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2話 「ユグドラシルの死、そしてシルフェリアとの別れ」その2

泣き疲れたイリスはエリカの膝枕で眠っていた。

そしてエリカもボロボロ泣いている、エリカの場合はシルフェリアの時間が残りわずかと聞いたからだ。


そしてシルフィーナも泣きながらどこかへ飛んで行ってしまった。


「やはりユグドラシル様の死はショックが大き過ぎたな・・・」


「そうね・・・アタシもやっぱり悲しいわ・・・」

ハイエルフのクレアのオーガロードのホワイトも何処か精彩に欠ける。


その同時刻、シルフェリア本体の霊樹は夢を見ていた。

30年近い長い夢を・・・


昏睡してからの20数年の記憶は夢となってドンドン消えて行く。

イリスがハイエルフになった事も、鬼族の街の戦いも全て消える。


覚えているのは可愛い可愛い幼いウッドエルフのイリスだけになる。


そんな夢の中で不思議な老人?に出会う・・・


{シルフェリアよ・・・お主はすぐにはこの世界では転生が出来ぬのだ。

儂も頑張ったのだが無理なんだ・・・すまぬな}


《えっと?どう言う事ですか?それに貴方は?》


{儂は「ワイトキング」死と転生を司る者じゃ}


《えーと?はじめまして?ワイトキング様?

それですぐに転生出来ないとは?どう言う事でしょうか?》


{うぬ、正確には「お主に残存する力が強すぎる」からじゃ。

お主は霊樹としてはまだ若い・・・いやまだまだ幼いお主はまだまだ世界に存在出来たはずじゃった}


《えっ?私って幼児だったんですか?》


{有り体に言えばそう言う事じゃ、人にして見れば10歳にもなっておらん。

本来なればここから10000年に渡りお主の全盛期が始まる所じゃったのに儂も残念じゃ}


《そうだったんですね・・・でも仕方ないです。

私は宇宙の摂理として受け入れてますよ?》


{サッパリしとるのう、お主は・・・

既に儂にはコントロール不能でガイヤの世界へ引っ張られてしもうてのう」


《ガイヤ?確か魔力の無い原初の世界でしたね?

ああ!そうですか!それで魔力が多い私が取り込まれるんですね?!》


{お主は馬鹿っぽく見えてもやっぱり優秀だのう・・・惜しいのう}


《馬鹿っぽい・・・うふふふ・・・それは良く言われますねぇ》


{それでな?儂でも転生時のお主の環境に多少の干渉は出来る。

どんな環境に産まれ変わりたい?大雑把にしか干渉出来ぬのだが、出来る限りは叶えてやろう}


「ええ?!いきなりですねぇ・・・困りました・・・

あっ!海!海の近くに産まれ変わりたいです!霊樹なので森の中に住んでいたので今度は海の近くに住むのが夢だったんですよ、私!」


{ほう海か?それなら叶えてやれそうじゃわい}


「ホントですか?!やったぁ♪♪♪」


こうしてシルフェリアはワイトキングの手により日本は北海道の日高地方沿岸部の漁師の娘として転生する事が決まった。


「うふふふ・・・今度の生は海ですかぁ・・・楽しみ・・・たの・・・しみ・・・

ふえ・・・ふえええ・・・・

うううう・・・うわあああん!イリスと離れるのなんて嫌だよおおお!!」


子供の様に大泣きするシルフェリアを悲しそうに見つめるワイトキング。


{ここでは思う存分に泣くが良いシルフェリア・・・}

ワイトキングも今回の事ではかなり心を痛めているのだ。


{お主の魔力が多少は弱まったら必ずこちらの世界に戻してやるからな?

自暴自棄なってはいかんぞ?シルフェリア}


《グズグズ・・・うえええ・・・絶対にお願いしますね?》


{任せておけい!}


この約束は1000年と言う長い長い時間を経て実現するのだが・・・






実はシルフェリアはガイヤで八千代の生を全うした後、800年の間、ここでもガイヤでも無い全く違う世界で緑の妖精として過ごす事になる。


{えらいこっちゃ!シルフェリアの魂を見失ったぞい?!}


{馬鹿者!見失ったで済む話しか?!早く探さねば!}


ワイトキング達は行方不明になったシルフェリアの魂を必死に探したが全然見つからない・・・


{なぜ、レムリアでもアトランティスでも見つからんのだ?}

唖然するワイトキング達・・・


当時、この世界は大戦乱の時代のせいで死人だらけで、死後の世界がてんやわんわになっておりワイトキング達もめっちゃ忙しくてシルフェリアの魂の行方を完全に見失ってしまう。


妖精時代のシルフェリアは、のんびりホヘーンと、とても長生きしてワイトキングが死者の世界で800年ぶりにシルフェリアの魂を見つけた時、膝から崩れ落ちた。


{よ・・・ようやく見つけたぞい・・・シルフェリアよ・・・

お主は今までどこで何をしておったのじゃ?探しまくったわい}


「???お爺様は誰ですか?」長い間妖精として過ごした時間の中で過去の大精霊の時の事や八千代時代の事を完全に忘れていてしまっていた妖精シルフェリア。


それからワイトキングは慌ててシルフェリアの今までの話しを聞いた。

どうやらシルフェリアが居た世界は精霊と妖精だけが住むとても小さくて平和な世界だったらしい。


{そ・・・そうか・・・そんな所におったのでは見つけられぬか・・・}

宇宙には沢山の小さな世界が存在しておりワイトキングも全てを把握しきれて無いのが現状なのだ。


{しかし良かった、お主を約束通りに彼方の世界へ転生させてやろう}


「えっ?!嫌ですよ?私は元の世界へ戻ります皆んなと約束していますから」


{なんだってーーーーー?!」ビックリ仰天ワイトキング。


「いや・・・そんな戦争ばかりしてる世界に行きたい者なんて居ます?」

めっちゃ正論をぶち込んで来る妖精シルフェリア。


{ふむ・・・それもそうじゃな?・・・いやいやそうではない。

お主は「イリス」の事を覚えておるか?ほれ、約束してたであろう?}


「イリス?・・・・・・・・」首を傾げる妖精のシルフェリア。


「ほれ、ハイエルフの・・・」


「ハイエルフ・・・」全然ピンと来ない妖精シルフェリア、彼女にとってハイエルフになったイリスは夢の中での人物でほぼ覚えておらず。

ハイエルフだけでは全然分からないのだ。

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