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マニアックなレオ  作者: レオ
40/115

VOL40 「パピヨン」

ガメラ、ゴジラ、しか映画館で

観たことがなかった俺は小5の時に

オヤジに連れられて初めておとな向け

の映画「パピヨン」を観た。

まさに命懸けの脱獄のストーリー、

それが実話を元にしたものという

この作品はとてつもなく

ショッキングだった!

オヤジは映画が好きで、

スティーブマックイーン、

ダスティンホフマン2大スター共演に

心躍らせていたようだったけど、

子どもの俺にはこれは過激すぎた。

2時間半とけっこう長いし、難しくて

よくわからない部分もあるけど、

それでもすごく集中して観ていた

ような気がする。

あの日、いろいろ感じて学んで

成長したかもしれない。

ガメラなんて遙か彼方へ

吹っ飛んでしまったのだった。


大学の頃かなあ、レンタルビデオ店で

「パピヨン」を見つけた。

おおーっ! こ、これはっ!

すぐ借りた。

もはや子どもではない俺が観ても

やっぱり強烈な内容だ。

絶望、裏切り、信頼、殺害、

なんというリアルでダークな

世界なんだろう。


胸に蝶のタトゥーを入れたパピヨン。

パリの暗黒街で生きる彼は

身に覚えのない殺人の罪を着せられて

フランスから追放され、南米ギニアの

ジャングルと湿地に囲まれた流刑地へ

送られることになる。

過酷な強制労働、凶悪な罪人達との

収監生活から二度と生きては帰れない

と感じたパピヨンは偽札作りの天才

ドガに脱走計画を持ちかける。

気弱なドガは断るが、その夜に囚人が

島へ送られる船の中での就寝中に

早くも殺人が起きたことで考えを改め

パピヨンに逃走資金は調達するから

周りから自分の身を守ってくれ、

と話をつける。

刑務所に到着し、広場に集められた

囚人達の前で冷淡な所長が

短いスピーチをする。

「脱走を企てた者に対し、

最初は2年の独房生活を送らせる。

2回目は5年、そして3回目は、、、」

かすれた声で必死に命乞いをしながら

看守に引きずられてきた男は

ギロチン台に首を押し込まれた。

恐怖に支配される静寂が戻る。

猛暑の中、まともな食事もできずに

疲れ切った状況での過酷な肉体作業。

ついに動けなくなったドガを殴る

看守につい歯向かってしまった

パピヨンはライフルで銃撃され、

夢中で逃亡するが捕まり、拷問を

受けた後に2年の独房生活が始まる。

ここでは厳格に静寂を守らされる。

衰弱死、自殺、発狂する囚人達。

不屈の男ははくじけずに希望を持って

毎日生き抜くための体力保持の

トレーニングを続ける。

ドガがココナッツの身を毎日内密に

食事に混ぜて届けてくれるようになり

助かるがしばらくして所長に

バレてしまい、誰からの差し入れかと

白状を迫られる。

パピヨンは頑として口を割らず、

少ないスープだけのような貧相な

食事は罰としてさらに半分にまで

減らされてしまう。

やせ衰え、這いつくばってゴキブリの

ような虫を捕まえて食べるパピヨン。

幻覚を見て正気を失いそうになる。

ここから地獄はさらに深まってゆく。

逃亡、独房。

そして彼の行きつく先は、、、。



俳優ってホントにすごいって思った。

リアルすぎて引き込まれてしまう。

そしてなんと実際に使われていた

悪名高い残酷すぎる境遇の刑務所

での撮影。

平和な毎日を送る自分の世界

からすればとても現実とは思えない

悪夢のような空間。

パピヨンのモデルとなった

アンリシャリエールはとんでもない

精神力、生命力で生き抜き、

ついには13年経って釈放され、

ベネズエラの市民権を獲得。

後にフランスに戻ることができ、

自伝「パピヨン」を出版。

世界中でベストセラーとなる。

さらに映画化されて大ヒット。

分厚い小説も読んだけど、2時間半の

映画でさえも描ききれなかった

さらに衝撃的ななエピソードが

いっぱいで驚いた。

2017年のリメイク版もDVDで観て

まあまあだったけど、やっぱり

スティーブマックイーンの迫力を

超えることはできない。


「ショーシャンクの空に」が脱獄を

テーマにした映画では最高だと

言うひとが多いけど、「パピヨン」

の衝撃を試してみてはいかが?

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