表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
マニアックなレオ  作者: レオ
100/115

VOL100 「世界を散歩する」

昨日、ジュンク堂書店に行ってきた。

店にとっては冷やかし客で

たいへん申し訳ないんだけど、

すごく静かな店内で椅子に座って

ゆっくり写真集を観れる

貴重なありがたい場所なので

たま〜にオジャマさせてもらいます。

主にヨーロッパなど外国の

美しい街並みや路地裏の空間を

眺めてウットリ、、、。



初の海外旅行でのアメリカ周遊

ひとり旅から始まってたて続けに

アメリカにばかり行った。

それからあちこち他の国を訪れた

後にイタリアへ。

到着したミラノではただオシャレで

キレイなモデルみたいな女のひとが

やたらと歩いている街だなとしか

思わなかったけど、

次の街ヴェネツィアでブッ飛んだ!

駅を出てすぐに運河沿いの風景が

目に入ってきた瞬間から

ここは絶対イイ!

そんな予感がした。

それは以前からなんとなく

感じてはいたけど自分が

ヨーロッパの建物や街並みが

好きなんだということを

はっきりと認識できた

滞在だったのかもしれない。

ヴェネツィアの後に廻ったローマ、

フィレンツェも素晴らしく、

すっかりハマってしまって

イタリアには合計3回行った。

その後に周遊したスペインの街も

またすごく魅力的だった。


アメリカのように移り住んできた

人間が広い土地に道路や街を

新たに合理的に区画して

作り上げたものとは違って、

ヨーロッパの街には古くからの

ひとの暮らしが根付いてきた

自然な味わい深さがあるのかなあ。

ただし、ヴェネツィアは1500年の

歴史があるとはいえ、湿地帯に

木の杭を打ち込んだ上にレンガと

石を組んで建物が作られた街だから

ひとが集まって自然に

できたのではないんだけど。


ヴェネツィア初日、ライオン像の

口から水がチョロチョロと流れ出る

フォンタナの横に座り込んで

「地球の歩き方」で今からどこへ

向かうかを調べていた。

すぐ横に座ってノートを開いていた

女のひとが英語で話しかけてきた。

大学生だという。

しばらく話すと、今から図書館に

行かなければいけないから夕方に

落ち合ってジェラートを食べて

散歩しましょうと誘われた。


約束した場所に行くと女友達を

連れてきていた。

デートじゃないのかとちょっと

残念に思いながら3人で歩き出す。

二人ともなかなかの美人だ。

連れてこられたひとは英語を

全く話せなかった。

ホテルの従業員とか以外は

レストランや駅で働くひとでさえも

英語を話すひとは多くない。

昼間は賑やかなこの街もほとんどの

店が閉まって誰も歩いていない。

ぼんやりとしたオレンジ色の明かりの

通りの先の方にジェラート屋の

パッと明るい照明が見えてきた。

噂通りに美味しい本場イタリアの

ジェラートを食べながら

運河沿いに歩いていくと

通りの半分にまで高潮で

海水が溢れてきている。

地盤沈下が進むこの街では

それは当たり前の光景なのであった。

ただゆっくり歩く。

絵になる街はそれだけでも

充分なのかもしれない。

30分ほどして彼女達と別れた。


翌日、ビデオカメラを回しながら

観光客がひとりもいない狭い路地を

あっちへこっちへとフツーの民家の

軒先を通って迷うことを楽しんだ。

この先にはどんな素朴な風景が

拡がっているのだろうか。

ワクワクしてくる。

開いてる小さい窓の外には

いくつかの植木鉢に可愛らしい花が

生けられていて、中からは

昼食をとっている平和な家族の

会話が聴こえてくる。

イタリア語は全くわからないけど。

アパートの2階や3階には

通りを挟んで張られたロープに

ジーンズやシャツなどの洗濯物が

干されている。

世界中から大人気で観光客が

押し寄せてくる街だというのに

なんてのんびりしてるんだろう。

いろんなドアのデザインなども

眺めながらひたすら歩き廻る。


あちこちにある教会の壁には

時々クラシックやオペラの

コンサートの案内が貼ってあるから

その内容と日時を確認して

後日白シャツ、ジャケット、

ネクタイ、革靴スタイルで

観に行く。

2000円以内くらいでいろんな

素晴らしいステージが

すぐ目の前で観れた。

マイクなしでの迫力の歌、

ヴァイオリンやチェロの音色。

教会では自然の残響が素晴らしい。


いくつもいくつも小さな橋を渡る。

ここには400もの橋があるのだ。

こんな風景は他には見たことがない。

幅が5mもない家と家の間の

川のように見える狭い運河にも

時折2、3人の観光客を乗せた

立派な装飾がなされたゴンドラが

ゆっくりと入ってくる。

赤と白のストライプのシャツを着て

立って炉を漕ぐ船頭が

カンツォーネを高らかに歌い上げる。

ああ、散歩が楽しい。

大きくない島だからどこで迷っても

とにかく運河にさえ出れば

1日乗り放題のヴァポレット

という運河を周回している船に

乗って宿の近くまで戻ってこれる。


テレビ番組や写真集で

訪れたことがある街、知らない街、

あちこち観るたびに遠い魅惑の

異国へと想いを馳せるのです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