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マニアックなレオ  作者: レオ
29/115

VOL29 「シャイニング」

映画のどういう部分を楽しむか?

ストーリーだけでなく、

いろんな要素がある。

映像イメージ、空間デザイン、

俳優の個性あたりを重視すると

「シャイニング」これは外せない。

大好きなスタンリーキューブリック

監督作品。


ホラー映画というと邦画、洋画ともに

1時間40分とか尺の短いものが多いと

思うけど、これはやや長い。

(北米版は2時間23分だけど、

国際版は1時間59分に短縮された)

ジェットコースター的に怖さを

楽しむのではなく、じっくりと

狂気の世界へと踏み込んでゆく

感覚に浸る。

原作はスティーブンキング。

当たり外れが激しい作家だと思うが

もちろん名作は数多い。

長く、深いストーリーの小説を

映画化する時はどうしても細かい

心理描写や設定などを削除、変更

しないと尺があまりにも

長くなりすぎてしまう。

これでもキューブリックはかなり

短くしようと努めたんだと思う。

映画シャイニングはホラー映画の

金字塔のように評価されているが、

キングは自身の原作からあまりに

重要な部分が多く変更されて

表現されてしまったために激怒し、

キューブリックを強く批判し続けて

ついには改めてキング版の

シャイニングを製作したのだった。

それもまあまあだったけど、、、。

キングの気持ちは痛いほどわかるが、

皮肉なことにやはり大幅にテイストを

変えられているキューブリック版の方

が圧倒的に評価されているようだ。

キングにとっては相手が悪すぎた。

キューブリックは映画作製の

天才なのだ。



作家のジャックは人里から離れて

冬場は深い雪によって閉ざされる

大きな高級ホテルの管理維持の

仕事を依頼されて、妻ウェンディ、

息子ダニーとともに春まで

住み込むことになる。

しかし、このホテルは様々な恐怖に

満ちた異空間なのであった。

過去には管理人が精神に異常を

きたして斧で家族を惨殺して

自殺する事件が発生していた。


ジャックは元はアル中で癇癪持ちな

ところもあり、うっかりダニーの腕を

強く引っ張って脱臼させてしまった

ことがあった。

ウェンディからは猛烈に責められ、

反省してそれ以後禁酒したジャックは

ダニーとはそれなりに仲良く、

ウェンディとはビミョーな関係。

ダニーはシャイニングと呼ばれる

超能力者であり、このホテルで

過去に起きた惨劇や、徘徊する

亡霊たちの存在を感じ取っていた。

執筆作業に集中しようとする

ジャックはホテルが持つ魔力、

亡霊たちに翻弄されて、

やがて酒を口にするようになり、

さらに家族に厳しい「しつけ」が

必要なのではないかとそそのかされて

じわじわと精神が蝕まれてゆく。

ついにジャックは斧を手にする!


キューブリック独特の綺羅びやかで

あるのになぜか不思議さ怖さを

感じさせる空間演出、カメラワーク、

恐怖に歪んで叫ぶウェンディの表情、

そして亡霊たちより圧倒的な存在感を

示すジャック=ジャックニコルソンの

本領発揮の狂った演技。

もうね、サイコーですよ。



これは現実のオハナシ。

車の割り込みに腹を立てたニコルソン

が相手の車の窓をゴルフクラブで

叩き割った、と聞いたことがある。

もし被害者の運転者がシャイニングを

観たことがあったとしたら、

その瞬間どれほどの恐怖だったろう?

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