VOL108 「パルプフィクション」
登場人物が多い群像劇映画が好き。
中でもいくつもの短いエピソードの
時系列が前後して描かれる
「パルプフィクション」はハマる。
1994年に映画館で観た時は
終わった瞬間に
アレ? これで終わり??
となんか納得いかなかった。
映画とは基本的に起承転結と
ストーリーが流れていくものだと
刷り込まれていた当時の俺には
盛り上がりなくあっさり終わるのが
物足りなかったのだ。
ところが数年後にレンタルDVDで
改めて観てみるとやっぱり
すごく刺激的でよかった。
作品のデキがよくないわけでなく、
自分自身の了見が狭かったんだ、
と気付いた。
さらにまた2、3回観た。
ジョントラボルタがまたイイ。
監督、そして出演もしている
クエンティンタランティーノは
高校を中退して劇団に入った。
映画に夢中になり、22歳の時に
ビデオショップの店員となり、
客と映画談義をする日々を過ごす。
脚本を書くセンスも持ち合わせた
彼は「レザボアドッグス」で
早々と監督、脚本デビュー、
大ヒットとなる。
続いて第2作
パルプフィクションでは
カンヌ映画祭で数々の賞に輝き、
アカデミー賞で脚本賞も受賞、
広く認知されることとなった。
映画愛に満ちた彼が感性のままに
型にはまらずに自由に表現した
パルプフィクションは
終盤に向けて派手に盛り上がる
必要などなく、あれで完成された
極めて立派な作品だったのだ。
まずキャストが豪華で楽しめる。
ブルースウィリス、
サミュエル L ジャクソン、
ジョントラボルタ、
ユマサーマン、
ハーヴェイカイテル、
テイムロス、
クリストファーウォーケン、
クエンティンタランティーノ。
サミュエル L ジャクソン、
ユマサーマンはこの作品を機に
ハリウッドスターへの仲間入りを
果たすこととなった。
物語はLAのレストランで
若いペアが思いつきでその場で
強盗をするところから始まる。
次のエピソードでは場面が変わり、
殺し屋2人組がボスとの麻薬取引で
裏切ろうとした若者グループの
部屋へ乗り込んでいくことに。
ここで興味深いのがこれは最初の
エピソードの過去の話であること。
こうしてギャングのボスと
わざと負ける八百長試合の約束を
したのにうっかり相手を殴り殺して
しまう落ち目のボクサーの話や、
ギャングのボスの嫁の相手を
するよう命令された部下の殺し屋が
レストランでのダンスコンテストで
二人で優勝した後に重大なトラブルが
起きて奔走する話、など
ある時は死んだ者がまた過去の
エピソードで登場したりしながら
魅力的なキャラクターの人間関係が
ハラハラするストーリーの中で
微妙に絡み合っていて面白い。
最後のエピソードのレストランでの
場面になって、
実は最初の話に繋がっていて
なるほど〜となっている。
何人も殺されたり暴力的で過激な
話なはずなのに、なぜか深刻な空気に
ならないどころか笑ってしまうし、
クセになる秀作。
夏休みで時間あるし、
なんかレンタルして面白い映画
観よかなあ?と思ってるアナタ!
変態殺人鬼達に捕らわれてしまった
ブルースウィリスが日本刀で
ヤツらをブッ殺すシーンなんて
いかがですか?
ディスコの帝王だった
あのジョントラボルタの
ダサいダンスシーンなんて
いかがですか?