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天空の村・アタシはミーナ  作者: シード
14/42

第十三話『装飾石ファライア』

「さぁ、張りきっていってみよう! 両腕を動かしてぇ!

 お一、二、三、四。お一、二、三、四」

「一にゃん、二ぃにゃん、三にゃん、四ぃにゃん。

 一にゃん、二ぃにゃん、三にゃん、四ぃにゃん」

「はい、身体をひねってぇ!

 お一、二、三、四。お一、二、三、四」

「一にゃん、二ぃにゃん、三にゃん、四ぃにゃん。

 一にゃん、二ぃにゃん、三にゃん、四ぃにゃん」

「はい、お次は大きく飛んでぇ!」

 びゅぅん! ふわあぁぁ!


 ごつん! 「うわあっ!」 ひゅぅっ!

 ごつん! 「ふにゃあ!」 ひゅぅっ!


 ずどどどどぉーん!


 くるくるくる。くるくるくる。

 ふらふらっ。ふらふらっ。

「ミ、ミアン。目がくらくらと」

「ウ、ウチもにゃよ、ミーにゃん」

 ばたっ。ばたっ。


「……よいしょ、と。ミアン、大丈夫?」

「ミーにゃん、大丈夫にゃよぉ。どれ、よいしょ、と。

 ふぅ。にゃんとか、めまいが消えたのにゃ。本当、一時はどうにゃるかと」

「アタシも、だわん。食べてばっかりだから身体を動かそうって始めたんだけど……。

 簡単な体操のつもりだったのに、どこで間違ったのかな?」

「猫と妖精だけで、しかも耳で聞いて想像したのを頼りに体操したっていうのが、そもそもの間違いだったような気がするのにゃけれども」


 ひゅぅぅぅ、がつん!


 ばたっ。ばたっ。

「ふにゃああ!」

「あ、頭がぁ!」

 じたばたじたばた。じたばたじたばた。

「痛いにゃあ! ミーにゃん。にゃんでウチにつきにゃんかを」

「あ痛たたた! やったのはミアンでしょ? アタシじゃないわん」

「ウチがそんなことをやるわけないじゃにゃいか。ううっ。まだ痛いのにゃあ。

 ミーにゃん。霊体でしかも身体はちっこいのに、にゃんでこんなに頭が硬いのにゃ?」

「だから、アタシはやっていないって。大体、失礼だわん。頭が悪いぃ、だなんて」

「誤解してはいけないのにゃよ。言葉そのままの意味で、頭が硬い、っていっているだけにゃん」

「ミアンこそ硬いわん。日頃なに食べてんの?」

「特に頭が硬くにゃるようなものは食べていないのにゃけれども……って、うん? これはなんにゃろう?」

 すくっ。

「どれどれ? ……あっ。それってミアンがたまねぎを切った時に使ったまな板だわん」

「これがウチの頭とミーにゃんの頭を。道理で痛い筈にゃあ」

「でも確か、片づけた筈……。あっ、風呂敷がぱぁっと拡がっているわん」

「床に落ちた時じゃにゃいか。勢いでふわっと浮きあがってしまったのかも」

「それならミアンのせいよ。アタシぐらいじゃ、こんなの浮きあがらないわん」

「いや、そうとは限らないのにゃよ」

「どうしたの? 急に真面目な顔になって」

「ふっふっふ。判ったのにゃ、ことの真相が」

「へっ?」

「確かにウチはミーにゃんよりも大きい。にゃけど、落ちる勢いはミーにゃんの方が強かった筈。現にミーにゃんが床にぶつかった瞬間、噴煙みたいなものが浮きあがったのを、この目でしかと見届けているのにゃ」

「それならミアンだって」

「ミーにゃん。悪あがきはよすのにゃ。見苦しいだけにゃんよ。ウチが落ちた時にはにゃ。あんにゃものは現われなかったのにゃあ!」

「そんなことないと思うわん。ミアンだって、きっと出た筈よ」

「筈? ということは、ミーにゃんはウチみたいに確認していないのかにゃ?」

「うっ。……見ていないわん。でもぉ!」

「決まったにゃ。これでウチの推理が正しいことが証明されたのにゃん。ミーにゃんが造りだした噴煙。あれが風呂敷を拡げさせ、まな板を宙に浮かばせたのに違いにゃい!

