独りで食べきるんだ
掲載日:2026/02/06
午後六時、駅のホーム
人で溢れた帰り道
僕は一人じゃなかった
泣きたくなるほど
傷ついた心に
溶けたアイスクリーム
助けを求めないまま
僕は独りで立っている
冷たい空気に触れる
空に藍が混ざってゆく
薄れるオレンジ色
消えないようにあたためて
改札を抜けた先で
名もなき夜が待っていた
ぐちゃぐちゃに詰め込んだコーンは
ポケットの底、奥の奥
アイスクリームは染み込んでいた
これは誰にも渡さない
僕だけのものだから
僕が最後まで食べるんだ
独りで食べきらなきゃいけないんだ
助けは求めない
叫びもしない
それでも誰かが見つけてくれるまで
この透明の叫びが
誰かの耳を通り抜けるまで
ご覧いただきありがとうございました。
独りでなんとかしなきゃ。
誰かに届きますように。




