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夏の特別企画「宇宙を駆ける変態」その3

シーナとリールがリタイアしたので次は天龍アリスさんに聞き手をお願いしましょう。


「ええ?!アリスがですか?!・・・先輩達が居るのにどうして私なんですか?!」


いや、だって、シーナとリールは気絶しているし、レンヌは我関せずにメイド服に着替えて三龍王の給仕を始めているし、クローディアとニームはなんか知らんが彫像と化してるし・・・


「彫像?・・・・・・・・って?!先輩方?何してるんですか?!」


アリスの視線の先にはポーズを付けて石化したクローディアとニームの姿が???

どうやら自分自身に石化魔法を掛けたらしい・・・とっても器用だね!

こうなると話しを聞く事は出来ない、意地でも話しに加わる気がない鉄の意志を感じる。


「む・・・無駄に彫像が美しい所がどうしようも無いです・・・」

サボる為には石化する事も厭わない大先輩2人に呆れ果てるアリス。


「アリス・・・座りなさい」


「はい・・・」大人しく三龍王の前に着席するアリス。

海龍王に着席を促されると流石に逆らえないのだ。


何だかんだで超絶優秀な頭脳を持つアリスは先程までの話しを聞いて気になった事を質問して見る事にした。


「いかに上位古龍のジャコブ様と言えど自分を無制限に増殖出来る魔力があるとは思えないのですが?」


それな!それが今回の話しのキモなのだよ!


「あの子の魔力の供給源はS78彗星なのです。

彗星のパルスエネルギーを魔力に変換している事が判明しています」


「え?!パルスエネルギー?!」

パルスエネルギーを簡単に説明すると灯台から発生している光の帯の事だ。

ざっくばらんに言うと彗星から発生している光るガスの尻尾の事だね。


「なのでS78彗星の物理的なエネルギーが消滅しない限り、あの子は増殖し続けると言う事です」


「いやああああ?!怖い!怖すぎます!」

無限増殖ではないがR78彗星には相当数のジャコブが誕生している可能性が有るのだ!


我友は、な・・・なんて非常識なヤツなのだ。


「だ・・・だから・・・変態の星?」

やっと皆んなが絶叫した理由が分かり、アリスもシーナとリールと一緒に気絶したくなったが無駄に根性が有って気絶出来ない自分を恨むアリス。


「この件において我は「無視」をするのが最適だと思っておるのだが、アメリアがな・・・

可能なれば本体をS78彗星から引き剥がしたいと言っておってな」

そう言って溜め息を吐く地龍王クライルスハイム。


「そうじゃな・・・普通なら「魔法世界が滅んでも不思議ではない」惨事なのじゃが、あのジャコブだからな。

放置した所で変態行為をするだけじゃからな」


天龍王アメデも「無視」「放置」に賛成している様子。

要するに「変態の相手すんのが面倒くさい」のだ。


「親の立場から言うと放置も出来ないのよ!!」そりゃそうだ。


「ふう・・・今回は「三龍の総力を結集」してS78彗星に乗り込んでジャコブの排除を試みる事になった・・・・アリスよ、行ってくれるか?」


「え?嫌ですよ。アリスは行きませんよ?」


ええええええーーーー?!アリスさーーん?!

アッサリと天龍王アメデからの協力要請を断る天龍アリスさん。


「いえ、だって、アリスは天龍所属では無くアリーセ様の従者でヴィグル帝国の所属ですよ?アリスがアリーセ様に怒られてしまいます。


三龍種とヴィグル帝国は基本的に不干渉が原則ですよね?


勿論、世界滅亡の危機なら喜んで協力しますけど危険性と緊急性は少ないと判断します」

流石は理路整然のアリス!かなりまともな理由だった!


