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2話:遊園地デートと、やらかしアイス

「と、とりあえず、まずはデートとかしない?!」

…ということで。



遊園地って、めっちゃベタなデートコースだけど——

やっぱテンション上がる!!!

「次ジェットコースター行こう!」

「え、ちょ、お前テンション高っ」

久しぶりの遊園地で完全に浮かれている。空を舞っているジェットコースターを指さして、静海のほうを見ると顔が引きつってる。

「……お前、これ、ヤバくない?」

「あれ?静海って絶叫系苦手だっけ?」

「いや、別にそんなじゃないけど、これ一回転するじゃん」

「確かに…それがいいんじゃないの?」

「そう…か?いや、せっかく来たし、朱音が乗るなら」

無理すんなって言いたいけど、一人で乗るのも悲しいから、静海の度胸に感謝だ。


「静海〜〜!!!これやばいね〜」

「ぎゃあああああああ!!」


「はあ〜楽しかった!めっちゃ髪絡まった…。風やばかったもんな〜。って静海、大丈夫?」

「なんでそんな余裕なの…?」

「え?」


「俺、のんびり歩く系のがいい。人間が空飛ぶのは早かったんだ」

「それで飛行機を完全否定だね。歩く系か〜」

周りをキョロキョロ見ていると、おどろおどろしい空気を放った建物が目に入る。

『絶叫!お化け屋敷』の看板。歩く系だな。

「あれじゃん」

「マジで言ってる?」

「当然!遊園地といえば、三大義務アトラクションでしょ?」

「ジェットコースター・お化け屋敷……観覧車?」

「正解!」


中に入ると、薄暗くて思った以上に怖かった。ノリノリで入ったけど、ぶっちゃけそんなにホラー得意じゃない。

「うわっ……」

「静海?」

…暗闇で突然、背中にぴたっと寄ってくる。

ふらふらと近づいてくるゾンビみたいなお化け。

うわ〜とは思うけど。これは多分、自分よりも怖がってる人がいると怖くなくなるっていうやつだ。

頑張って怖くないフリしてるの面白すぎる。

「静海、怖いの?」

「いや、全然」

声ちっさ!

「手繋ぐ?」

そっと手を出してみる。

「はっ!?……」

めっちゃ熟考するじゃん。

「朱音が怖いなら」

「___キャー、コワーイ」

「嘘くさ」

あ〜顔が暗くてあんまり見えない。

私は静海の手を取って、返事も待たずに繋ぐ。ちょっと照れくさい。 でも静海の手がちょっとだけ震えてて、可愛かった。

あー、これ、昨日読んだ漫画で攻めがやってたな

外に出ると、静海はちょっとふてくされた顔で言った。

「さっきの、怖かったとかじゃないからな」

「はいはい」


ひと息ついて、ふたりでベンチに腰かける。

前を見ると上から水に落ちるタイプのコースターが見える。

「見て!静海、ジャポンするやつ。まだ寒そうかな」

「うわ…めっちゃ濡れそう。なんたらマウンテンじゃん」

「あれ、今から落ちるかな。生け贄乗ってる」

「生け贄って言うな」

静海がぶはっと笑う。

バシャーン。

あっ、静海の笑う顔を見てたら落ちるとこ見逃した…。


「あれ?静海?」

ふと声のしたほうを見ると、連くんがカップに入ったアイスを2つ持って立ち止まっていた。

「連?」

「こんなところで会うなんて!あっ、朱音さんもこんにちは」

「こんにちは〜」

はあ…やっぱ連くん、可愛いな。本当に男の子か?

「連は…まさか彼女とか?」

「え?あっこれはお姉ちゃんの分。家族で来てるんだ」

「なんだ」

「アイス美味しいよ〜。おすすめ!」

そう言って、ふわっと微笑む連くん。さすが、天使。

「僕こそ二人のお邪魔になっちゃうし、アイスも溶けちゃうから、もう行くね!静海、頑張って!」

連くんはすぐに家族の元へ戻っていった。

本当に仲いいな…。BLだと私当て馬ポジだよ。


「やっぱ、こういうとこで食べるアイス、うまいな」

「うん。疲れた体に染みるよね~」

蓮くんのおすすめアイスを買ってきた。私はオレンジで静海はチョコ。

目の前のなんたらマウンテンで水にダイブするほど暑くはないけど、アイスは食べたい。


ふいに隣を見ると静海は、何か考えごとでもしてるのか、口の端にチョコアイスを付けたまま、気づいていないみたいだった。

まって、これは…

——連くんが指でぬぐって、ぺろって舐めて、「ほら、甘いのは静海のほうだね」とか言っちゃって!

あー!可愛いのに意外と男前で蓮くん攻めもいけそうかも。最高じゃない?

「……」

「?」

「……ちょっと動かないでね」

私は静海のほっぺに残ってたアイスを、指ですっと取った。

そして——自分の口に運ぶ。

静海が固まる。

「え、なに、今の」

真っ赤になる静海。これやったほうも結構恥ずかしいぞ…。ええっと…

「……連くんなら、こうするかなって……」

あっ…しまった、今脳死で答えた。

「…………」

静海の眉がピクリと動く。

「……へえ。連くんだったら、か」

「ち、ちがっ……」

「……またBL妄想した?」

「あ〜いや、あの……すみません」

気まずくなって、アイスを食べる。少し多めに口に入れたら、頭がキーンとした。

自業自得だ…

「俺ら一応付き合ってるんだよな?」

「えっと…はい」

やばい…本気でやらかした。


「それ、普通に浮気だと思う」


静海の私を見る視線が、アイスよりも冷たい…。

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