がらざるを得なくにゃる」
「つまり、使えるからといって、やみくもに強力な実体波を纏う必要はないってことよね。下手をすれば、霊体自身を傷つけちゃう場合もないとはいえないし」
「そういうこと。にゃからといって使うのを恐れる必要もにゃい。ようするに、にゃ。試行錯誤して、それぞれが自分に合った実体波を構成すればいい。それだけのことにゃん」
「実体波の話はこれぐらいにして。……ミアン、どう?」
「うんにゃ。用意はできた。いつでもいいにゃよ」
「よぉし。……ミアン、始めてぇ!」
「判ったにゃん。それぇっ!」
とぅん! ひゅぅっ、ぐゆん!
「よしよし。うまく乗ったわん。お次は、と。ミアン、二つ足で立ってぇ!」
「……よいしょ、と。にゃんか身体が傾いているのにゃ。おぅおぅおぅおぅ」
「あっ、危な……、ふぅ。なんとか安定したみたいだわん」
「ミーにゃん。歩いてみるにゃよぉ!」
「うん。落ちついて。ゆっくりでいいからね」
ぐゆっ。ぐゆっ。ぐゆっ。ぐ。
「ふにゃにゃにゃにゃ」
「そのままじゃ落ちちゃうわん。なんとか安定させてぇ!」
「だめにゃん。身体がふらついてなかなか。……こうにゃったらぁ!」
「ああっ! ミアンったら勢いつけて走りだしちゃった。もう絶望だわん!」
ぐゆっぐゆっぐゆっぐゆっ、…………。
「えっ! うっそぉ! 真ん中まで行った……」
ぐゆん!
「それに……跳躍も成功したわん!」
くるり。
「後転もうまく……、そ、それじゃあ、あとは前足で立って扇子を掲げさえすれば」
ぐゆん!
ちょん。ちょん。
「ミーにゃん!」
「と……とても信じられない……。アタシは……今、奇跡を目の当たりにしている。でも確かにやった……。そう。やったわん。成功したわん! うわぁい! ミアン!
……あっ、そうだ!」
ふみっ、ふみっ。
うぉーっ! わぉーっ! がぉーっ! ……。
ぱーん! ぱーん! ぱーん! ぱーん! ……。
ぱちぱちぱちぱちぱち! ぱちぱちぱちぱちぱち! ……。
「そしてぇ!」
ぱたぱたぱた。
「なんにゃ? ミーにゃんが飛んできた」
ぐん!
「綱の上に足をおろし……、いや、跳びあがったにゃん!」
くるっ。……のん!
「と思ったら……、にゃんと! 宙で一回転してウチの頭の上にぃ!」
「(ふふふ。成功だわん。ミアンとは身体のむきが反対だけど、なんとか立てちゃった。あとは……両手の扇子を開くだけ!)
それぇっ!」
ぱっ。ぱっ。
『祝! 精霊イオラ』『祝! 妖精ミーナ』
「またしても決まったわん!」
「ミーにゃん……。自分まで歓迎するにゃんて」




