第25話 本部壊滅
黒メガネたちは懸命に戦ったが、網タイツ男の敵ではなかった。黒メガネは網タイツ男の抱擁を受けて一人また一人倒れてゆく。
網タイツ男が2階にあるモニタールームへ到着することは時間の問題だった。マカレは自動小銃を手にする。マカレには銃など網タイツ男に通用しないことが分かっていた。
モニタールームに黒メガネの悲鳴が近づいて来る。モニタールームのドアノブが動いた瞬間、マカレは自動小銃をドアに向けて斉射する。
「ギギギーーーッ」
ドアノブがきしんだ音を立てながら開く。通路には誰もいない。しかし、マカレの耳元にささやくような気持ち悪い声が響く。
「あら、ダンディな、お・じ・さ・ま。」「なっーーーー」
マカレは飛びのくと自動小銃を声がした方に向ける。しかし、そこには網タイツ男はいない。
網タイツ男は自動小銃を掴んでマカレから取り上げるとマカレに愛の抱擁を炸裂させる。
「うわわわわわーーーーーーーーーーーーー」
マカレは恐怖のあまり叫ぶ。一瞬にして黒髪は白髪に変わる。
「感激してくれたの。髪が白くなっているわ。うれしい。」
網タイツ男はマカレにウインクするとモニタールーム内に残っていた黒メガネを襲う。網タイツ男にとって愛情表現だが、他の者にとっては地獄だった。
ハバカル会長は最上階15階にある会長室からS級超人に至急本部へ向かうように指示を出す。だが、彼らは東京だ。間に合わないだろう。
源次郎と日向にもハバカル会長の指令が届いていた。
「仕方ないのう。浜松で新幹線を降りるか。」「はい、師匠。」
源次郎と日向は超人協会本部から一番近くにいた。しかし、二人は本部で何が起きているのか知らない。日向は何が起きているのか気になったが、源次郎は気にもしていない。
網タイツ男はだんだん階を上に上がって行く。また、新しい悲鳴が響き、黒メガネが犠牲になる。ハバカル会長の部屋にも悲鳴が聞こえてくるようになる。
ハバカル会長の手のひらに汗がにじむ。部屋には黒メガネが二人護衛についている。
「ぎやああああああぁぁぁぁーーーーーー」
ドアの向こうから悲鳴が響く、二人の黒メガネは左右に分かれてドアに向けて拳銃を構える。ドアが広くと同時に二人は拳銃を撃つ。だが、網タイツ男はいない。
気がついた時には一人が抱擁されて悲鳴を上げている。もう1人が拳銃を向けるが撃つことが出来ない。このままでは仲間に当たってしまう。
「早く撃て。お前もやられるぞ。」「しかし・・・」
ハバカル会長が指示するが、黒メガネは戸惑う。そして、網タイツ男の犠牲になる。ハバカル会長は、「次は私か」と覚悟を決める。
網タイツ男が前に立つ。ハバカル会長には死神に見える。変態の死神だ。死神が言う。
「あなた、醜いわ。私が慈悲深くても無理なの。ごめんなさいね。」
変態の死神は去っていく。ハバカル会長は崩れ落ちる。助かったのか・・・醜いって、私が醜い。ハバカル会長は怒りが湧き出してくる。
こうして、超人協会本部は網タイツ男一人に潰される。源次郎と日向が到着した時には網タイツ男は立ち去っていた。
ハバカル会長は、網タイツ男をSSS級怪人に指定して殺害指示を出す。