 もういい逃れはできないにゃよ。犯人は……ミーにゃん。あんたにゃあ!」

 びしっ!

「アタシじゃないわん! ミアンこそ、素直に白状しなさい! 自分がやったって」

「ミーにゃん! いつまでそんにゃたわごとを」

「ミアン! そぉれっ。じゃんけん」

「ぽん! ……し、しまったにゃあ! ついつられて『じゃんけん』をしてしまったうえ、出しやすい『ぱー』を」

「勝負あった、というところね。この『ちょき』がアタシの正しさを証明しているわん」

「くくっ! ミーにゃん。恐れ入ったにゃん」

「……かくしてミアンは自分が犯人であることを認め、事件は終わりを告げたわん。

 どう? ミアン。痛さまぎれにつまんないことをやったけど、治った?」

「まぁ、にゃんとか」

「アタシも。それじゃあ、まだふらふらではあるけど」

「まさか、ミーにゃん」

「うん。とりあえず、第十三話を読もう……って、十三だったの。不吉だわん。

 あっ、そうか! だからよ、ミアン。こんなことが起きたのは」

「ミーにゃん。無理矢理こじつけにゃくても。それよりこんな状態で果たして読めるのかにゃあ」

 第十三話『装飾石ファライア』


 食事後、二人は食器を洗った。今はテーブルでお茶を飲み、一息入れているところだ。

「食後のお茶もなかなか……。あっ、そうだ」

「どうしたの? ラミアさん」

「なぁ、レミナ。お前さっき病院で、あたいに見せたいものがあるっていってたよな」

「あっ、そうそう。ちょっと待ってて」

 レミナさんはそそくさと戸棚に向かう。一番上の引きだしから箱を取りだすと、大切そうに持ってきた。

「ラミアさん、これなの」

 ぱかっ。

 レミナさんが箱を開けた。そこには、装飾具がびっしり。

「どれどれ」

 ラミアさんは箱の中から、指輪や腕輪、髪飾りや耳飾り、首飾りや胸飾りなどの装飾具を次々と取りだしては、テーブルの上に並べている。

「お前ってこういうものが好きだよな」

 ラミアさんは首飾りをつけて鏡をのぞきこんでいる。

「なかなかいいなぁ、これ。一体どこで買ったんだ」

「へへへへ。ラミアさん。ここにあるのは全部、あちきが造ったんだよ」

「えっ。それじゃあ、これもお前の自作なのか?」

 目を丸くするラミアさん。

「うん、そうだよ。結構よくできていると思うんだけど?」

「へぇ。やっぱり、お前って器用なんだな。それとも才能かな。この首飾りだって市場に出せば、かなりの値がつくんじゃないのか」

 ラミアさんは他の装飾具をながめたあと、再び首飾りへと目を向ける。

「でも、レミナ。この首飾りの飾り具ってさ。台の部分は、どこの店でも見かけるから手に入りやすいんだろうけれど、この中に埋めこまれている赤い石は、一体どうやって手に入れたんだ? よく見れば箱の中にある全部の装飾具に、これが使われている。きらきらと輝いてきれいだけど、あたいがこれまでに見たことがない石だ」

