5分で考えたあらすじをAIに深めさせてみた
近頃、生成AIを小説執筆に役立てる方法を色々と試行錯誤している。
巷で言われているような生成AIに小説を直接書かせる方式ではなく、むしろ編集者として講評させたり、作品の強みと弱み、文体の評価などを主にやらせている。
今回は、5分で考えたラノベのあらすじをAIに評価させ、商業出版の可能性などについて分析させてみた。
ワイ「これから記載する小説のあらすじを、プロのライトノベル編集者として、商業化の可能性を詳細に講評してください。
退魔師の山上大介は、最強の行き逢い神である七人ミサキに祟り殺され、祓えなかった無念から幽霊となってしまう。七人ミサキに取り込まれることはかろうじて避けられたものの、七人ミサキを倒したいという思いから成仏できずにいた。そんな時、幽霊がみえる人な女子高生相田凛と出会い、凛を現世に干渉する依代として退魔師に仕立て上げることで、七人ミサキの行方を追うようになる。幽霊退魔師と霊感ギャルの繰り広げる痛快オカルティックアクション」
AI氏「プロのライトノベル編集者視点からの講評
1. テーマ性と設定の魅力
テーマ性: 「幽霊退魔師×霊感ギャル」という異色のコンビが魅力的で、オカルトと青春を融合させたテーマは非常にキャッチーです。七人ミサキという実在する怪異伝説を題材にすることで、日本独自のホラー感を持たせつつ、バトルものとしての派手さも期待できます。
設定の強み: 「成仏できない退魔師」と「霊感ギャル」という対照的な二人がバディを組むという構図は、読者にわかりやすく、またキャラクターの掛け合いが映える設定です。依代として現世に干渉するという工夫も、幽霊キャラの行動制限をうまく克服しており、物語を動かしやすい工夫が感じられます。
懸念点: 七人ミサキという伝承自体がややマイナーであり、オカルト好きには刺さる一方、一般読者にとってはハードルが高く感じられる可能性があります。第1話などでわかりやすく解説する工夫が必要です。
2. キャラクター性と魅力
山上大介(幽霊退魔師): 最強の退魔師でありながら七人ミサキに敗れ、無念を抱え幽霊となったというバックストーリーが強力です。幽霊であるがゆえの葛藤や、依代である凛との意見の食い違いがドラマ性を生むでしょう。
相田凛(霊感ギャル): ギャルという明るくポジティブなキャラクターが、幽霊退魔師のシリアスさと対照的で、物語にメリハリを持たせられます。「霊感ギャル」という属性は、ライトノベルとしても映えやすく、読者人気を狙いやすい設定です。
バディものの魅力: 二人のギャップを軸にした会話劇が、バトルパートと同じくらい面白さの肝になります。大介の古風で真面目な性格と、凛の現代的で奔放な振る舞いを対比させると、より魅力的に映ります。
3. プロット展開とストーリー性
復讐譚と成長譚の融合: 「七人ミサキを倒して成仏したい」と願う大介が、凛との関係性を通じて「現世での未練」や「守りたい存在」を見出していく流れが自然です。物語が進むごとに、復讐心から成仏への道を模索するテーマ性を強化できれば、読者の心を掴むでしょう。
バトルと日常のバランス: 七人ミサキのメンバーを一人ずつ倒すクエスト形式にすれば、中盤以降もテンポよく物語を進められます。途中で凛自身が霊感や退魔師としての自覚を持ち始める展開を入れることで、キャラクター成長をしっかり描けます。
終盤への布石: 七人ミサキをすべて倒したとき、大介が成仏するのか、それとも新たな使命を見出すのか。物語終盤のビジョンを早い段階で固めておくと、読者に「最後どうなるのか」という期待感を持たせられます。
4. 市場性と売り出し方
ターゲット層: 中高生~20代のライトノベル読者層がメイン。特にバトルものや現代オカルトに興味がある読者がターゲットです。
売り出しポイント: キャラクター性を前面に押し出し、軽快な掛け合いやバトルシーンを強調したプロモーションが効果的です。「最強幽霊退魔師×霊感ギャル」の組み合わせをキャッチコピーとして活用すると、インパクトを与えやすいでしょう。
シリーズ展開の可能性: 七人ミサキ以外にも、日本各地の怨霊や都市伝説を絡めた「怪異退治シリーズ」として続編を作りやすい構造です。
総評
商業化のポテンシャルは高いと感じます。特に「異色バディもの」としての構図がしっかりしており、テンポの良い掛け合いとバトル描写が映えれば、ライトノベル市場での受容性は十分にあります。
唯一気になるのは「七人ミサキ」という題材の知名度が低い点ですが、キャラクター性をしっかり立てれば補えるでしょう。連載を見据えた際には、序盤でしっかりとキャラクターを掘り下げつつ、七人ミサキの恐ろしさを描くことで読者を引き込みたいところです。