「そうだな、その通りじゃな」天龍王アメデも一応は「行ってくれればラッキー」程度に言って見ただけだった様子だ。

そもそも自分が面倒臭いと思っているのに他人に強要する事は出来ない。


「それにアリスには何も出来ません。弱いですから」

頭脳が売りのアリスに力技で変態を排除する荒技など出来っこないのだ。


「お願いアリスちゃん!参謀が不足しているのです!ね?ね?ね?ねぇ~?」

アリスを諦めきれないアメリアがアリスの説得を試みる。

アリスの知能は他で代替えが難しいのだ。


「うう?!」目をウルウルさせてお願いして来るアメリアに動揺するアリス。

なかなかあざとい龍である。


「うーん・・・アリスに出来る事なんて無いと思いますけど?」


「いいえ!変態に全く動揺しないアリスちゃんが必要なの!」


過去にジャコブから変態被害を受けたアリスなのだが、「何しているんです?馬鹿じゃないんですか?」と氷の目で一蹴した事がある。

アリスから見る変態とは「ただの道端の石ころ」程度の存在でしかないのだ。


「いえ・・・嫌いは嫌いですよ?変態が馬鹿にしか見えないだけで」


こうして15分ほどアメリアから説得を受けたアリスは、「アリーセ様の許可が出れば」と渋々承諾した。


樹龍アリーセから返答は、「ママ(シーナ)を助けて下さい」だった。

無酸素での活動が不能の樹龍アリーセは参加は出来ないとの事。

アリーセ本人としては是非とも嫌いなジャコブを思い切り殴りたかったらしい。


それから。


「クローディアは強制参加です。参加しなければ500ページの始末書です」


「そんなぁーーーー?!」


石化魔法を強制解除して無慈悲な命令をクローディアに下すアメリア。

海龍のジャコブの問題なので海龍のクローディアが参加するのは当然である。


「ニームも強制参加じゃぞ?」


「いやああああああああ?!?!」石化仲間の天朱龍ニームも当然ながら強制参加になった。


ジャコブに対して強いトラウマが有る天舞龍リールは、変態排除作戦にはやっぱり参加不可能との結論になり討伐隊の大気圏突破のお手伝いのみ。


ジャコブが苦手なシーナも地龍王クライルスハイムと一緒ならとの条件付きでの参加、天龍アリスもシーナのサポートをする。


飛ぶ事が出来ない海龍王アメリアは天龍王アメデの背中に乗って大気圏突破するらしい。


「お父様(地龍王)?私達はどうやって大気圏を突破するんですか?」

表面的には立ち直ったシーナが地龍王クライルスハイムに質問すると、「我がジャンプする」との事。

正確には地脈のエネルギーを一点収束して撃ち出すらしい。


さて、この辺りで「討伐隊の本隊」の様子を見て見ましょう。


実際の討伐隊の戦力は、海龍龍戦士が760名(ほぼ全戦力)、天龍龍戦士が526名、地龍龍戦士が624名と地上の治安維持に必要な者を除いた参加可能の全戦力を投入する今まで類を見ない大規模なモノなのだ。


「私達、必要あります?」


「彗星に何人の変態がおるか分からぬからな」


「お父様、怖い事言わないで下さいよぉ~」


テフテフとクライルスハイムと海岸に集結している討伐隊本隊の様子を見に来たシーナが見たモノとは?


「!!!!!!地龍くーーーーん?!」

大型のロケットブースターに鎖で括り付けられた愛する旦那様のガイエスブルクだった・・・フィジーに到着した瞬間に兄ブリックリンに拉致られて問答無用でロケットブースターに括り付けられたらしい。


全然ガイエスブルクの姿が見えないと思ったらロケットブースターに括り付けられていたのね・・・


「「おー?シーナも参加すんの?」」全てを諦めた様子のガイエスブルク。


よくよく見ると1000基以上の打ち上げ台のロケットブースターに括り付けられている飛ぶのが苦手な海龍龍戦士と地龍龍戦士達・・・・・これは酷い!


「「あ!お母さーーん」」


「キャサリーーーーーーン?!?!」


ガイエスブルク号の横のロケットブースターに括り付けられている愛する娘キャサリンを発見するシーナ。


「「私!宇宙空間って初めてです!」」何かめっちゃウキウキしている娘・・・

キャサリン的には宇宙旅行程度の感覚らしい。


「ふ・・・ふえええ??キャサリン・・・だ・・・大丈夫ですか?」

鎖でグルグルの娘の惨状に動揺しまくりのシーナ。


「「あー?俺が見ているから大丈夫だよ」」娘の引率をするお父さん。


「「変態退治!頑張ります!」」やる気まんまんのキャサリンちゃん。

まぁ、「白龍王」のキャサリンはシーナとガイエスブルクより強いので大丈夫だろう。


「そ・・・そう・・・ですか?」


「あ!シーナぁー!」「叔母さまーー!こっちこっちー!」

シーナが声の方を見ると、エレン、ブリックリン、リリーアンナの親子が居た。

ブリックリン一家は全員自力で大気圏突破可能なので普通に離陸するとの事。

ガイエスブルク一家とブリックリン一家の格差が酷い!


「リリーアンナ?大丈夫ですか?」


「多分?」義妹のキャサリンと違いイマイチ乗り気でない様子の義姉のリリーアンナ。

まぁ、リリーアンナも「黒龍王」なので大丈夫だろう。


こうして「飛べねぇヤツはロケットブースターで強制射出な!」の力技で準備万端の討伐隊の本隊だった・・・・・・・これ爆発としないのか?


「あ・・・ノイミュンスターもやっぱり参加するんですね?」


「うむ、ロケットブースターの開発責任者だからのう」


クライルスハイム同様に自力で大気圏突破が出来る地琰龍ノイミュンスターも律義に自分の作ったロケットブースターに括り付けられていた。


傍迷惑な変態のせいで酷い目に遭わされる龍戦士達だった・・・












「何で回想録の龍騎士イリスでこんな遥か未来の話しをやってるの?!」


龍騎士イリスが作者ネタ帳だからですね。


「それにしても最近は主人公のイリスが全く登場せんのう」


イリスは他の作品で出番がめっちゃ多いので大丈夫です。


「それで自分の所で出番が無かったら本末転倒じゃん!」

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