第15話 源次郎vs怪獣
「御曹司、地面に叩きつけられ転がって行くーーーーーこれは痛い、痛いぞーーーーー立てるかーーーーー」
日向は怪獣との力の差を感じる。このままでは勝てない。じり貧だ。
「立てーーーーー立ってくれ御曹司、この街は君の頑張りにかかっているぞーーーーー」
日向は力を絞って、震える体に鞭を打って立ち上がる。
「立ったーーーーヒーローが立ったぞ。行けーーーーー御曹司ーーーーー」
しかし、日向は限界に来ていた。もう一歩も動けない。このままではヤラレル。
源次郎がヤレヤレと言うように首を振る。日向は限界じゃな。まあ、一人でよくやった方じゃな。どれ、助けてやるか。
怪獣は立ち尽くす日向に向かって怪光線を浴びせようとのどを光らせる。ビルの上に立っていた源次郎が消える。いや、高速で移動したのだ。
源次郎は日向の前に立つと飛び上がり怪獣の顎を蹴り上げる。怪獣は頭をのけぞらせて怪光線を暴発させる。怪獣は煙を吐きながら吠える。
「ごああああぁぁぁーーーーーー」
「赤い雷光の参戦だーーーーー、怪獣を蹴り上げたーーーーー107歳とは思えないパワーだーーーーー」
源次郎は見せつけるように右腕を突き上げる。
「右腕を突き上げたーーーーー予告パンチかーーーーー」
源次郎は姿を消すと怪獣の顔の左側に姿を現して右腕でパンチを打ち込む。怪獣はパンチをまともに受けて頭から地面に叩きつけられ倒れる。
「でたーーーーー予告パンチだーーーーー怪獣がなすすべなく倒れる。強力なパンチが入ったーーーーー」
中継を見ているハバカル会長の顔色が変わる。
「じじいがでしゃばりおって。なんだ、あいつは命令を出していないぞ。ひっこめさせろ。」
「さすがに難しいかと・・・・」
マカレ秘書が答える。
「まあ、いい、じじいも一人では怪獣に勝てまい。S級超人部隊の用意は出来ているな。」
「はい、ご指示があれば、すぐに出られます。」
「じじいがやられたら、すぐに出発だ。街の被害もバカにならないからな。」
「はっ。」
ハバカル会長は赤い雷光のことをよく知らなかった。超人協会に入って10年、あらゆる手段を使って会長の座を勝ち取ったが、その頃には源次郎は今の村に引きこもっていたのだ。
源次郎は怪獣が倒れているうちに日向を離れた場所に運ぶ。
「師匠、すみません。僕は・・・」「黙って、わしの戦いを見ておれ。」
源次郎はすぐに現場に戻る。そして、怪獣が立ち上がるところを悠然と見ている。
「赤い雷光、余裕を見せつける。王者の風格だーーーーー」
怪獣は立ち上がると源次郎を睨みつける。源次郎の姿が消える。源次郎は高速で飛び上がりながら怪獣に突っ込み右パンチを繰り出す。
パンチは怪獣の胸を突き破り胸に大穴を開けて、怪獣の背中上方に姿を現す。
「赤い雷光ーーーーー何をしたーーーーー怪獣に穴が開いているーーーーー決定打だーーーーー」
怪獣は血を大穴から吹き出しながら倒れ、動きを止める。源次郎は右こぶしを突き上げ勝利を宣言する。
「倒したーーーーー勝ったぞーーーーー赤い雷光ーーーーー強い、強すぎるーーーーー」
中継を見ていたハバカル会長はうめくように言う。
「なんだ、あのじじいは、一人で怪獣を倒してしまったぞ。」
「赤い雷光です。S級超人87年の最長老で以前から怪獣を一人で倒していたようです。」
「あんな化け物が、御曹司についているのか・・・・・」
ハバカル会長の手が怒りで震える。
源次郎は日向に合流する。
「師匠はやっぱり強いですね。僕は修行のやり直しです。」「怪獣は通常、S級超人が数人がかりで退治するものじゃ。気にすることはないぞ。」
「僕は一人で怪獣を倒せるようになりたいです。」「では、修行するしかないのう。」
日向は源次郎を尊敬のまなざしで見て、この人のように強くなると心に決める。




