第8話 ハバカルの陰謀
源次郎が日向に言う。
「そろそろ、超人認定試験の頃じゃろ。申し込みはしたのか。」「僕が修行を始めて1カ月経っていないのですよ。受けるなどとんでもない。」
「日向の実力ならS級超人に認定されるじゃろう。」「僕は弱いです。網タイツ男に負けました。」
「あの変態は強いぞ。とりあえず受けてみよ。」「はい、師匠。」
日向は超人認定試験に申し込む。だが、気が重い。これまで3回試験に落ちているのだ。手ごたえがあるのに落ち続けている。
超人のランクはS、A、B、Cの4ランクになっている。S級超人は日本に10人しかいない。
もちろん超人協会の依頼を引き受けると報酬がもらえる。先日のように依頼もなく怪人に遭遇して撃退した場合は無報酬である。
秘書のマカレがハバカルに耳打ちする。
「小堺日向が超人認定試験の申し込みをしました。」「奴は強くなっている。手を打たねばな。」
「試験の試合相手をS級超人にしてはどうでしょう。」「そうだなA級では勝ってしまうかもしれないからな。」
「理由はA級超人の数が足りなかったということでどうでしょう。」「それでいこう。試合の判定はこちらに意のままだからな。」
「そのように手配します。」「もう一つ手を打とう。試験会場に来る前に不幸にも車にはねられるということにしよう。」
「さすがにそれは・・・」「何を言っている。超人を目指しているのだ死ぬことはなかろう。」
「分かりました。手をまわします。良いのですね。」「ああ、やってくれ。」
ハバカルは醜悪な顔で笑う。これで小堺グループの御曹司に落ちこぼれの烙印を押すことが出来る。これで二度と超人認定試験を受けようなどとは思うまい。
マカレは、ハバカルの個人的な恨みを晴らす手助けをすることに嫌気を感じる。だが、ハバカルに意見することが出来ない。
マカレは、イエスマンの自分が嫌いだった。それでも仕事が早い。S級超人チーズナンマンを本部に呼び出すと小堺日向を徹底的に叩きのめすように指示する。
「それは不正じゃないか。俺は正義のヒーローだ。他を当たってくれ。」「最近、依頼をこなせていないようですね。これでは超人をやめた方が良いのでは。」
「待ってくれ。俺は慈善活動を中心に動いているんだ。飢えている人々にチーズナンを届けなくてはいけない。」「それは超人でなくてもできるでしょう。」
「分かった。試験の件は引き受けるよ。」「よろしくお願いしますよ。報酬も期待していてください。」
マカレはチーズナンマンが心優しい男であることを知っていた。だが、ハバカルの意思は絶対なのだ。
さらに手をまわして、半ぐれに日向を車ではねるようにした。もちろん実行犯はハバカルやマカレのことを知らない。人をはねて金をもらうだけなのだ。