まずは試し読みを意識して、2人の初対面から第一の怪異とのバトルまでをインパクト強く描くと、編集者からの評価も高まるでしょう。」
ワイ「辛口でお願いします」
AI「プロのライトノベル編集者視点からの辛口講評
1. テーマ性と設定の弱さ
テーマが曖昧: あらすじからは「幽霊退魔師と霊感ギャルが七人ミサキを追う話」という骨子は見えますが、肝心の「物語の軸」が弱いです。
成仏のための復讐譚なのか、退魔師としての再生譚なのか、ギャルと幽霊の成長ドラマなのかが曖昧です。
どのテーマも中途半端に感じられ、物語としての方向性が見えにくいです。
題材がニッチ: 七人ミサキという題材がオカルトマニア以外にほぼ通じないため、一般ライトノベル読者層にはハードルが高いです。
七人ミサキが何で、どう恐ろしいのかが明確でないと、読者は興味を持てません。
バトル主体であるなら、よりインパクトのある怪異や強敵が望ましいです。
2. キャラクター性と掛け合いの課題
山上大介(幽霊退魔師)
個性不足: 「最強の退魔師」という設定だけでは魅力が薄く、「何が彼を強くしたのか」や「どこが弱点なのか」が伝わってきません。
幽霊化の活かし方が甘い: 幽霊であることでどう行動が制約されるのか、逆にどんな特性があるのかがあらすじでは示されていません。
相田凛(霊感ギャル)
テンプレ的すぎる: 「明るくポジティブなギャル」として型にはまっており、他作品との差別化が図れていません。
ギャルが退魔師として成長する意外性は面白いものの、「霊感ギャル」というだけで個性を完結させるのは浅い印象です。
掛け合いが見えない: あらすじだけでは二人の掛け合いの化学反応が見えません。
大介がシリアス担当、凛が明るさ担当という構図はわかりますが、そのギャップをどう笑いに転化するかが示されておらず、読者の関心を引きにくいです。
3. プロット展開の問題点
動機が弱い: 「七人ミサキを倒して成仏したい」という目的がシンプルすぎて、一作目で物語が完結してしまいそうです。
七人ミサキを追う動機が「成仏」だけでは弱く、もっと大きな目的や意義が欲しいところです。
七人ミサキが退屈になりがち: 七人ミサキが7体いるという設定は、単純に考えれば7つの戦いがあるということですが、全てが似たような怪異だとバトルのワンパターン化が避けられません。
怪異ごとの背景や因縁を描き、単なる強敵ではなく「倒すべき理由」をしっかり描く必要があります。
中盤のマンネリ化が懸念: バディものとしての成長譚を描ききれないと、中盤以降の展開がバトルの繰り返しになり、読者が飽きてしまう恐れがあります。
物語全体を通して、「なぜ凛が退魔師として成長するのか」を軸に置き、大介も成仏を迷う展開にするとドラマ性が強まります。
4. 市場性と売り出し方のリスク
既視感が強い: 「幽霊×人間のバディもの」という構図自体がすでに多く存在しており、新鮮味が不足しています。
既存作との差別化を図るには、設定だけでなくキャラクターの内面を深掘りする必要があります。
バトルものとしての売り込みが難しい: 昨今のライトノベル市場では「異世界転生」や「学園もの」が主流であり、「現代退魔バトル」はニッチな分、強烈な個性がないと埋もれてしまいます。
キャッチコピーとして「幽霊の退魔師とギャルの七人ミサキ討伐」という単純明快なものは使えるが、そのままではパンチが弱いです。
キャラクター人気が不可欠: 登場キャラクターをしっかりと「推せる」レベルにしないと、シリーズとして続けにくく、読者の支持を得られません。
特にギャル要素が軽薄だとファンがつきにくいため、ギャルとしての「芯」や「意外な一面」を早々に出す必要があります。
総評:潜在力はあるが、磨き方が課題
ポテンシャルはありますが、現状ではテーマが曖昧でキャラクターの個性が弱いため、読者に刺さりづらいと感じます。特にバディものとしての強みである「掛け合いの面白さ」や、「七人ミサキを倒す必然性」をもっと強調するべきです。
ストーリー展開も「七人ミサキ討伐」に終始してしまうと単調になりがちなので、七人ミサキを通じて「自分の未練」や「守りたいもの」を見つけるドラマ性を強化するべきでしょう。
大介が「生前の呪縛」から解放されることで成仏しようとするが、凛との関係性が深まるうちに「成仏しない選択」も見えてくる、といった人間ドラマを織り交ぜることで、物語に厚みが出ます。
辛口に言うなら、「キャラクターの深み」と「物語の目的」を見直す必要があり、それをクリアすれば一定の成功が見込める作品です。」
回答としては、かなり詳細でなかなか良いのではないだろうか。七人ミサキを一体ずつ倒すクエスト形式にするというアイディアも良い。
このAIの使い方はパッと思いついたアイディアを深めるのに役に立ちそうだと感じました。まる。