7話 「風竜ゲットだぜ!」
皆様こんにちは、緑の大精霊シルフェリアです。
現在の私は大ピンチです!
可愛いうちの子のイリスがウッドエルフの守り神とも言える風の大精霊シルフィーナちゃんに無礼千万な物言いをしまくっております!
イリスー?!その場だけの秘密のお話とかあるでしょう?!
なんでそのまま伝えるのぉ?!ほら!「例えば」とかあるでしょう?ね?
オブラートぉプリーズ!!
《シルフェリア様・・・後で大事なお話があります・・・》
「はいいい!!!」
《ユグドラシル様も知ってましたね?・・・よろしいですか?連帯責任です》
《はいーーー!!ごめんなさーーーい!!》
あああああ~、今日、私は帰れるのでしょうか?
風竜シルフィーナと対峙している・・・つもりのイリス・・・
睨み合いは続いて・・・る様に見えるが、シルフィーナはシルフェリアに現在、絶賛苦情申請中だ。
「風竜さん!覚悟して下さいね!」
イリスがシルフィーナを煽る煽る・・・その精霊さん守り神様だからね?!
「良かろう!掛かってくるが良いイリスちゃん・・・小娘よ!」
「あれぇ?風竜さん、イリスを知ってる?」
「知らない」
「でも、お名前を・・・」
「言って無い」
「おかしいなぁ??・・・う~ん?まっ!いっか!
では行きます風竜さん!早き風よ!敵を捕らえよ!「風縛陣」」
ビョオオオオ!!
「おお?!」シルフィーナに風がまとわりつく!えっ風?風ぇ?!
《・・・シルフェリア様?イリスに属性の概念って教えてます?》
《ごめん!すっかりと忘れておりました!お願いします!》
《もおおおお!!全く!!》
「風竜」に風系の魔法は当然ながら全然通用しませんね。
「なかなか見事だな小娘よ!しかしこれはこうやるのだ!「風縛陣!!」」
ビョオオオオゴオオオ!!!イリスとは桁違いの「風縛陣」が襲う!
「グエエエエエ!!!」間一髪!ブリックリンが飛んでそれをかわす!
おお?!なんか戦闘らしくなって来た?!
「ブリックリンありがとう!「ウインドカッター!」」・・・ってまた風だ。
シュババババ!!!
「きゃあああ??!!」当然ながら全然効いてないシルフィーナだが、話しが進まんので効いてるフリを頑張る優等生シルフィーナ!
「グエエエエエ」《演技ナイスっす!シルフィーナ様!》
「演技とか言うなぁ!」
「グルルルル!!」《じゃあブレス行きまーす!》
「ええ?!それは痛いってーーーー?!」
ゴオオオン!!ブリックリンがドラゴンブレスを放つ!
「いやーん!!」慌ててそれを走ってかわすシルフィーナ!
「グエエエエエ??」《シルフィーナ様?かわしたらダメっすよ?》
「いや痛いからこんなのかわすっての!!
ってか貴方!もしかして地龍に進化直前?!」
「グル?グエエエエエ?」《えっ?そうすっよ?》
「だから威力がヤバいのかぁ!ブレス禁止!!」
ノンブレスでブレスを放ったブリックリンだが威力的にはモロ直撃だとシルフィーナでも一撃で行動不能になるモノだったのだ。
明らかに戦士系で進化後は「龍戦士候補」になれる潜在能力がある威力だ。
「グエエエエエ??」《これでもかなり手加減したんっすよ?》
「手加減してそれなら本っ当!に禁止!土竜君アンタ怖すぎるわ!」
「あれ?もしかしてイリスが属性の概念に気が付いて違う属性で攻撃して来たら、
わたくし不味いのでは?」と感じるシルフィーナちゃん。
実際にイリスは「竜騎士」と同じ攻撃をしているのだ。
「よし!早く負けよう!」と思ったシルフィーナ・・・痛いのは嫌なのだ!
「小娘よ!貴様にこれが撃てるか?「ウインド・ブラスト!」」
通称「烈風砲」と呼ばれる中級魔法だ!威力は低級まで落としてるけど。
ゴオオオン!これもブリックリンが華麗にかわす!
「それ!イリスも覚えたよ!」
ムン!と手を突き出して「風よ!集まれ!「ウインドブラスト!!」」
ゴオオオオオオオオオンンン!!《チャーンス♪》
「きゃあああああああ???!!!!」わざと直撃を喰らうシルフィーナちゃん!
シュウウウウ・・・巻き上がった土煙が晴れるとシルフィーナが倒れていた。
「風竜さん?!ごめんなさい!痛かった?!」
イリスが慌ててシルフィーナに駆け寄ると・・・
「うふふふ、負けたわイリスちゃん・・・良いわテイムされて上げるわ」
「いやったーー♪♪」バンザイするイリス、良かったね!
イリス!風竜ゲットだぜ!
「でも・・・御両親が良いと言ってから」ねっ!とイリスの頬にキスをする。
《ああーーー?!シルフィーナちゃん!契約横取りぃ??!!》
《当たり前でしょ?!シルフェリア様にイリスちゃんを全部任せたらヤバいわ!》
緑の大精霊シルフェリア・・・精霊契約を横取りされる。
《そこも含めて色々とお話があります・・・よろしいですね?》
《はい・・・色々とすみませんでした》
そして論破された。
「イリスちゃん、とりあえず今日はここでお開きね、明日イリスちゃんの家へ行くわね」そう言ってもう一度頬にキスをするシルフィーナちゃん。
「はい!ありがとうございました!風竜さん!」
「わたくしは「シルフィーナ」ね」
「はい!シルフィーナちゃん!」
ノッシノッシと家に帰るイリスとブリックリンを手を振りながら笑顔で見送る、
シルフィーナちゃん・・・その姿が見えなくなり。
「では、色々とお話ししましょう・・・シルフェリア様?」
《ひいいいい???》
長い夜が始まったのだった・・・