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魔力値の低い魔法使いが自らの魔術の運用法を秘匿するのは、魔力値の高い魔法使いと同じ使い方をしていては、決して敵わないからだ。
自らの低い魔力値を補うため、十の魔力で十の威力をもつ魔法を、一の魔力で発動させる方法を編み出したとする。
すると、自分の十倍の魔力値を持つ魔法使いと同等の活躍ができる。
しかし、その方法を十倍も魔力値を持つ魔法使いも使ってしまえば――その差は決して埋まらない。
魔力値の低い外遊魔力の術の使い手は、だからこそ自らの魔術を秘匿し、魔力値の差を補おうと努力するのだ。
紋章術など外遊魔力を用いた魔術の使い手にとって、術者ならではの魔術の使い方は自らが魔法使いとして成功するための生命線だ。
だからサザーラは試験の結果を公開しないし、教え子の魔術の使い方を吹聴したりしない。
しかし――
紋章術実技一位の生徒に対する高い関心を見せた二人が帰ったあと、サザーラは微笑を浮かべる。
「まあ、ガル君の場合は秘匿する必要性を感じないんですけどね。」
ガルディウス自身、自らの術を秘匿しようとはしていない上――ガルディウスの魔術は理解したからといって、真似られるようなものではない。
ユハスや、クロードたちに教えても良かったのだが――
「どうせなら、自分で見つけてごらんなさい。」
教えられるよりも、悟ってほしい。感じて、そして見つけてほしい。
あれほどまでに圧倒的でありながら、注意しなければ見逃してしまう密やかな天才を。
それにサザーラがわざわざ教えずとも、もう時間の問題だろう。
「ユハス君もクロード君も優秀ですからね。きっと見つけられますよ。」
きっと彼らなら見つけられる。
ガルディウスの『見えない』魔法も。




