VOL53 「世界!ニッポンに行きたい人応援団」
25、26歳から日本に移住してきた
いろんな国のひととの交流を始めた。
毎週ひとりでクレイジー、個性的、
芸術的、行動的、いろんなガイジンが
集まるバーへ出かけて、彼らの
興味深い自由な発想やシゲキテキな
経験を聴かせてもらうごとに
自分の中の狭い固定概念の殻が
打ち破られていくように感じていた。
日本で生まれ育ってきたあなたが
「当たり前」に毎日してきたこと、
親や学校から教えられてきたことは
世界から見れば当たり前どころか
かあ〜なり奇異で特殊なもので
あったりする、
あるいは何気なく感じていた
日本独自の数多くの伝統、芸能、
技術などが今や世界から最高の称賛を
受けているという事実について
考えることはありますか?
ゴールデンタイムと呼ばれる時間帯に
各テレビ局は競って最も多くのひとが
興味を示すであろう番組を制作して
視聴率を上げようとするわけだが、
食べ物、グルメ関連の内容とかが
やたら多くてガッカリしてしまう。
遠くの行く機会もない飲食店の料理や
テレビ用に大げさに美味しそうに
「外はカリカリで中はジューシー!」
と食べる前から考えているであろう
コメントを述べながら他人が食べる
光景を観ることに興味を持てない。
もう少し違う分野の内容を観たい。
「世界!
ニッポンに行きたい人応援団」
という番組が毎週じゃないけど
月曜に放映されている。
いろんな国の街頭で日本の何かに
対するアツい情熱を語ってもらう
オーディションを開催して、
その中の1人を選んで日本へ招待して
本人にとっては永らく夢見てきた
貴重な経験をしてもらうという企画。
ガイジンは自分の国にはない
「フシギと驚愕」に満ちた日本
についてどういう風に見ているのか?
ネット社会で世界のいろんな情報に
アクセスできる現在、生活が
ひっくり返ってしまうほど日本の
何かに夢中になってしまった
ガイジンはネットで情報収集して
勉強し、ネットショッピングで
日本にしかない必要なものを入手し、
ユーチューブなどを使っての独学、
自己研究でアマチュアの域を
凌駕したモノを作り出したり、
技術を習得したりするのである。
日本庭園、床の間、竹垣、畳、甲冑、
漆器、七宝焼、盆栽、絞り染め、
手毬、曲げわっぱ、シマ唄、
鯉のぼりなどから、わさび、ポン酢、
そば、うなぎの蒲焼き、おにぎり、
きんぴらごぼうなどまで。
番組から招待されてついに来日した
出演者は感激の気持ちに包まれながら
日本の最高峰とされる希少な製造所、
工場、工房などで憧れのホンモノの
超一流職人から何日にも渡って
直接技術指導を受けて夢のように
充実した時を過ごす。
アツい情熱に最善を尽くして応えよう
とする職人、そして地元の家庭料理で
暖かく迎えるその家族達との純粋な
交流に胸を打たれることがよくある
ステキな番組だと思う。
スタジオで観ている織田信成が
やっぱりすぐ感動して泣いてしまう。
職人と家族達も自身の国のひとより
遥かに深い興味、知識、探究心を持つ
遠い異国からやってきた出演者と
接することで強い刺激を受け、
改めて日常の仕事を振り返って
職人として誇りを感じることだろう。
日本は長らく経済的に失速して
きていたりで、多くの国民が自信や
希望を失っているように思える。
反省すべき、改良を求められること
などは多くあるのだろうけど、それは
どの国でも同じことじゃないか?
近年、ますます世界的な視点で
広い分野に渡って注目されてきている
自分の国の魅力、素晴らしさを再確認
して、前向きに進んでいきたいな。