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1周年特別企画「エリカちゃん&コンちゃん死す。 その6」

「「ええ?!一瞬で樹龍に進化?!」」


《そうじゃな・・・儂も信じられぬ事じゃが・・・事実じゃ》


ブリックリンに「樹龍アリーセ」誕生を告げる天龍王アメデ。


「「どうしてそんな事に・・・」」


《ブリックリンよ・・・それはお主の方が心当たりが有るのではないか?》


「「うっ?!」」


念話での会話で顔は見えないが天龍王アメデがジト目になっているのが分かる。


《クライルスハイムにも確認を取ったが、お主は黒龍王ラザフォードと共に何やらやっておったと言うではないか?》


「「あー・・・あははは・・・実は・・・ですね」」

最早これまで・・・と言うか別に隠す事でもないので、キューちゃんの保護の話しを始めから全て天龍王アメデに説明するブリックリン。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




《ふむ・・・まあ、別段行為には問題が無いどころか、正しき良き行いじゃな・・・

そうか体内に蓄積していた黒龍王の魔力と加護が作用したのか。

しかしこんな事も起こるのじゃのぅ・・・》


やはり進化の眠り無しに竜種がノータイムで龍種への進化するなど天龍王アメデですら初めて見る超珍事だったのだ。


「「キューちゃん・・・アリーセちゃんの身体は大丈夫なのでしょうか?」」


《何とも言えぬが、もし問題が有ってもリールならば何とかするじゃろう。

・・・しかしな?名付けの件では黒龍王が怒らぬか?》


キューちゃん保護の話しを聞き、同意するのと同時にこれから起こり得る問題点を指摘するアメデ。


「「そうなんですよね~、どうしましょうか?」」


キューちゃんに名付けしようと張り切っていたラザフォード。

シーナ(ユグドラシル)が言わばそれを横取りした結果になってしまっている。


《黒龍王が怒ってシーナに対して武力に訴えるとは思わぬがフォローは必要じゃぞ?》

ラザフォードの性格からして怒って暴れるよりメッチャ落ち込む事が予想される。


黒龍王がウジウジとイジケモードに突入すると世界的にも悪影響が出そうなのだ。

例えば、陰険な闇属性の魔力流出によって闇属性の悪性魔物の大量発生とかも予想される。


そうならない為にもラザフォードの楽しい歌手活動を龍種達も長年に渡り全力でフォローしているのだ。


中にはコアでガチのラザフォードファンも居て、任務にかこ付けてマジでファン活動をしている奴も居るがそこら辺は見なかった事になっている。


「「割と世界の危機ですよね?」」


《・・・そこまで言わんが、名付けの機会を失った黒龍王が普通に可哀想じゃろ?》


色々あって結果的に自分の妻、天蒼龍シーナの名を使ってまで名付けをした可愛いシーナの眷属権を地龍王クライルスハイムに横から綺麗に持っていかれて寂しい思いをした天龍王アメデ。

ラザフォードの寂しい気持ちが理解出来るのだ。


意外と子供が大好きな天龍王なのである。

重大性は低いが頭を悩ませる気分的な問題の発生である。


「「それはそうとアメデ様、何か隠してますよね?」」


《ぬ?!》


ここからブリックリンがアメデに対してシーナ(ユグドラシル)についての追求を始めるのだが今回の企画に外れるので割愛します。

ここを書き始めると5万字を楽に超えそうなので・・・




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




同時刻、爆走中の地龍4人組。


ズドドドトドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!


「「きゃああああああ?!?!

お姉さん怖いですー!とっても、とぉーっても怖いですー!!」」


現在、超特急エレン号の速度は時速120km、樹龍アリーセは未知の速度感覚にマジビビリである。


「「急いで診察を受けないとダメです!まだまだ速度を上げますよ!」」


「「そんなぁーーー?!?!」」


更に加速する新幹線エレン号!後ろを走っているはずの普通列車シーナ号とガイエスブルク号の2人の姿は既に無い・・・エレンにブッちぎられてしまったのだ。


シュゴオオオオオオ!!と加速を続けるエレン号!


「「いやあああ?!?!とぉーっても怖いですぅーーーーーー!!!」」



・・・・・・・・・・・・・・・・・



キィイイイイイイイ!!!


