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71話 「豊穣の祝福」その7

そろそろ儀式が始まるかと言う時、グリフォンロードのエリカだけが帰って来た。


「あれ?他の皆んなは?」


《3人で周囲の警備をするらしいです。

私はイリスちゃんと一緒に居た方が良いらしいので帰って来ました》


確かに何か起こった時イリスとエリカが一緒に居ると対応がし易い。

ガストンの鼻血噴射タイムは引き延ばされた様だ。


何よりエリカは豊穣の祝福の儀式に興味があったのだ。

《なんか凄いファンタジーっぽい!ワクワクするわ!》

登山も好きだったがゲーム、漫画も大好物の女子大生だったのだ。


そして準備されたメインの祭壇はまさしく本物のファンタジー。

緑を基調にした祭壇の上に純金、純銀製の器が並び、祭壇周辺には15個の既に魔力を通され淡く光る立体型魔法陣。


しかも儀式を行うのは本物のエルフと来たもんだ!

そりゃあテンション爆上がりしますわ!


なのでシルフィーナの隣で見学する事にした。

いきなりグリフォンロードが儀式に参列する状況にあんまり驚く事がないのはさすが鬼族である。


これが人間だったら大パニック不可避だろう。


そして豊穣の儀式の為にそれぞれの位置につく神官達。

イリスは祭主のクレアと白ちゃんの補助なので祭壇下右に位置を取る。

めっちゃ目立たないポジションだね、主人公なのに。


儀式が始まるので、ついさっきまで長布1枚のエロい衣装にモジモジしていたクレアだが既にキリリと表情になり威風堂々としてるのはさすがだ。


薄着に慣れている白ちゃんは飄々としている。

イリスは何を考えてるか分からない・・・何も考えてない様にも見受けられる。

まぁ補助なので。


ぼけ~としている様にしか見えないイリスだが実はシルフェリアに儀式の流れを説明していた。


《師匠が呪文を唱え始めると私もトランス状態になるけどシルフェリアがどうなるか分かんないね?》


かなり強烈なトランス状態になるのでイリスと意識が繋がっているシルフェリアにも何らかの影響が出ると思われた。


《多分大丈夫ですよ。いざとなれば私も儀式に参加しますから》

と何とも無さげに言い切るシルフェリア。


さすが腐っても緑の大精霊である、臨機応変に対応するらしい。

常にそうしていればダメ精霊呼ばわりされなくて済むモノなのに。


ピシャーーン!ピシャーーン!ピシャーーン!

小川の水面をクレアが杖で叩き「豊穣の祝福」の儀式が始まった。


同時にイリス達、7人ハイエルフが、


『オホハラヘノコトバ』と同時に呪文の詠唱を行う。


《え?》小さく言葉を漏らしたエリカ。


続けてクレアが杖を両手で持ち眼前に据えて目を瞑り、

『オオハラへノ、ネガイタテマツリ、

タカマノハラニ、カムヅマリマススメムツカムロギ・カムロミノミコトモチテ・・・』と唱え始めた


冒頭の祝詞を聞き、元日本人のエリカは「あれ?!」と思った。

普通の日本人でも呪文にしか聞こえないが大学で郷土史を専攻していたエリカには1発で祝詞の意味が分かるのだ。


何せこの祝詞が単位の試験に出て来たからだ。

所々アレンジされているが大まかな部分が有名な大祓の祝詞と同じ文脈なのだ。


「不思議な言葉ですわ、何て言ってるのか全然解りませんわ。

でも強力な言霊を感じますし、テンポも気持ち良い不思議な言語です。

あら?どうしましたエリカ?」


エリカが唖然としているのが分かったシルフィーナが心配して声を掛けると、

《あっ、この言葉、前世の私の故郷の言葉です》と答えると、


「ええ?どう言う事ですの」シルフィーナが不思議そうな顔をする。


『アマノヤヘグモヲイズノチワキチワキテ、アマクダシヨサシマツリキ』

こうしている内にも儀式は進行して行く。


「つまりエリカはこの謎の言葉の意味が解るのですか?」


《はい!完全ではありませんが大体の所は・・・えーと?最初は・・・

大祓祝詞願い奉り、高天原に神留まり坐す皇親神漏岐・・・》


「まっ待って下さいなエリカ。

余計に難しくなりましたわ、出来れば簡単にお願いしますわ」


漢字満載の説明に思わず待ったをかけるシルフィーナ。


《えっ?ああ!あはははは、

そうですね、古い言葉で言い回し難しいですもんね》


『カクノラバ、アマツガミアマノイワヲオシヒラキテ・・・』


《今の所を要約すると「神様が岩の門を開けた」と言ってます》


「へー、全体的には何て言っているのですか?」


《う~ん?言い回しが古い神話を交えての遠回しなので・・・抽象的とも言えるので

簡単に説明すると大地の穢れを風と水の力で清めて新しい外部の力を受け取って欲しいと世界に願ってる?と言った感じでしょうか・・・》


『ハヤカハノセニマスセオリツヒメトウフカミ、オホウウナバラモジイテナム』

そろそろ1回目祝詞も終わりが近づいている。


周囲のゴブリン達は自分達の死活問題なので懸命に祈っている。


『ヤホヨロズノカミカミタチトトモニ、キコシメセトマヲス・・・・・・・』

祝詞が終わりクレアは木の枝を小川に付けて大きく振ると、周辺に水のしぶきがパラパラと降り注いだ。


『アマツハラニマシマシテ、テントチニアハラキヲアラワシヲミマウリユウオウノ』

今度はイリス達が呪文の詠唱を始める。


バシャーン、バシャーン、バシャーン

その中でクレアは踊りながら木の枝の水しぶきを周辺に撒き続ける。


「なるほど、これは幻想的ですわ・・・」

1枚物の布を纏うクレアが回転すると続けて布も回転する。

なかなか美しい女性とマッチして幻想的に見えるのだ。


「別に着る服は何でも良いんですけどね。

でもボンッキュッボンッの師匠ならこれが一番です!」


と言う理由なのだがとにかくエロいのだ。

周囲は女性とゴブリンとオーガしか居ないで特にエロさを気にする者はいない。

単にエロいクレアをイリスが見たかったから・・・だけの衣装なのだ。


そしてこのとんでもなくエロいクレアを見ても平然な様子で祈りを続けるゴブリン。

ゴブリンがエルフには欲情しない証拠でもあるのだろう。

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