第五話 マネージャーさんへのLesson
温かい目線で読んで頂けると嬉しいてす。
アイディアがうかんでは、新しい小説を書いているので投稿頻度が遅い事をお詫びします。
学生ながら頑張ってます。読んでいただけると幸いです。
寮にて。
アキラは部屋で汗を流した後、夕食までの時間をどう潰すかで悩んでいた。
スマホを見る気にもなれず、ベッドに寝転ぶのも落ち着かない。
(そうだ。図書室)思いつくと同時に立ち上がり、部屋を出た。
ドアを開けた途端
「捕まえた〜!」とドアの前で待ち構えていた誰かに片腕をガッシリと捕まえられた。
(この声は...)
「アリス?何をしてるの?」とアキラは聞いた。
「えっとね、その...」
少しの沈黙の後、「野球のルールについては全くだから、教えて貰おうかと思って待ってたの。」
「俺でいいの?監督とか先輩とかのほうが言いんじゃない?」
「ううん。緊張しないで、気軽に喋れる人が全然いないから、アキに聞きに来た。エヘヘっ」
「はぁ、僕も全部分かってるわけじゃないからね。場所は自習室で良い?」
「うん!」
♢ ♢ ♢
自習室は、夕食前の時間帯らしく人が少なかった。
数人が黙々と机に向かっていて、ページをめくる音だけが静かに響いている。
アキラとアリスは、窓際の席に並んで座った。
向かい合わず、横並び。
「……ここでいい?」
「うん」
アリスはメモ帳を、アキラはノートを取り出した。
「あれ?何でアキも?」
「自分の中で今日の振り返りを説明しながら書けたらな...って思ってね」
「へ〜」
「所で、何から聞きたい?」とアキラが切り出した。
「えっと……」
アリスは少し考えてから、正直に言った。
「何が“すごい”のかが、分からなくて」
「すごい?」
「ウン。今日の試合で、周りがざわざわしてるのは分かるんだけど…理由が、追いついてなくて」
アキラは一瞬、言葉に詰まった。
「……難しい質問だね...ルールから行く?」
「大丈夫。ルールは調べれば分かる」
アリスはメモ帳の端を指で押さえた。
「でも、空気は分からないから」
その言い方に、アキラは小さく笑った。
「確かに」
少し間を置いてから、言う。
「じゃあ、さっきの試合の最後の場面」
「九回?」
「うん。一点差で、ランナーが出ると――」
アキラは、図を書かずに説明した。
言葉は多くない。
「守る側は、失敗できなくなる」
「失敗って?」
「四球とか、甘い球とか」
アリスは頷きながら聞いている。
「で、僕は最初、失敗した」
「フォアボールね」
「そう」
そこで、アリスが顔を上げた。
「でも、怖そうじゃなかったよね」
「そうだね。自分でも冷静で入れたと思う。」
「なんだ。それで?それで?」
「それで、次は“守れる形”を選んだ」
「ダブルプレー?」
「正解」
アリスは、少しだけ満足そうに頷いた。
「最後の球は?」
アキラは、言葉を選んだ。
「あれは……“ここで終わらせる”って決めた球」
「すごい球、だったから?」
「ううん」
アキラは首を振る。
「投げられる球が、それしかなかったから」
アリスは、その言葉を反芻するように黙った。
でも沈黙は、気まずくなかった。
窓の外が、少しずつ暗くなっていく。
「……夕食、行く?」
「そうだね」
立ち上がりながら、アキラが言う。
「また分からないこと、あったら聞いて」
「うん」
アリスは頷き、少しだけ間を置いて付け加えた。
「その時も……アキで、いい?」
「……どうぞ」
完結に向けて頑張って執筆していきますので、「面白い!」「続きを読みたい!」と思って頂けたら、ブックマークや評価をして頂けるとうれしいです!
モチベーションががあがると、寝る間も惜しんで執筆してしまいます。
これからも、よろしくお願いします!