瞬間最高速度180kmをマークしたエレン号がスカンディッチ伯爵領領都の終点「トムソン鍛治店」前に停車する


「「ひっくひっく・・・怖かったですぅ~」」シクシクと泣いているアリーセ。


「何をしておるんじゃエレンよ?万が一にでも人をはねたらどうするんじゃ?」


「あううう・・・すみません・・・」


泣いてるアリーセの横では何も考えないで街中を高速で爆走した事について地琰龍ノイミュンスターにこんこんと説教を食らっているエレン。


「高速で走るならサイレンを鳴らすのが良かろう」

いや!ノイミュンスターもかなりズレた事を言っている!


すると店内から白衣姿の天舞龍リールが出て来て、

「君がアリーセね!診察の準備が出来たよ、早速診察するよ!」とアリーセにおいでおいでをする。


するとアリーセは少し顔を引き攣らせて、

「「うう・・・お手柔らかにお願いしますぅ、リールちゃん」」

初対面のはずだが天舞龍リールの名前を知っているアリーセ。


「ん?君は私と会った事があったけ?いや?待ってよ~」

龍眼を使ってアリーセの魔力波動を見るリール。


「あれ?んん?んーーー?・・・おお?!なるほどなるほど、そう言う事ね!分かったわ」

龍眼でアリーセの正体を正確に見抜く天舞龍リール。


「はいはい、それなら余計にどこにも異常が無いか徹底的に調べようねアリーセ!」


「「きゃああああ?!徹底的はダメですぅ!」」

コンちゃん時代にリール先生には定期検診で何回も徹底的に診察された事を魂の奥底で覚えているアリーセが悲鳴を上げる。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そして診察が始まる。



「「ひゃん?!ああー?リールちゃん!そこダメですぅ!!」」


「ふむふむ、尻尾の付け根も特に問題無し・・・と」

クイクイと尻尾を持ち上げて付け根をスリスリするリール。


「はーい、仰向けに寝てねー」


「「リールちゃん!今度は何をするですか?!」」


「はいはい大丈夫、怖くない怖くない」


「「怖いと言うよりくすぐ・・・きゃああああああ?!?!」」

グリフォンの時には無かった羞恥心が芽生えたのか太股のスリスリされるのが物凄く恥ずかしく思えるアリーセ。


「お?!恥ずかしいとかの感情もちゃんと出ているね、よろしいよろしい」


「「何がよろしいですかぁ?!」」


「はーい、次は、背中からお尻の方を見るよ~」


「「ひゃん?!」」


3m以上ある龍の身体をコロンと片手で軽々と転がすリール。

人間の姿だが、純粋な腕力、つまり潜在的なパワーはアリーセの150倍以上有るのだ。

リール的には子猫の診察をしているのと同じ様なモノなのでアリーセに対抗手段は無い。


「「きゃあ?!おっ・・・お尻?!お尻はダメで・・・いやああああ?!」」


「はーいスリスリ」


情け容赦ないリール先生の診察が続き、アリーセはリールに身体中をくまなく徹底的にまさぐられるのだった。


リールが身体をまさぐるのは手から龍気を出してレントゲンの様に体内を透視しながら診察する為で別に百合属性とかは無い。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




「「うう・・・もうアリーセはお嫁さんになれません。

リールちゃんにお嫁さんとして貰ってもらうしかないです」」


「じゃあママと一緒にリールさんに養って頂きましょう!」


さっきようやくトムソン鍛治店に到着したシーナ(ユグドラシル)が妙な事を口走る。

とか思ったらシーナ(ユグドラシル)もリールに身体を散々にまさぐられた事があった。


「ん?良いよー、2人共今日から家に来るかい?」


「ふえええ?!」

シーナ(ユグドラシル)に顎クイをするリール。


「ええ?!良いんですかリールさん?!」何故か顔を赤くして本気になるエレン。


「エレンお姉さん、冗談だよ?」


「あはははは、そうだよ冗談に決まっているでしょエレン?

さてさて肝心の診察結果ですが・・・


何の問題も無い健康優良児!龍気の流れも良い感じだね。


でも、龍気にお父様(天龍王アメデ)の加護が少し混じっているのよね?

