VOL60 「ワインは感性を拡げる」
基本的に一年中ビールを飲むけど、
秋〜春にかけてはワインも
よく飲むようになる。
昔14年間アメリカンバーを
経営してたけど、ワインは
出してなかったし、未だに歴史や
ウンチクには興味もなく
全然詳しくもない。
でもワイン、特に赤は飲み慣れると
ホンマに病みつきになる。
今回はワインのオハナシをしましょ。
ちなみに俺はワインをたしなむ
上品なジェントルマンなんだぜえ!
などとアホみたいにカッコをつける
つもりなどまったくない。
ただより深く広く「楽しみたい」。
それだけだ。
20代の頃は赤ワインはクセが強くて
渋いように感じてどちらかというと
白の方を飲んでいた。
どっちにしろそんなにワインが好き
というわけではなかった。
30代で、とにかくしょっちゅう
週末に呼ばれて家族と一緒に
晩ゴハンを食べていたドミニクと、
林の中で冬でもハンモックを吊って
眠るスタイルのキャンプを
するようになった。
キャンプの時にシチリンで焼く
鶏やサカナには赤ワインが最高やろ!
とドミニクが言い出して、
安くてまあ味も悪くない
オーストラリアやアメリカ産の
ボックスワインを飲み始めた。
アルミの袋に真空に密封された
ワインで紙のボックスに入っている。
生ビールのサーバーのように
小さいコックを押すと
好きな分量だけ注げる。
中身は空気に触れないから
ボトルを開けるのと違ってすぐに
全部飲み干さなくても品質が
落ちないまま保持できていい。
バンロックステーション2Lで
1600円くらいだったかな。
とにかくコスパがいい。
通常のボトルワインを木箱に
入れるより直方体の紙ボックス内に
ムダな空間なく一杯にして
運べるから輸送費がかなり
安くなるんじゃないかな。
これで一気に赤ワインに馴染んだ。
一般的に、飲みやすい、
と言われるのはアルコール度数が
9%ほど?と低いライトボディのこと
を指すと思う。
ミディアムボディ、フルボディ、
と度数が高くなり、フルボディで
13%以上くらい。
味や香りが深くなり、
値段も高くなる。
俺はできるだけフルボディを選ぶ。
ボックスワインの次に飲むように
なったのはチリ、南アフリカ産の
通常のボトルワイン。
輸入にかかる関税が安いようで、
やまや、楽市などの安売り酒店で
700円以下で買えた。
かなり甘口でワインに
慣れていなくても試しやすい。
チリ産で特によかったのは
カッシェロ デル ディアブロ。
1200円くらい。
元々一味やタバスコなどが大好きな
極度の辛いモン中毒なドミニクと
俺はしばらくするとチリ、
南アフリカ産はやっぱり甘過ぎる
ように感じてきて、イタリア、
フランス産へと移行する。
値段がかなり高くなる。
ボトルを開封して最初は味も香りも
薄いように思えて物足りなく
感じるけど、ゆっくり飲み進める
うちに空気に触れて酸化することで
芳醇な香りが強くなってくる。
飲み込んでしばらく時間が経っても
まだ芳香が残ることに驚く。
この頃から格段にデカい立派な
グラスを使うようになる。
高いけどいくつも買うわけじゃなく、
ワインをより楽しむためには必要だ。
見た目もゴージャスでウキウキ。
ワインを入れたグラスをくるくる
回すことでより空気に触れて
酸化が進み、香りが拡がる。
鼻をグラスに入れて息を吸うと
すごくシアワセを感じる。
特にイタリア、フランス産の
艶めかしい複雑な香りは素晴らしい。
クラフトビールとかは別として、
一般的なビールでこんな楽しみ方は
できないと痛感する。
大体1500円、できれば2000円以上で
フルボディを楽しめる。
残念なことにイタリアンやフレンチの
きちんとしたキレイな店であっても、
サービスのつもりなんだろうけど、
たいていはグラスを冷やした状態で、
しかもワイン自体も冷やして
出してくる。
アカンね〜ん。
もうすでに店に期待はしてなくて
諦めてるんやけどね。
赤ワインは特に室温というか、
少し温めるくらいにすると
よりグッと味も香りもよくなるんよ。
俺は冬になるとホットカーペットの
上でボトルを寝っ転がして
少し温めてから開けたりする。
同じ食べ物や飲み物でも、70度以上、
5度以下だと舌は味を薄く感じる。
通常はワイングラスの細い足の部分を
持って飲むものなんだろうけど、
グラスが冷たい時は手の平
で包みこんでワインを回して飲む。
マナー、常識などというものは
とにかく周りのひとに不快な気持ちを
与えなければオッケーじゃないかな。
何万円、何十万円もするワインも
あるけど、ハッキリ言って、
テレビ番組の「格付けチェック」
を観てもわかる通りそのスゴい価値は
まず理解できないし、
そこまで常識的と言えない金額を
出さなくてもすごく楽しめる。
高ければ高いほど美味しいという
わけでもないだろう。
3000円ほどのイタリア産のアマローネ
デラ ヴァルポリチェッラ。
安売りの酒屋で3000円なら
レストランでは6000円以上くらい
するのかな?
これがレオ一番のオススメだ。
ビールとかに比べたらもちろん安くは
ないけど、充分楽しめる値打ちを
考えるとこれ以上のものはない!
と決してワインに詳しいわけではない
狭〜い経験と知識の俺は息を荒くして
断言したい、ハアハア。
10年ほど前にスペイン、ポルトガルを
ひとりで3週間廻った。
(バルセロナ、マラガ、グラナダ、
セビーリャ、コルドバ、ポルト、
リスボン、マドリード)
あちこちの街へ移動するたびに酒屋や
スーパーで赤ワインを買って飲んだ。
ヨーロッパの中で物価が比較的安く、
ワインは2ユーロくらいからあるけど
俺は4〜8ユーロくらいで
いろいろ試してみた。
けっこう美味しかった。
日本ではとにかくフレンチが一番
上等でオシャレ、次いでイタリアンも
人気でもてはやすけど、スペインを
侮ることなかれ。
フランス、イタリア産よりも安いけど
スパニッシュワインの質はなかなか
イイんじゃないかな。
1200〜1800円くらい?
普段飲むのにまあまあ手頃だと思う。
今まで習慣的にビール、チューハイ、
カシスソーダとかしか飲まなくて、
ワインを積極的に飲もうとは
思わなかったというひとも、
もはやただの飲み物とは
言えないんじゃないかとも思える
素晴らしいワインの世界を
この秋から訪ねてみませんか?
次回はワインのお供の
チーズについて書いてみま〜す。