第16話 戦勝祝いは村総出
源次郎と日向がヘリで村へ帰ると村総出で迎えられる。
「さすがは源さん、力、全く落ちていないよね。」「日向君も頑張ったな。唯ちゃんが応援していたぞ。」
二人はそのまま集会所に連行される。こういう時の村人たちは統率が取れている。
「中継見ていたよ。日向君、惜しかったねー」「そんなことありません。まだまだです。」
「それでも怪獣にキズをつけていただろ。さすがはS級超人だよ。」「はあ・・・・・」
「普通はS級超人が何人も出て怪獣と戦うんだよ。その点、日向君は一人だ。さすがは源さんの弟子だよ。」「一人で戦うのではなかったのか。なぜ、一人だけ呼ばれたんだ。」
日向の疑問に村長が答える。
「超人協会のお偉いさんは日向君が邪魔らしい。よくS級超人になれたよ。」「・・・・・・」
確かに試験では一人だけ対戦相手がS級超人だった、勝ったから合格できたが負けていたら不合格だっただろう。そして、怪獣か・・・・僕を殺すつもりだったのだな。
日向が真剣な顔をしていると美少女が声をかける。
「日向さん、楽しくないですか。村には何もないから仕方ないですよね。」「そんなことないよ。考え事していたんだ。」
「私、川井唯です。日向さんのこと応援しているんです。」「ありがとう。」
唯は微笑む。憧れの日向と話が出来て心は舞い上がっている。日向はそれどころではなかった。超人協会は僕を抹殺しようとしている。小堺グループと超人協会はそれほど険悪なのか。
唯は日向にアタックするチャンスだと考えている。
「日向さん、外の空気でも吸いませんか。」「ああ、いいよ。」
日向は良く考えずに答える。唯は心の中でガッツポーズをする。
源次郎が日向がいないことに気づく。
「日向はどこに行ったんじゃ。」「日向君なら唯が連れ出したよ。」
「日向は免疫がないからのう。」「まあ、そこは若い者に任せましょう。」
「うっ、仕方ないのう。」「ささ、源さんどうぞ。」「いただきましょう。」
村人は源次郎の封じ込めに成功する。後は唯が日向を落とすだけだ。
日向と唯は堤防道路を歩く。夜になれば村の中は真っ暗で走る車もない。
「日向さん、星がきれいですね。」「ここは、星がよく見えるね。」
「私、日向さんに一度、街に連れて行って欲しいです。」「誰かいい人と行くといいよ。」
私が誘っているのに断るの。どういうつもり。唯は少しムカつくが平静を装う。
「私は日向さんがいいのです。」
唯は目を潤ませながら上目遣いで日向をみつめる。日向はそんな唯を見てかわいいと思う。しかし、修行が優先だ。僕は強くならなければならない。
「僕には、師匠と修行をしなければならない。そんな余裕はないんだ。」
唯は107歳のじじいに負けたと思う。日向の顔を平手でたたくと怒って帰って行く。日向は叩かれた理由が分からない。ただ茫然と立っていた。




