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ここは恋の戦場(スクール)です!  作者: 高本 元史


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9/10

第六話 バッテリー

1週間に1、2本ほどの投稿になります

温かい目線で読んで頂けると嬉しいてす。

アイディアがうかんでは、新しい小説を書いているので投稿頻度が遅い事をお詫びします。

学生ながら頑張ってます。読んでいただけると幸いです。

さて、アリスとの話が終わった後、アキラは食堂にいた。


長いテーブルの端。

右隣に一郎、向かいに昌平。

三人分のトレーが並び、湯気だけがやけに元気だ。


「……でさ」

先に口を開いたのは昌平だった。箸を止め、じっとアキラを見る。


「今日の最後。あの三振」


「どれ?」


「とぼけんな。九回の、俺のやつ」


アキラは少しだけ考えてから、肩をすくめた。

「普通のカーブだけど」


「嘘つけ」

即答だった。

「落ち方が変だ。速いし、途中で一瞬、止まった」


一郎が「へえ」と低く声を出す。


「縦に来てたな。ストレートと同じ高さから」


アキラは味噌汁を一口飲んでから、ようやく言った。

「パワーカーブ。まだ安定してないけど」


昌平の眉が上がる。

「……じゃあ、横に逃げてきたのは?」


「スライダー」


「スイーパー?」


「いや、普通の」


その「普通」が、二人を黙らせた。


一郎は箸を置いて、今度は別の角度でアキラを見る。

「じゃあさ」


「なに?」


「外野からの送球」

アキラの手が一瞬だけ止まった。


「助走、ほぼ無かったよな」


「……あれ?」


「タッチアップ。普通は一歩、二歩、溜めるんだよ」

一郎は自分の肩を軽く叩く。

「なのに、あの距離を、あの高さで一直線」


昌平も思い出したように頷いた。

「捕球して、もう投げ終わってた」


少し間が空いた。

アキラは視線をテーブルに落とす。

「秘密ってほどじゃないよ」


そう前置きしてから、ぽつりと言った。

「向こうで……アメリカでさ」


「うん」


「外野は“投げる場所”じゃなくて、“止める場所”だって教えられた」


一郎が静かに聞いている。


「捕った瞬間に、もう決めてる。誰に、どこに、どの高さで投げるか」


「……なるほどな」


「腕力じゃない。準備の差」


昌平が苦笑した。

「それ、一番厄介なやつだろ」


アキラは少しだけ笑った。

「まだ全然だけどね」


その言葉に、一郎が短く言う。

「嘘つけよ」


三人の間に、変な沈黙が落ちた。


嫌なものじゃない。

ただ、同じチームの空気が、少しだけ濃くなった感じ。

「ま」


昌平が箸を再開させる。

「とりあえずさ」


「?」


「味方で良かったわ」


アキラは何も言わず、黙ってご飯を口に運んだ。


完結に向けて頑張って執筆していきますので、「面白い!」「続きを読みたい!」と思って頂けたら、ブックマークや評価をして頂けるとうれしいです!

モチベーションががあがると、寝る間も惜しんで執筆してしまいます。

これからも、よろしくお願いします!

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