「それはファライア。これがその原石だよ」

「えっ。これが」

 ラミアさんは手渡された赤い石を見て、首をかしげている。

「これが……。確かに赤いけど、石全体からは、ぼけた色と輝きしか感じられない。とてもこの飾り具に使われている石と、同じものだとは思えないんだけどな」

「でも、ラミアさん。これがそうなの。飾り具に埋めこまれている石が光を受けるときれいに輝くのは、特殊な加工を施しているからなんだよ。

 飾り具の石をよく見て。表面が複雑な角度で研磨されているのが判るから」

「……なぁるほど。これが輝いている原因ってわけか。面白いもんだな。こんな形にしただけで、まるで別の石のように生まれかわるなんて」

「これはさっきの原石と同じ大きさだけど、研磨を施したものだよ。どう? きれいでしょ?」

「こ、これは……。ここまで来ると、もう石じゃないな。宝石といっていい。たいしたもんだ。これを見せたがっていた理由が、なんとなく判る気がするよ。なんだかあたいも一つ造ってほしくなった」

「いいよ、造ってあげる」

 レミナさんはあっさりと承諾した。

「ほ、本当か?」

 ラミアさんは半信半疑といった表情を浮かべてはいるものの、口から出る言葉からは期待をにじませているような感じが伝わってくる。

「うん。だけど、一つ困ったことがあるんだ。この石を採るのが、なかなかやっかいなんだよ」

「そうだ。まだそれを聞いていなかったな。一体、どうやって手に入れたんだ」

「この森の一角にね。人が入るのに十分な大きさの穴があるんだ。その中で見つけたの。少し掘れば、たくさん手に入るよ」

「それならあたいも手伝うから、掘りに行こう」

「ところが、だよ。……ふぅっ」

 レミナさんがため息をついている。

「なんだ? なにか問題でもあるのか?」

「うん。実はその場所って、ブルクたちのたまり場なんだ。食料となる草木や花。飲み水になる池もあるから、ほぼ一日中いる」

「ブルクって、食肉として提供されるおなじみの」「そうだよ」

「ちょっと待て。それって、ひょっとしたら、野生のブルクじゃないのか。市場に出せば、かなりの高値になるっていう」

「あたりまえだよ。家畜を飼えるのは農業区だけだからね。間違いなく野生のブルクだ」

「赤い石より、そっちの方がすごいじゃないか。もし、捕まえることができたら」

「ラミアさん。ここがどこだか判っていっているの?」

「えっ。そりゃあ、フーレの森……。あっ、そうか。だめなんだ」

「そのとおり。村の中で狩りや漁が許されているのは『自由の森』。別名、『狩人の森』だけじゃない。他でやったら、即、逮捕だよ」

「そうだったな」

「もし、狩りが許されているなら、とっくにいなくなっているよ。禁猟区だからこそ、生き延びていられたんだ。それにさ。もし、ラミアさんが獲ろうとしたって相手は野生の獣だ。それに対し、ラミアさんは狩人でもなんでもない。大怪我をするのが関の山だと思うよ」

「そうだな……。ブルクはあきらめるとするか。だけど、あの赤い石のある場所がブルクのたまり場っていうのは、確かにやっかいだな」

「そうなんだ。野生のブルクって人を見つければ、面白半分に背後から襲おうとするから」

「穴に落としたり、倒れたところに土をかぶせて泥だらけにしたりするっていううわさもある。ひどい目に会うのが目に見えているな。向こうはその気がなくても、運が悪ければ怪我をしないともかぎらない」

「やっぱり、あきらめようか」

「それにしても、お前。そんな状況で、どうやってあの石を見つけたんだ?」

「実はあのあたりにはきれいな花が咲いているの。午後のわずかな時間だけブルクが一匹もいなくなることがあるから、それを見はからって花を採りに行ったんだよ。ところが運の悪いことに、たまたま一匹だけ早く帰ってきちゃってさ。あちきは襲われそうになったから、霊波をまとって穴の中へと逃げこんだの。その時、偶然目にしたんだよ。底や底近くの壁に、こうびっしりと埋まっている赤い石をね」

