第10話 日向の試合
日向は係員に声をかける。
「僕の試合相手はS級超人なのですか。」「そうだ、指示が来ている。」
「なぜですか。僕だけ・・・」「そういう指示だ。従ってくれ。」
なんだこれは、これでは公平な審査ができないだろう。もしかして、わざと試験を落としているのか。僕が小堺グループの関係者だから。
そうか、これまでの試験もそうだったんだ。なんて連中だ。力を見せてやる。S級超人だろが勝てば文句は言えないだろう。
日向は怒ってチーズナンマンを睨みつける。
チーズナンマンは怒りをあらわにする日向を見て、「そんなに睨むな。俺だってこんなことはやりたくないんだ。」と心の中で弁解する。
日向とチーズナンマンは向かい合う。審判が試合開始を宣言する。
「始め!」
同時に日向はチーズナンマンに向かって行く。チーズナンマンはとろけたチーズのように伸びるパンチやキックを得意としているので間合いを取ることが出来ない。
そのため接近戦を選んだのだ。チーズナンマンがつぶやく。
「接近戦を選んだのは正解だが、まだまだ甘い。」
日向がチーズナンマンにパンチを繰り出す。するとチーズナンマンは黄色いマントをひるがえして、日向のパンチをとろけるチーズのようにマントでからめとる。
管理室のモニターで試合を見ていたハバカル会長が悪い顔で笑う。
「あのマントに捕まったか。勝負はついたな。これから地獄を見るがいい。」
日向はマントを外そうとするがびくともしない。チーズナンマンがマントを振り回して、日向を床に叩きつける。日向の額が割れて血が流れる。
チーズナンマンは、マントを振り上げて再び日向を床に叩きつける。日向は、震えながら立ち上がろうとする。チーズナンマンが言う。
「もう立つな。寝ておけ。」「諦めていませんよ。こんなぬるい攻撃、大したことないですよ。」
チーズナンマンはマントを振り上げると同時にジャンプする。日向は天井まで振り上げられる。そこから床に向かって急降下しながら床に叩きつける。
床がひび割れて陥没する。日向はピクリとも動かない。チーズナンマンはやり過ぎたかと思いながらマントを外す。日向の姿が消える。
次の瞬間、チーズナンマンは強烈なアッパーカットを受けて飛ぶ。
日向は床に叩きつけられる瞬間、左のパンチを床に打ってダメージを消していた。そして、隙を見せたチーズナンマンに瞬間的に接近してアッパーカットを打ち込んだのだ。
チーズナンマンは仰向けに倒れる。なんだ、こいつのスピードとパワーは・・・トンもない奴だ。チーズナンマンは立ち上がるがダメージを隠しきれない。
日向は自分の力に驚く。S級超人にダメージを与えることが出来たのだ。スピードもチーズナンマンは対応できなかったようだ。日向はようやく修行の成果を実感する。




