43話 「ドライアドの森の戦い」その2
ゆっくりと旋回を始めるブリックリン。
シルフェリアの霊視で敵の正確な位置を探っている。
《・・・1番効率が良さそうなのは南から左回りでの攻撃ね。
細かい位置はその都度指示するわ、ブリックリン行きますよ!》
「「了解!!」」
ダメ精霊シルフェリアは案外に実戦経験が豊富だと判明した。
ユグドラシルの森の管理者だったので不埒者を討伐しまくっていたのだ。
盗賊達から「緑色の悪霊」なんて異名があるのは絶対にイリスには内緒だ。
《目標まで300m!ファイヤーランス3つ!!》
「ファイヤーランス!!」ドンドンドン!!ゴオオオ!!
見事!ファイヤーランスが食糧保管庫に命中して炎上を始める!
《敵の魔法が飛んで来る前に最低でも後3つは潰すわよ!左旋回!》
「「了解!!」」
《目標まで150m!ファイヤーボール4つ自由落下!》
「ファイヤーボール!」ヒューン・・・ドドドドドオオンン!!
今度はナパーム弾の投下の様にファイヤーボールを落とす!
《後方から矢が接近!右へ急旋回!》
後ろに目があるかの様に簡単に敵弓兵の矢をかわすブリックリン。
まぁ、実際に後ろにも目があるんだけどね!
シルフェリアが可愛いイリスを見たい!とのしょうも無い理由から編み出したイリスを俯瞰的に見る技術が思わぬ効力を生む!
イリスを中心に360度全方向を距離500mまで見れると言うぶっ壊れチート能力に発展したのだ!
つまり死角が一切ないのだ!やるじゃんダメ精霊。
このチート能力にブリックリンの高速飛行が加わって敵兵は攻撃してくる敵の正体が分からない内に火炎魔法をブチ込まれるのだ!
次々と炎上する食糧保管庫・・・もうやりたい放題だ!
《イリス!そろそろ撤退!魔導士が出て来たわ!》
「了解!置き土産だよ!ウインドブラストーーー!!」
ゴオオオン!ゴオオオオオオオオオ!!!
烈風砲が火災に更に酸素を与えて大炎上させる!
それが火薬保管庫にも引火して、
ドオオンン!!ドン!ドン!ゴオオオン!!誘爆して更に被害を拡大させた。
「徹底!!」
それを見届けて北の空へ消えて行くブリックリン。大戦果だ!
《イリス、次は朝駆けよ》
「はい!」
もうシルフェリアは完全に割り切っていた。
イリスに人殺しなんて絶対にさせたくなかったが世界情勢がそれを許さないなら、
「上等!この緑の大精霊シルフェリアがすぐに終わらせてやる!」と。
持てる全ての能力を注ぎ込むのみだ!
このトリオの攻撃力は強力無比だ、まだ開戦もしていないのにゴルド軍の兵站はズタボロにされて、「龍騎士イリス」名前はあっという間に知れ渡る事になる。
有名になり警戒される様になるとシルフェリアは一撃離脱戦法に切り替える。
不定時間に全方向からファイヤーボールを落とされて食糧保管庫が焼かれるのだ。
この攻撃に15日間に渡り有効な対策を取れなかったゴルド軍。
開戦前日にはゴルド軍は極度の飢餓状態に陥った。
そして翌日の正午過ぎ。
「攻撃開始!」
それでも自身の栄達のみを欲するゴルド軍の将軍達はドライアドの森へ攻撃を敢行する、兵士達も何とか前進を開始する。
ドライアドの森の戦いの始まりだ!
先ず魔導士達が遠距離魔法で森を焼こうとする!が対魔法結界に阻まれて全く通らない、通常なら結界外の森を焼いて炙り出すのだが、その森を自分達が綺麗に伐採して
何も残って無い。
間抜けとは正しくこの事だ。
魔導士達の援護がほとんど無い飢餓状態の戦士達が突撃して来るが・・・
ヒュン!ヒュン!ヒュン!ヒュン!ヒュン!ヒュン!
「ぐあ!!」「ぎゃああ!」「ぐおお!」お察しの通りエルフ達の弓矢の的になる。
それでも何とか森の中に侵入して来る者も現れるが、
ズバァ!!「ぎゃっ?!」エルフが接近戦に弱いと誰が言い出したのか?
普通に接近戦も強いのだよ!エルフは!
ここで決定打が入る!
《ブリックリン!敵の指揮官を発見したわ!右600m!全力ブレスよ!》
「「了解!!」」森の入り口の茂みに潜んでいたイリス達3人。
敵の指揮官を索敵して見つけ出したのだ!
「「ガアアアア!!!」」ブレスの体勢に入るブリックリン!
ゴオオオオオオオオオンンン!!!!!ズガガガガアアアアンンン!!!
一直線に敵兵を消し飛ばしながら敵将軍の陣屋をピンポイントで吹き飛ばす!
悲鳴を上げる間も無く敵将軍は消滅した・・・
そこからは敵は混乱?恐慌状態に陥りバラバラに逃げだした。
そこを見逃すクレアでは無い!
「皆の者!!掃討戦じゃ!戦士隊突撃!!」
ワアアアアアアアア!!!
ここに来て敵から突撃を受けたゴルド軍に立て直しなど不可能だった・・・
開戦初戦はゴルド王国軍の大惨敗に終わった。
戦死6200名、負傷者3100名・・・
通常の野戦ではあり得ない死亡率を叩き出した。
「ふう・・・お疲れ様ブリックリン。
少し休んだらまた兵站潰しをやりますよ!》
「「シルフェリア様って鬼軍曹だったんすね?!」」
「うん・・・シルフェリアが少し怖くなって来た・・・」
《イリスーーーー??!!》
戦いが異常に強かったダメ精霊・・・
めちゃくちゃ好戦的だったんすね?ちょっと引きました。