「つまり、運がよければその時間内に採れるかも、ってわけか。……レミナ。やってみるか?」「うわぁ。ラミアさん、協力してくれるんだ」

「ああ。あたいも装飾具が欲しくなったしな。ブルクに見つかったって、二人なら警戒して襲われずにすむかもしれない」

「そうだね。あちきもファライアが手元にあとわずかしかないから、新しい装飾具が造れずに困っていたんだ。

 よぉし。やろう、ラミアさん」

「そうと決まれば、善は急げ、だ。今日の午後はどうだい?」

「いいよ。じゃあ、そうしよう」「それで午後のいつ頃なんだ」「これくらい……」

 レミナさんは両手で時刻を示す。

「そうか。だったら、午後の運搬が一段落したあとでも充分間にあうな。終わり次第、大急ぎでこっちへ戻ってくるよ」

「判った。あちきも、それまでには準備して待っているから」

「そうだな。そうしてくれ。

 ……それじゃあ、この件についてはここまで、ってことでいいんじゃないか?」

「そうしようか、ラミアさん。まだお昼前だけど、ご飯もすませちゃったしね。

 そろそろフーレを飛ばそうかな」

「こっちも運搬のお務めを再開するか。レミナ。美味い料理をご馳走してくれてありがとうよ」

「あちきこそ。美味しいおにぎりありがとう。じゃあ、またね」

 ラミアさんはレミナさんに別れを告げ、ミレイと別れた空地へ歩いていく。ミレイは既に戻っていて翼を休めていた。

「よおっ、待たせたな」

「くぉーっ! くぉーっ!(ラミアさん、お帰りなさいませ。さぁ、早くお乗りください)」

「判った、ミレイ」

 ラミアさんは身体をかがめたミレイに勢いよくまたがり、手綱を手にとる。

「じゃあ、行くぞ。ミレイ!」

「くぉーっ!(判りました)」

 ラミアさんの指示のもと、ミレイが翼をはためかせて大空へと舞いあがった。レミナさんは小屋の前で手をふりながら、立ち去る親友の後ろ姿を見送っている。

(午後は楽しいことになりそう……。あっ、もうそろそろ本当にお昼になるわん。じゃあ、アタシも帰らなくっちゃ)

 アタシはイオラの元へと飛んでいった。


「にゃああんだ。ちょっとは期待していたのに。ふぅ」

「(ミアンったら、深いため息なんかついちゃって)

 どうしたの?」

「ウチはてっきり、次にくるのはお皿いっぱいの果物の盛りあわせにゃとばかり……。

 残念な話にゃ。期待はずれにゃん」

「なーるほどね。食べ物の話じゃなくなったから、がっかりしているんだ」

「そういうことにゃん。装飾具は食べられにゃいもの」

「ミアンらしいわん。それはそうと」

「なんにゃ? ミーにゃん」

「さっき体操やったじゃない?」

「飛びあがって天井と床にぶつかった奴かにゃ?」

「そうそれそれ。どう? ぼよんぼよん、って、『ごむまり』のように弾む身体になってみない? これならどこにぶつかっても痛くないと思うわん」

「ミーにゃんはやりたいのかにゃ?」

「うん。やってみたいわん」

「まぁ、そういうにゃら、やってみるとするかにゃん」


「それじゃあ、張りきっていってみよう! いきなりっ! 大きく飛んでぇ!」

 びゅぅん! ふわあぁぁ!


 ぼむっ! 「うひょおぉ!」 ひゅぅっ! ぼむっ!

 ぼむっ! 「ふにゃあん!」 ひゅぅっ! ぼむっ!

 ぼむっ! 「うひょおぉ!」 ひゅぅっ! ぼむっ!

 ぼむっ! 「ふにゃあん!」 ひゅぅっ! ぼむっ!

 …………。

 …………。


「ミアン。霊覚交信使える?」

「使えるにゃよ、ミーにゃん」

「どう? なかなかいい感じじゃない? 天井と床だけじゃなくて四方の壁にも、ぶつかったりはね返ったり。どこに飛んでいくか判らないところがよけい面白いわん」

「にゃんか落ちつかないにゃ。自分が本当に『ごむまり』になった気がしてきたにゃよ」


 ぼむっ! 「うひょっ!」 びゅぅ! ぼむっ!

 ぼむっ! 「ふにゃっ!」 ひゅぅ! ぼむっ!


