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人の手により造られたゴーレムは、二種類に大別される。
逐一術者の命令を受けて動く操縦型と、あらかじめ組み込まれた命令通りに動く自動型だ。
前者の方が融通は効くが術者の負担が大きく、後者の方が一般的だが――組み込まれた命令を読まれてしまえば動きを先読みされてしまい、場合によっては利用すらされてしまうリスクもある。
ユハスは複数のゴーレムを所有しているが、当初の予定ではこのクエストには前者のタイプのゴーレムを使う予定だった。
術者の負担は大きいが、使いこなす自信があるなら圧倒的に使い勝手がいいからだ。
(だが、今回はこっちだな。)
埃避けの布を取り払い姿を露わにさせたのは、一体のストーンゴーレム。
魔力の通わない現時点では、ただの動かぬ石人形だ。
「初期値起動。」
声帯認証と、魔力付与でゴーレムを起動させる。
「……あれ?」
ガルディウスがあげた訝しげな声に、ユハスは口の端を吊り上げる。
「おまえにはどう見える?」
「核が……いっぱいです。」
通常ゴーレムの動力源――心臓とも言える核は、一つである。
それが複数存在する神眼持ち用ゴーレム――否、本来の目的は別にあったのだが……ユハスの手持ちのゴーレムの中で最も神眼持ちに有用なゴーレムだ。
「こいつの核は全部で108つ。どれか一つでも残っていればゴーレムは機能する。」
高い守備力と、再生能力を誇るゴーレムを倒すのに最も効率的と言われる核の破壊。
しかし、それが108もあるとすれば――その難易度は格段に上がる。
見えていたからと言って、108もある核をすべて破壊することは容易なことではない。
「すごいですね。108つも核があるにしては消費魔力も少ないし。」
「そこまでわかるか。随分と優秀な神眼だな。」
「ええと……眼だけはすごくいいって言われます。」
一口に神眼と言っても、その精度は千差万別。
ゴーレムを動かす核に必要とされる魔力は大きく、神眼持ちでさえあれば見破ること自体は容易いだろうが――その魔力の程度までをも見抜くほどの精度の持ち主は稀だ。
「いっそ特科で入学すれば、ここまで落ちこぼれ扱いされなかったんじゃないのか?」
「でも……僕が目指すのは、立派な魔法使いですから。」




