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35話 「最後の水晶攻略」

3ヶ月掛かりでようやく引き継ぎ業務を終えてグッタリする。


イリスが?・・・いや違うダメ精霊シルフェリアがだ。


《も・・・もうダメです・・・もう一生分の書類を見ました》

この時の経験から次の人生で書類嫌いになるシルフェリアだった。


「そう言えば地龍王様って・・・」どこに居たんだろう?

イリスは周囲を見回すと、この3ヶ月間、文官達に埋もれて普通に事務仕事をしていたそうだ。


今は私室で休んでいるそうな。


「王様の仕事って基本的に地味なんだって」

この3ヶ月間は武官として先輩の龍戦士にみっちりと扱かれていたブリックリン。

少し背が伸びて体格がガッチリしていた。


「身長・・・そうだ!私の身長!」持ち歩いてるメジャーをブリックリンに渡す。

早速ブリックリンに測ってもらうとブリックリンは無言で視線を逸らした?!


「1cm縮んだ・・・」


「なんでよぉーーーーーー??!!!」


《可愛いです!イリスーーーー!!》


「うるさーーーい!シルフェリアーーー!」イリスはキレた。


「それより最後の水晶攻略やろうよ」


「あっはい」


ブリックリンの指摘でイリスは最後の水晶攻略を「やっと」始めた。

水晶は事務机の上に無造作に置かれていた。


「5000問・・・」忘れていたが、この水晶も難関なのだ。

ゴクリと息を飲んでイリスは水晶を作動させる。


『第一問、転移陣の魔法術式において複数人を転移させる複合型補助魔法陣を正しく書いて下さい』


「・・・」最後の水晶らしく第一問から超難関問題をぶっ込んで来る。


《なっ情け容赦ないですね?少なくても私も分からない専門的な問題です》

魔法知識では優秀精霊のシルフェリアも知らない問題だった。


「これってアカデミー(大学)の卒業問題じゃね?」


しかし!やらねばならぬ!イリスは大量の参考書と辞典を広げた!

「こっこんなのが5000問?」初めて心が折れそうになるイリスだった。


「ほほほほ♪最後じゃからのう」師匠の笑い声が聞こえた気がした。

なので「負けるかーーーーー!」気合いで奮起したのだった・・・


それからの水晶攻略は熾烈を極めた・・・2週間後の第二十六問目。


「こんなの幼児に解る訳ないよぉ」負けず嫌いのイリスでも泣き言を言うレベルだ。


「どれどれ?炎系の立体型複層魔法陣において第三層の魔法術式を書いて下さい?

ごめん・・・俺には問題の意味すら分からないよ」


《そもそも炎系の立体型複層魔法陣自体がアカデミーで研究中ですよね?

ここに有る参考書と辞典には載って無いと思いますよイリス?》


「・・・一回帰って勉強して来る」ここで一時撤退を決意したイリス。

分からんモンは分からんのだ!


「苦労しておる様じゃのぅ」

低いダンディーな声がイリスの耳に届いた。


見ると赤黒い髪をしたイケ叔父様が笑いながら近寄って来た。


《地琰龍ノイミュンスター様??!!》


「??おじさんはノイミュンスターさんと言うお名前ですか?

私はイリスと言います、はじめまして、よろしくお願いします」


「うむ、我はノイミュンスターと言う、こちらこそよろしく頼むぞイリスよ」


「もしかしたら勉強を教えてくれるのですか?」


「うむ、そう言う事じゃ、古き友に頼まれたのでな」


どうやらイリスが苦戦するのを見越して師匠のクレアが地琰龍ノイミュンスターに

講師をお願いした様だ。

しっかりとしたサポートに余念がないエルフである。


「どれどれ・・・」水晶を覗くノイミュンスター。


「あやつ・・・まだ研究中の問題など入れおって困った奴じゃのう」

問題を読んで少し呆れ気味のノイミュンスター。


実はこれもクレアの作戦である。

イリスに解けない問題を入れてノイミュンスターに講師をお願いする。

この問題だけでも解答までに数日は掛かるのを見越している。


イリスの魔力回路が完全に回復するまで徹底的に時間を稼いでついでに知識も頭にぶち込むのだ。


イリスの身長が縮む怪現象はイリスの魔力回路損傷が原因だ。

これは自然治癒に頼るしか無くとにかく時間が必要なのだ。

徐々に身長が縮む幅が減って来てるので、もう少しで回復する。


後半年ほどイリスに魔法を使う暇を与えてはいけないので、こんな手の込んだ事をしている。

その副産物でイリスの魔法知識はアカデミー卒業レベルまで上がってしまったが。


「ブリックリンよ、お主も講義に参加せよ」


「ええ?!俺もですか?!」


「そうじゃ、龍戦士・・・お主は龍騎士じゃったな。

龍騎士にも魔法知識は必須じゃ、イリスと同じレベルになれ」


「ブリックリンも一緒?やったーーーー!!♪」


「えええ??・・・」ブリックリンも巻き添え決定である。


こうして被害者を増やしつつ最後の水晶攻略は進むのだった。


あまり人族に興味が無いノイミュンスターは最初は講師の話しを断るつもりだった。

しかし、イリスの根性が気に入ったのだ。


一応どんな娘か確認だけはするかと、龍都に滞在しているイリスを見てて、

「小さな身体でようやる物じゃのう」と関心した。


ノイミュンスターは一度興味を持った者には底抜けに優しいのだ。

逆に興味が無い者は徹底的に無視をするが・・・


これから丸1年以上ノイミュンスターはイリスの講師となるのだった。

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