10話 「イリスダンジョンの攻略」その4
「ここまでの経緯は分かったわ。
次はこの遊園地の事ね?単なる暇つぶしや遊びじゃ無い事は分かったわ」
結構、深刻で真剣な話しだと分かりウキウキ気分から気持ちを入れ替えるホワイト。
「このダンジョンはダークエルフ達の収入源確保の事前投資だよ。
遊園地は・・・まぁ・・・エリカが暴走の末に・・・財源としては面白いと俺も思ったから作っちゃったけどね・・・」
チラッとエリカを見るホワイト、サッと視線をずらすエリカ。
エリカが協力的なのは絶対に自分が遊びたいからだと思ったホワイト。
でも実際にホワイト自身が「ここで遊びたい!」と思ったからエリカの作戦は成功するとも思う、しかし問題点もかなり多い・・・
「この遊園地のお客さんは誰をターゲットにしているの?」・・・先ずはこれだ。
とにかくこのダンジョンの周囲に人が少ない、少しづつ鬼族がこの近辺の開発を進めているが1番近い集落まで20km近くある。
徒歩で20km・・・この世界でもこの距離は観光地としては致命的だ。
「それが・・・天龍達に大ウケしていて・・・」スッと目線をずらすブリックリン。
すると今度はエリカが前のめりになって、
「昨日も100人以上の天龍のカップルが来てくれたんだ!
明日から○っキー・マ○スのショーをやろうと思うんだけど、どうかな?!」
どうかな?・・・じゃねぇ!!やめんかぁーーー!!
そうか!作業部屋でエリカが作っていたのはそれかぁーーー!!
著作権がまだ無いこの世界でグリフォンロードのエリカは前世の日本知識のチートを使いまくりやりたい放題やっていたのだ!この小娘は!
さすがにミッ○ー・○ウスのネタは怖くて書けん!そう作者からNGを食らった。
「そ・・・そうなのね?うん!そこは分かったわ」
ホワイトもこれ以上この話しに関わりたく無いので強引に納得して終わらせた。
「じゃあ次ね。
分かっていると思うけど、中央大陸、西の大陸、北の大陸で戦争が起きているわ。
当然、難民もここに来る可能性があるわ。その時はどう対処するの?」
実際にダークエルフ達がこの地に戦火から逃げて来たのだ。
今後、絶対に難民は増える、その者達が良い者達とは限らない。
「そこは大丈夫じゃないかな?
意図した訳じゃないけど天龍御用達の施設になっちゃったからね。
俺も地龍だと言う事を隠すつもりは無いよ」
つまりイリスダンジョンは龍種が深く関わっているダンジョンと公言すれば簡単に手を出す輩は居ないだろう。
「うーん?防衛力とか、そこは心配してないのだってブリックリンが事実上の責任者なんだから・・・そうじゃ無くてね。
難民の移住を認めるのか?って質問ね。
この地域はもうダークエルフの支配域でしょ?ダークエルフ達は他種族を受け入れるつもりはあるか?って事ね」
「基本的には人間の移住は認め無いよ、スパイの可能性が高いからね。
知恵がある魔物は条件次第、亜人種の移住は認めるつもりだよ」
ラーデンブルク公国と同じ政策を踏襲するって訳だ。
「分かったわ、アタシもそれで良いと思うわ。
次はダークエルフ達はラーデンブルク公国に従うかどうか?ね。
ダークエルフ達の方針でこちらの対応も変わるから教えて欲しいわ」
「ダークエルフ達はラーデンブルク公国に従うつもりだね。
ただ、余りラーデンブルク公国に迷惑も掛けたくないからここで自立したいらしい」
ラーデンブルク公国はエルフ達の盟主の国だ。
そこに従うが独自で新しい集落を作るかで今後の彼等への対応が変わるのだがダークエルフは帰属の道を選んだ様だ。
「そう、それなら話しは早いわ。
このダンジョンはラーデンブルク公国の持ち物だと公言して良いわね」
「うん、よろしくお願いします」
これはイリスダンジョンの乗っ取りとかじゃ無く、ここのダークエルフに手を出すとラーデンブルク公国が全力で反撃に出て来るぞ!と、敵勢力への威嚇の為だ。
イリスダンジョンは天龍とラーデンブルク公国の後ろ盾を得たのだ。
「じゃあ!ラーデンブルクからもお客様がたくさん来るよね?!」
また前のめりになるエリカ。
「え?・・・ええ・・・そうね。
同じ国の遊園地だから訪れる人も必ず現れると思うわ」
「よっしゃあ!燃えて来たわアタシ!」
もう完全に、ここの遊園地の支配人になっているエリカは拳に力が入る!
「・・・エリカ?貴女は龍騎士隊イリスから脱退するの?」
少し呆れ顔のホワイトがツッコミを入れると、
「え?しませんよ?そこは話しが別ですからね。
イリスが脱退しない限りアタシも脱退しません、でもイリスがここに居るならアタシもここに居ますけどね」
そう言って大人しく椅子に座るイリスの頭を撫で撫でするエリカ。
「だって相棒だもんねー」と笑う。
友達にそんな事を言われて、イリスも嬉しそうにニコニコと微笑む
「分かったわ、エリカの意思は尊重するわ。ミイとシルフィーナはどうするの?」
「あははは・・・私は完全に隊長に巻き込まれただけなので帰ります」
ミイ自身も楽しかったがそろそろ自分の使命を果たすべく帰国を決意する。
「私も帰りますわ・・・その・・・ガストンに会いたくなりましたし・・・」
手をモジモジさせるシルフィーナ。
ここは凄く楽しいが恋人に会えないのは嫌なのだ。
「分かったわ、これで大切な話しは終わりかな?
・・・それで・・・あの・・・アタシもここの見学がしたいなって」
ずっと警備の任務で気を張っていたホワイトもたまには息抜きがしたいのだ。
「勿論!アタシが全部の案内しますよ!お客様!」
「あら?アタシもお客様扱いなんだ?」
「そりゃそうですよ!オーガの皆さんにも来て欲しいもん!」
こうして3日間、ノリノリで遊園地を遊び倒したホワイト達、
ホクホク顔で帰国したらガストンを中心に1000人規模の捜索隊が結成されていてガチで焦ったホワイト達。
「ええい!!だから連絡くらいせんかい!!お前達は全く・・・」
クレアにもガッツリと説教を喰らい、
「すみませんでした!時間が経つのも忘れてました!」と平謝りしたのだった。




