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78話 「地龍の真なる逆鱗」その1

上位魔族「スペクター」との間で開戦した龍騎士隊イリス。

その時居なかった地龍ブリックリンが何をしていたか?と言うと・・・


こちらに向かって来ている魔族軍の応援を叩きに後方へと進出していた。


「「イリス達大丈夫かな?

・・・ガストンさんやロイさんも居るから大丈夫だと思うけど」


空を飛び真っ直ぐに敵部隊に向かっているブリックリンは龍騎士隊イリスの心配をしていた。


けれどこの行動は龍騎士隊イリスの作戦でもゴブリン達の為でも無い。


今回の件で地龍は評議会を頻繁に行っていた。

「「ふむ・・・今回のゴルド王国並びに魔族の行動は世界の安寧を損ねる重大な契約違反と見なす」」

行われた評議会の最終結果、地龍王クライルスハイムがそう宣言した。


なぜならば世界との移住契約の際、魔族は前地龍王と「自身の安寧の為以上の争いはしない」と契約した。


その中で「奴隷の使役」については価値観が違えども否定はされていない。


しかし・・・


奴隷獲得の為に魔族達が住む北の大陸、ゴルド王国がある西の大陸より東の大陸への侵攻は、契約に重大な違反をしていると地龍の評議会が判断した。


これにより今回の両陣営の東の大陸への侵攻は世界の大地の安寧を司る全ての地龍種への敵対行動と見なされた。


その結果、一番近くに居る龍戦士ブリックリンに評議会より魔族の侵攻軍の「討伐命令」が下された。


命令を受けたブリックリンはエルフとゴブリンの防衛作戦と連動した方が効率が良いと評議会へ伝達、そして受理された。


「「増援は必要か?」」との地龍王クライルスハイムからの問いかけに、

「「不要です」」と返したブリックリン。


つまりブリックリンは地龍の評議会決定に沿って今まで行動していたのだ。


いくら龍戦士隊イリスの仲間と言えど地龍の力をそんな都合良くホイホイと使える訳では無かったのだ。


数々の評定と様々な手続きを経てようやくブリックリンの参戦が認められた。

そしてブリックリンの「増援不要」の言葉の真の意味がこれから明らかになる・・・



ブラブラとヤル気なさ気に応援へ向かう200名ほどの魔族の一隊。


「だらしねぇよな~、テメェらだけで何とかしろっての」

ダラダラと歩く「スペクター」の男がタバコを吸いながらブツブツとボヤく。


「ゴブリン共は数だけは多いからな手が回らんのだろうよ」

隣りを歩くもう一人のスペクターの重装戦士が先発隊の擁護をする。


「お前本当にお人好しだよな?」


「褒め言葉と受け取っておこう」


そんな会話をダラダラ続け緊張感のカケラも無い応援部隊。

1時間ほど行軍した時・・・


ゴオオオンンン!!!応援部隊のど真ん中に何かが落ちた!!


「なんだぁ?!」さすがに驚いたスペクターの男。


モウモウと上がる土煙・・・


ゾクリ!!男の背中に冷や汗が浮かぶ。


土煙の中から体長30mを超える「地龍」が現れたからだ!

8人ほどの兵士は地龍に踏み潰されて即死しただろう。


何よりスペクターの男の恐怖心を煽るのが地龍は地龍なのだが自分が知ってる地龍とは全然違う姿だからだ。


「地龍って「ツノ」なんて生えてねぇだろ?!」男は叫ぶ。


「目の前の地龍には巨大な「ツノ」が生えている!そんな馬鹿な?!」

重装戦士の男も顔を歪めた。


「地龍はツノ無し」それが世界的な常識だったからだ。

グウウウウウ・・・「ツノ有り」の地龍は低い唸り声を上げて止まっている。


「それに!何で!地龍が「黒龍」なんだよぉ?!!」


地龍の鱗の色は「黒!!」そう黒なのだ?!


黒龍王ラザフォードの様な美しい黒では無い、「漆黒」なのだ。


目の前の地龍は間違い無く黒龍なのだが男には意味が全く分からない。

なぜなら「黒龍」は魔物の竜王、龍種とは全然違う存在だからだ。


そんな魔族の疑問にブリックリンが答える義理も無く。


ガアアアアアアアアアアア!!!!地龍の咆哮を上げる!!

大地が揺れ地面が割れる!この現象でこの龍が本物の地龍だと証明された!


このブリックリンの「黒龍化」はイリス達にも極秘にされている切り札だ。


黒龍王ラザフォードの前の「黒龍王」が寿命で死んだ時、その魂が生まれたばかりの土竜の赤ちゃんに乗り移り融合したのがブリックリンなのだ。


転生とは違う融合だ。


なので黒龍王時代の全ての能力が地龍の能力の範囲内で全て使える。

しかも地龍の新しい能力まで獲得して。


地龍王クライルスハイム曰く、

「「ブリックリンの戦闘能力は地琰龍ノイミュンスターに匹敵するだろうよ」」

との事だ。


黒龍王時代のブリックリンは凶暴で天龍王アメデとも何度も激しく戦った怖い物知らずの猛者だった。


しかし乗り移った土竜の赤ちゃんが凄く大人しく、凄く優しい性格であった為に破壊衝動などに囚われる事も無く、素直に地龍として成長した。


ブリックリンはこの力を地龍の仲間達と龍騎士隊イリスの仲間の為以外に使うつもりは毛頭無い、今回はまさにその両方の為に黒龍化したのだ。


今のブリックリンは黒龍王ではない!

誇り高き地龍の龍戦士であり、誇り高きイリスの龍騎士なのだ!


ここに「地龍の真なる逆鱗」触れてしまった魔族と地龍ブリックリンとの戦いが始まった!

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