第17話 イナゴ怪人
村に3台のオートバイが入って来る。全員フルフェイスヘルメットではなくマスクで頭を覆っている。マスクはイナゴをモチーフにしており、全身イナゴスーツだ。
村の警鐘が打ち鳴らされる。
「イナゴ怪人がきたぞーーーーー」「誰か源さんを呼んできてくれーーーーー」
イナゴ怪人はオートバイから降りると田んぼに駆け寄る。
「稲は残らず我々が食ってやろう。」「待て、イナゴ怪人、懲りない奴らだ。」
「出たな、じじい勝てると思うなよ。今日は3人だからな。」「日向、2人くれてやる。修行の成果を見せてみろ。」「はい、師匠。」
村人が歓声を上げる。
「源さんと日向君が来たぞーーー」「イナゴ怪人なんか倒してしまえ。」
日向が突っ込み。先頭のイナゴ怪人にパンチを繰り出す。パンチは顔面を直撃して、イナゴ怪人はよろめきながら後退する。
「この小僧、強いぞ。」「ならば二人がかりだ。」
「いくぞ、イナゴダブルキック!」
日向は余裕でかわす。
「かわすとは卑怯な。」「どこが卑怯だ。」
「イナゴダブルパンチ!」
日向はなぜ技の名前を口にするのか理解できない。来るとわかっている技など余裕でかわせるに決まっている。
その頃、源次郎はイナゴ怪人を相手に指パッチンで戦っていた。
「じじい、ふざけるなーーーーー」「バチッ。」「いてててててーーーーーーー」
イナゴ怪人はあまりの痛さに転げまわる。
「お前さんらは弱いのう。」「じじい、いい加減に・・・」「バチッ。」「いてててててーーーーーーー」
「俺にも意地がある。イナゴパンチ!」「バチッ。」「いてててててーーーーーーー」
日向は二人にまとめて蹴りを入れる。二人のイナゴ怪人は蹴り飛ばされ地面を転がる。
「くそっ、小僧にまでやられるとは・・・」
イナゴ怪人は蹴り一発でフラフラである。イナゴ怪人が集まって相談を始める。源次郎と日向は余裕で見守っている。
イナゴ怪人の結論が出たようだ。
「今日はここまでにしてやる。次はこうはいかないからな首を洗って待っていろ。」
イナゴ怪人たちはオートバイにまたがると村を出ていく。
「師匠、あれは何ですか。」「さあ、だんだん数が増えて来ておる。」
日向はイナゴ怪人の集団を思い浮かべる。全然怖くなかった。だが、鬱陶しいと思う。
村人たちが源次郎と日向を称賛する。そして、村人たちは宴会の用意を始め、源次郎と日向は集会所に連行される。
イナゴ怪人たちは、村を出た峠で警察に止められていた。スピード違反だった。
「運転手さん、ちょっとスピードが出ていたね。免許証を出してくれる。」「あっ、はい。」
「鈴木さん、そのふざけたヘルメット取ってくれるかな。顔が確認できないよ。」「私はイナゴ怪人だ。断じてヘルメットではない。」
「じゃあ、ノーヘルかな。コスプレするなとは言わないけどルールは守ってもらわないとね。」「本物の怪人なんですけど。」
「分かった。分かった。なりきっているんだね。」「信じてくれーーーーー」
イナゴ怪人たちは、相手にされず交通切符をきられた。




