第四話 監督の独り言
温かい目線で読んで頂けると嬉しいてす。
アイディアがうかんでは、新しい小説を書いているので投稿頻度が遅い事をお詫びします。
学生ながら頑張ってます。読んでいただけると幸いです。
夕方。
グラウンドに人影はもうない。
照明の落ちたベンチに腰掛け、デイブ・ムーキーはスコアシートを膝に広げていた。
風でめくれそうになる紙を、指で軽く押さえる。
「……」
九回裏。汐アキラ。
三振。
決め球――パワーカーブ。
デイブは、そこに丸を付けなかった。
代わりに、少しだけ間を空けて、細い線を一本引く。
(まだ“完成”じゃない)
あの球は確かに武器だ。
縦の変化量、初速との差、腕の振り。
どれも年齢を考えれば異常と言っていい。
だが――
(使い方が荒い)
勝負どころで投げ切れる胆力はある。
だが、頼りすぎると、必ず読まれる。
「……向こうと同じだな」
ぽつりと漏れた独り言は、誰にも拾われない。
デイブはペンを置き、グラウンドを見渡した。
今日の試合。
汐アキラは目立っていた。
だが――
“目立たせた”のは、自分だ。
レフト。
最後にピッチャー。
偶然じゃない。
(打たせて、走らせて、守らせて……最後に投げさせた)
一通り見せた。
だから、周囲はもう騒ぐ。
「天才だ」
「怪物だ」
「即エースだ」
……くだらない。
その時、背後から足音がした。
「監督」
振り返ると、ピッチングコーチの菅野由伸が立っていた。
表情は真剣だ。
「どうします? 汐の起用」
デイブは即答しなかった。
スコアシートを閉じ、立ち上がる。
「投げさせる」
「最初からですか?」
「いや」
デイブは首を振った。
「しばらくは外野だ。
ブルペンには入れるが、試合では使わない」
「……不満、出ますよ」
「出させろ」
きっぱりと言い切る。
「期待は毒になる。
特に、ああいうタイプにはな」
歩き出しながら、付け加える。
「それに――」
「ハイ、何ですか?監督?」
「なんでも無い。独り言だ。」
と言いつつ、デイブはニヤケが止まらなかった。
完結に向けて頑張って執筆していきますので、「面白い!」「続きを読みたい!」と思って頂けたら、ブックマークや評価をして頂けるとうれしいです!
モチベーションががあがると、寝る間も惜しんで執筆してしまいます。
これからも、よろしくお願いします!




