第八話 実戦
温かい目線で読んで頂けると嬉しいてす。
アイディアがうかんでは、新しい小説を書いているので投稿頻度が遅い事をお詫びします。
学生ながら頑張ってます。読んでいただけると幸いです。
課題や進級の為更新が遅れた事お詫び申し上げます。
学校が始まって一日目。
午前中だけの登校というのが、妙にありがたかった。
制服も教室も、全部が「まだ借り物」みたいで、気を抜くと置いていかれそうになる。
アキラは窓際の席に座っていた。
自己紹介はすでに終わっている。
名前と、編入だということと、野球をやっていること。
それだけ。
(向こうより、楽しいかもな)
ホワイトボードに向かう先生の声。
みんなのディスカッションする声。それらに紛れてくる、ちらっと向けられる視線。
好奇心と、様子見と、少しの距離。
休み時間、誰かが話しかけてくるわけでもなく、かといって完全に放置されるわけでもない。
ちょうどいい、と言えばちょうどいい。 でも、男子より女子の視線の方が多いと感じられる。
「お~い、アキ」
呼ばれて振り向くと、廊下側の席から昌平が手を振っていた。
「昼、食堂?」
「行く」
それだけで十分だった。
午前が終わり、チャイムが鳴る。
半日なのに、妙に疲れた気がする。
(午後は、試合だ)
頭の中で、自然と切り替わった。
♢ ♢ ♢
グラウンドは、学校とは別の緊張がある。
相手は近隣校。
練習試合。
でも、今日は違う。
捕手は昌平。
アップを終え、スタメンが発表される。
監督の声は淡々としていた。
「一番、センター。一郎」
「二番、ショート」
「三番、ライト」
「四番、ファースト」
名前が順に呼ばれていく。
「七番、キャッチャー。昌平」
昌平はマスクを軽く持ち上げただけだった。
一拍おいて、最後。
「九番、ピッチャー。汐アキラ」
ざわつきは、ない。
あるのは納得するような視線だけ。
「先発だ。三回予定な。楽しんで来い」
短い補足。
それで十分だった。
ブルペンで向き合う。サインの確認は、言葉なし。
一球目。
ミットが、低めに構えられる。
(……そう来たか)
――ストレート。少しだけ指にかかりすぎたが、ミットに収まる。
昌平は何も言わない。
次のサイン。
横のスライダー。
(初球じゃないんだな)
思いながら投げると、ミットがわずかに流れた。
「いい」
短く、それだけだった。
試合が始まった。一回表。
先頭打者。
昌平は、迷いなくサインを出す。
――ストレート。
カウントを取る。
――同じ高さに横スラ。
バットが少し遅れる。
(見えてない...な)
――もう一球、同じ。
今度はファール。
(読ませない)
――低め。パワーカーブ。
空振り。一人目、三振。
マウンドに立ったまま、アキラは気づく。
(……楽だ。考えなくていいし、迷わなくていい。楽しく投げられる。)
二人目。
――ストレート。
――横。
――沈む。ゴロ。
三人目。初球から、横スラ。
(え、ここで?)
打者が詰まらせ、浅いフライ。
三者凡退。
ベンチに戻ると、昌平がマスクを外す。
「どう?」
「凄く投げやすい。」
「だろ」
短く笑って、それだけ。
二回表。
相手も、少しずつ対応してくる。
ファールが増え、粘られる。
(あ、来る)そう思った瞬間、昌平のサインが変わった。
――見せるだけのカーブ。
――高めのストレート。
詰まった当たり。
アウト。(……全部、考えてたのか)
三回に入る頃、アキラの中で、はっきりした感覚が生まれていた。
(俺が投げてるけど)
(試合を動かしてるのは、昌平だ)そして同時に、思う。
(これ、まだ“前半”だな)
スコアは動かない。
でも、空気は確実に、こちらに傾いていた。
完結に向けて頑張って執筆していきますので、「面白い!」「続きを読みたい!」と思って頂けたら、ブックマークや評価をして頂けるとうれしいです!
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