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第3話 源さん新幹線に乗る

 源次郎は駅でごねていた。今日は日向と東京へ行く予定だ。

 「新幹線は高齢者から金をとるのか。村のコミュニティバスは高齢者無料だぞ。」「師匠、こらえてください。」

 「駅長室に行くぞ。交渉してやる。」「待ってください。恥ずかしいまねはやめてください。」

源次郎は、泣きつく日向を引きずって行く。

 「駅長は居るかの。」「私がそうですが、何か。」

 「これは警察署長の感謝状じゃ。奴は、わしに恩があるから新幹線代は警察署長に付けておいておくれ。」「困ります。お客さん。」

駅長と日向は源次郎を1時間かけて説得する。結局、日向が源次郎の新幹線代を払うことになる。日向は最初から二人分払えばよかったと後悔する。

 源次郎は新幹線に乗り席に着くときょろきょろと周りを見回す。日向は我慢する。5分、10分、20分、30分、我慢は限界に来る。

 「師匠、何やっているんですか。」「車内販売のお姉ちゃんはまだか。」

 「この新幹線は車内販売はありませんよ。」「何、お姉ちゃんが来ない。わしは楽しみにしていたのに。」

 「いい年して何言っているのですか。」「そこのお姉ちゃん、ぴちぴちだぞ。手を振るか。」

 「やめてください。恥です。」「日向は硬いのう。村でも若い娘たちが興味深々なのに塩対応しているし・・・」

 「僕はヒーローを目指しているんですよ。」「ヒーローは関係なかろう。」

 「師匠は若い時はどうだったのです。」「もてたのう。毎日違う子とデートをしていたぞ。」

 「よく、無事でしたね。」「いやーそれが女の子たちを怒らしてしまってな。週刊誌の記事にされるわで、東京におれなくなってしもぅた。」

 「それで、田舎に流れ着いたのですね。」「よくわかるのう。全国を転々として90歳の時、今のところに住むことになったんじゃ。」

 「90歳でも同じことをしていたのですか。師匠は学習しないのですね。」「何を言っている。いまでも現役だぞ。試しにあそこのお姉さんとデートの約束を・・・」

 「やめてください。僕の目の黒いうちは女性と楽しもうなんてさせませんよ。」「なんて弟子じゃ。老人をいたわらんか。」

源次郎は涙を流しながら抗議する。日向は頑として耳を貸さない。二人が騒いで周りに迷惑をかけているうちに新幹線は東京駅に到着する。

 源次郎と日向が駅を出ると街が騒がしい。源次郎のセンサーが悪の気配を察知する。

 「これはいかん。戦闘服に着替えねば。電話ボックスはどこじゃ。」「ありませんよ。トイレで着替えてください。」

 「仕方ないな。お前は控えておれ。」「はい、師匠。」

日向は、源次郎が悪と戦う姿が見えると期待する。

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