第9話 超人認定試験
日向は超人認定試験を受けるために村を出る。源次郎だけでなく村人たちが見送ってくれる。見送りは日向を勇気づける。
日向はこれまで一人でやって来た。超人を目指すことで両親とは絶縁状態である。アルバイトで生活費を稼ぎながらトレーニングを続けてきた。
3回の超人認定試験では、体力測定はトップクラスだった。A級超人との試合でもうまく戦えたと思っている。
試験でA級超人に勝てる者など通常いない。だがC級超人の認定さえとることができない。もうA級超人に勝って実力を示すしかないと思える。
今回は違う。赤い雷光の源次郎が背中を押してくれたのだ。自信はないが受かるような気がする。
日向は浜松駅に到着する。超人協会本部は駅から距離があるが歩いていくことにする。しばらく歩いて歩道のない道を通りかかると黒いワゴン車が猛スピードで走って来る。
日向は荒い運転をするなと思いながら歩く。するとワゴン車は日向に向かって突っ込んでくる。日向は運転手の顔を見て、自分を殺しにかかってきていると察する。
ワゴン車はそのままの勢いで日向をひき殺そうとする。日向はひかれる直前、左手でワゴン車を受け止める。ワゴン車の前部が壁にでも衝突したようにつぶれる。
さらに日向は右手でワゴン車のバンパーを掴むと持ち上げ、ひっくり返すように投げる。ワゴン車は道路に屋根からたたきつけられてつぶれる。
運転手はドアが開かなくなって車内に閉じ込められる。日向はワゴン車に近づいて運転手に言う。
「なぜ殺そうとした。」「ち、違うよ。ハンドル操作を誤ったんだ。」
日向はドアを引きちぎって開けると運転手を引きずり出す。
「もう一度聞く。なぜ殺そうとした。」「だからハンドル操作を・・・」
「思い出せるようにマッサージでもしてやろうか。」「分かった。兄貴に頼まれたんだよ。」
「兄貴?」「あんた、誰かに恨みを買っているんじゃないか。金を貰っているんだ。」
日向は駆け付けた警察官に運転手を引き渡す。警察の話では運転手は街で悪さをしているチームの一員と言うことだった。
警察は被害を出してほしいと頼んだが試験があるのため、後で警察署へ行くことになる。
超人協会本部に到着して受付をして、試験会場へ行く。すでに100人近く集まっていた。日向は見回すが強いと感じる者がいなかった。
これまでなら、少なくとも2、3人は強いと感じる者がいた。今回はレベルが低いのかもしれないと考える。
最初に体力試験を受ける。日向は体力試験でダントツのトップになる。
次に、実戦試験を受ける。参加者は4グループに分かれて、それぞれがA級超人と試合をすることになる。
日向は自分の順番が来るまで他の参加者の試合を見る。やはり、参加者の中に強い者はいない。そして、不思議なことにA級超人にも勝てそうに感じる。
日向はA級超人は本気を出してないだけだと頭を切り替える。そして、日向の順番が来る。日向は驚く。日向の前に立ったのはS級超人チーズナンマンだったのだ。