「ミ、ミーにゃん。にゃんかすごく早くなってきたのにゃ。そろそろやめようにゃん」

「そ、そうね。そろそろ……、えっ! ミアン、どうしよう。とまらないわん」

「こっちもにゃ。勢いが強くなって、どんどん加速してくるのにゃん!」


 ぼんっ! 「うひ!」 びゅん! ぼんっ! ……。

 ぼんっ! 「ふに!」 ひゅん! ぼんっ! ……。


「ミアン、思いっきりたたきつけられているみたいで痛いよぉ!」

「このままじゃあ、ウチらの身体は霊体ごと、壊れてしまうにゃん!」

「ミアン、どうしよう?」

「こうにゃったら一か八かにゃん。はね返る角度をにゃんとか調節して、ウチらの身体どうしがぶつかるようにするのにゃん」

「だめぇ! そんなことをしたら衝突の勢いで霊爆を起こすかも……」

「ミーにゃん。にゃから」

「あっ、そうか。その手があったわん」

「どうやらミーにゃんも同じことを考えているみたいだにゃ」

「あったりまえよ。アタシたち親友だもの」

「それじゃあ、ミーにゃん!」

「うん。始めるわん」


 ぼんっ! 「うひ!」 びゅん!

 ぼんっ! 「ふに!」 ひゅん!


「次にゃよ、次にぶつかったあと、ミーにゃんはウチの正面に出る筈にゃ。準備はいいかにゃ? ミーにゃん!」

「もちろんだわん!」


 ぼん!

 ぼん!


「いくわよぉ! それっ、『妖力爆風波』ぁ!」

 ぶわぁっはっ!


「こちらもいくにゃあ、『ねこねこ反射』ぁ!」

 ふにふにふにふにふに!


 ひゅるひゅるひゅるひゅるひゅる。

 すたっ。すたっ。


「ふぅ。やっと終わったわん」

「ふぅ。大変だったにゃあ」

「さすがね、ミアン。爆風波を反射することで、アタシの動きを弱めるなんて」

「さすがなのはミーにゃんの方にゃ。よく気がついたにゃ。爆風波の力を受けとめることで、ウチが自分の動きを弱めようとしていることに」

「そりゃあね。親友だもの。あっはははは」

「あたりまえにゃよ。にゃはははは」

「あっはははは。あはっ……ふぅ」

「にゃはははは。にゃは……ふぅ」

「ミアン。さみしいね」

「うんにゃ。いつもにゃら、ここで必ずマリアにゃんが」

「つっこんでくれるものね、こういって」


『自画自賛ですね』


「えっ! マリアさん?」

「どこ、どこにゃん!」

「ええと。……いないよ、ミアン。気のせいかな?」

「いいにゃ。確かにあれはマリアにゃんの声。ウチらが聞き間違える筈がにゃい!」

「でも、ミアン。アタシたちは天外魔境をとおってここへきたのよ。いるわけが」

「マリアにゃんは顔や外見こそ地味で目立たにゃいものの、どこか謎めいたところがあるお人にゃ。岩石研究所のリンダにゃんも、『聖母様』といわんばかりに崇めている。にゃにか不思議な力を秘めているのかもしれにゃい」

「そうかぁ。アタシたちがどこにいようと、見守ってくれているのね」

「そうだと思うにゃよ、ミーにゃん」

「よぉし。アタシにはイオラだけじゃなく、マリアさんもついている。ならさみしくなんかない。最後まで読みとおすわん」

「ミーにゃん。ウチもそばにいるにゃよ」

「ありがとう、ミアン。あっ、そういえば」

「どうしたのにゃん?」

「今回のお話。確か一番終わりは……。やっぱり。間違いないわん!」

 ずぼっ!

「ミーにゃん……。勢いよく部屋を出ていったのにゃけれども、どうしたのにゃろう?

 ええと、ミーにゃんが見た終わりって……。うん? ひょっとして、これかにゃ? にしても、一体にゃにを?」

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