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マニアックなレオ  作者: レオ
105/115

VOL105 「トラップ!! 後編」

ー前回からの続きー


「トラップ4」

小6の時に幼馴染みのタカの家で

仲良し悪友3人組でタコ焼きを

していた。

トイレから戻ると

「おー、もうできるでえ。」

とやけに優しい二人。

早速出来立てを頬張る。

「ん?」

ニヤニヤしながら俺を観察する

二人を見て何かイヤな予感が。

突然どこからか毒々しい

キョーレツな匂いが迫ってきた。

な、な、なんやコレっ!?

アツアツのタコ焼きでドロドロに

溶けた正露丸が舌の上で拡がる。

「ぐわあーーっ!」

ひっくり返って大笑いする二人。

洗面所へ走っていって

何回も何回もうがいをする。

グッタリして戻ってきて

新たに皿に載せられたタコ焼きを

箸で割ると今度はタクワンが、、、。

ヤツらはとにかく悪ガキなのだ!


いつもの公園で5、6人で鬼ごっこ

みたいな遊びをしていた。

滑り台の上の四角いスペースは

低い鉄の柵で囲まれている。

柵を両手で掴んで下に隠れている

鬼をのぞこうとした俺は勢い余って

アゴが引っかかった姿勢で一瞬で

地上2mでエビ反り状態に!

ア、アゴか痛い〜〜!

誰か助けて、、、。

もし力尽きて手を離してしまったら

脳天から固い地面に墜落となる。

アカーーン!

誰も近くにいない。

残された道はただ1つ。

全身の筋力を総動員して

空中に投げ出されている体を

安全な姿勢に引き戻すしかないっ。

息を大きく吸い込んで命を賭けた

危機脱出が始まった!

「ぐ、ぐ、ぐ、ぐおお〜〜〜っ!」

もうホンっっトに大事なこの時に

なぜかいつもの悪ガキ二人が

下で陽気に歌いながら

踊っている姿が逆さまに見えた。

「ウッラッラあ、ウッラッラあ、

ウッラウッララあ〜!」

わ、笑わせるなあーーーーっ!!!

思わず力が抜けて手を離して

しまいそうになるのを必死に堪えて

なーんとか体を元の位置に戻せた。

俺は息も絶え絶え、涙目になって

山本リンダのマネをしている

二人を茫然と眺めていた。

あ、悪魔め、、、。



「トラップ5」

24歳の時、高校で体育と保健の

非常勤講師をしていた。

夏の夜中。

翌日は授業がないから

今からバイクでどこかに行こう。

地図を広げる。

どこか初めての場所へ。

「えーっと、、、鳥取砂丘や。」

高速道路なんて高いだけで

つまらないから、一般道路で

夜明け直後に砂丘の近くに到着。

これより先に車は入るな、

という板の看板があるけど、

砂丘をバックにバイクの写真を

撮るつもりだったので

無視して進む。

装備重量300キロ近いGPZ1100で

砂の上を走るのはやはり無理で

どんどんタイヤが砂に

埋まっていく。

ほんまにアホやなあ〜、俺はっ!

看板の警告を甘く見てたおかげで

タイヘンなしんどい目に

遭うことになってしまった。

太陽が高くなってきて暑い!

砂を掘ったり、バイクを押したり、

なんとか脱出しようともがく。

徹夜で走ってきた俺は

もう死にそうにバテる。

なんちゅー重いバイクや!

途方に暮れて休憩。

三脚を立てて、予定と全く違う

深く砂に埋まってしまったバイクと

泣きそうな自分の写真を撮る。

どうしよう、、、。

2、3人の助けを呼びに行って

一緒にバイクを押してもらうしか

ないんやろか?

でも早朝で周りには誰もいない。

そうやっ!

さっきの看板を拝借しよう。

踏みつけてゴメンよ。

砂を掘ってタイヤの下に看板を

敷いてなあーんとか緊急事態回避。

疲労困憊でもう倒れそう。



「トラップ6」

松本人志が「すべらない話」で

披露していたエピソードがバカウケ

していたけど同じトラップに

ハマった俺は笑えなかった。


ファミリーレストランでバイトを

していた時にマンションに行って

配達をすませた。

複雑な作りでエントランスへの

戻り方がわからない。

鉄のドアを開けて入ったみると

そこは駐車場だ。

あ、こっちじやないんやな。

振り返るとゆっくりとドアが

閉まっていった。

ガチャッ。

あれ? 開かない、、、。

なぜ駐車場から出るのに

そんな必要性があるのか

なんとドアの横にあるパネルに

暗証番号を入力しないのである。

シーンと静まり返った6台ほどの

駐車スペースがある閉鎖空間。

え? 閉じ込められた?

誰かがここへやってくるまで

出れないのか?

もしかしたらずっとこのまま?

ちょ、ちょっと待ってくれよお!

ドアをガンガン叩いてみても

誰も来てくれない。

出してくれえーっ!

早く戻らないと配達もどんどん

たまっていくし、どうしよう?

警察に電話するしかないのか?

でも大事になってしまうし、

すぐに来てくれるかもわからない。

もう閉じ込められて10分ほど経つ。

静寂の空間で身動きできない不安。

その時、ガチャッとドアが開いた。

た、助かったあ!

その住人に事情を話して

ドアを開けてもらえた。

ケータイを持ってない状態で

閉じ込められてしまった松本人志は

俺よりさらに焦ったやろな〜。



「トラップ7」

鉄工所でバイトをしていた時に

建築中のビルで3人で製品の

取り付け作業をしに行った。

7階ほどある広く大きなビルで

他のいろんな業者も作業を

していたけど、夕方になって

帰っていった。

薄暗くなってきた中、ひとりで

高い脚立を移動させようとすると

強力なバネの力で脚立が

バイーン!と一瞬で閉じて

腕をガッチリと挟まれてしまった。

い、痛いーーーっ!

脚立を開こうとするけど

身動きできなくて手が届かない。

「だ、誰かあーっ!」

一緒に来ている二人は別の階で

作業しているようだ。

腕の血流が止まっているのは

ヤバいし、まずめちゃくちゃ痛い!

普段当たり前に扱っている道具に

こんなカタチで襲われるとはっ。

まだ照明が設置されていないビルに

暗闇が忍び寄る中、ひとりで奮闘。

数分後、腕と脚を極限まで伸ばして

なあ〜〜んとか脱出。

ヤ、ヤバかった。

腕には大きな内出血の跡が。



ピンチは予想もせずに

突然やってくる。

あなたはひとりでトラップに

かけられてしまっても

無事脱出できるでしょうか?

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