何でだろうね?何か心当たり無い?アリーセ?」


「「え??・・・多分・・・王様の魔力?あれ王様って誰です?」」

記憶は無いが王様は覚えてる不思議な感覚にうーん?うーん?頭を捻るアリーセ。


「王様?・・・うんうん分かった分かった。エリカの前世の残滓が入ったのね。

別に問題は無いから気にしないで加護は貰っておきなさい」


「「エリカちゃんって誰です?」」名前を聞いてもピンと来ないアリーセ。


「んーと?アリーセの前世での親分・・・かな?」

まともにエリカちゃんの説明すると長くなるので超ざっくばらんに説明するリール。


「「親分さん・・・王様・・・うう、思い出せない」」


「焦らずゆっくりと思い出すと良いよ、その内分かるわ」


自分で説明するのが面倒いのか断固説明を拒否るリール。

確かにまともに説明すると何万字行くか分からんので我も助かります。

ふふふ・・・このままエリカの話しを軽快に流そうと思っていたら・・・


「エリカって大魔王エリカの事ですか?」


南の大陸出身のエレンは、かつて南の大陸を席巻した大魔王エリカの事をさすがに知っていやがった!エレン貴様ぁ?!

どうでもいいがエレンとエリカってよく書き間違えるんだよな・・・


「えーと?確か凄く強い、「世界の裏に隠れた大魔王」だったかな?」


ガイエスブルク!貴様もか?!このままだと書かんといかんではないか!


ガイエスブルクも裏の世界を征服する寸前まで行った大魔王エリカの伝承を聞いた事がありやがったのだ!


仕方ないので魔王エリカの説明を始めるリール。


「単純な強さで言えば、「微妙」だったかな?エリカは智謀タイプだったからね。

戦闘力なら前世のアリーセの方が強かったと思うよ?」


「え?!アリーセちゃんの前世って?」

アリーセの前世が魔王クラスだと知り驚くエレン。


「魔王コンの事よ」


「えええ?!「天翔の白き鷲獅子の魔王コン」ですか?!」


「「何か厨二病満載の異名が出て来ました?!?!何ですかそれ?!」」


過去の恥ずかしい話しを盛大に暴露されるアリーセ!

記憶は無いが魂の奥底で「その異名はやめてぇー!」と悲鳴を上げる。


「天翔の白き鷲獅子」・・・言うまでもなくエリカが面白がって勝手に広めた異名だ。

いや、結構良い異名じゃね?カッコいいぜ!


「そうだね~、アリーセの前世はグリフォンの魔王だったのね。

それを影から操っていたのが大魔王エリカだったのよ」


正確には魔王の仕事をコンちゃんに押し付けてエリカが逃走して、コンちゃんにとっ捕まって裏方の仕事を強制的にやらされたと言うのが本当の所だ。

その仕返しに「天翔の白き鷲獅子」と言う異名を世界にばら撒いたのがエリカなのだ。


更にその仕返しにコンちゃんが「影の支配者、大魔王エリカ」の異名を世界にばら撒いたのだ。


何してんの?コイツら?


更に更に「自分達だけ不幸になるものか!」とエリカとコンちゃんが「銀翼の姫巫女イリス」の異名を世界にばら撒いたのだ。


全く自分に関係が無い話しなのに完全なとばっちりを食らったイリスである。


イリスが気が付いた時には「銀翼の姫巫女」の異名が世界に拡散されていた・・・

「イリス教」は勝手に作られるは、厨二病の異名は拡散されるは・・・これでよくぞグレなかったなアイツ、とか思っていたらグレてたなアイツ。


「「前世のアタシ、酷過ぎます?!」」これにはドン引きするアリーセ。


「これで死ぬまで仲が良かったから不思議だよね~」


「「前世のアタシは一体何をしてたですか?!」」


「これ以上の事は保護者が来ないと話せないね。

今の所はアリーセの身体には何の問題点も無いとだけ理解していれば良いと思うよ」


やっぱり長くなりそうで面倒くさいので事情を良く知る龍騎士隊イリスの誰かに丸投げする事にしたリール。


そしてこの時のリールは、前世でのエリカの残滓がアリーセに入っていると思っていた。


しかしまさか今世のラーナ姫の渾身のフルパワー魔力がシーナ(ユグドラシル)に入っていて一部がアリーセに流入したとは夢にも思っていない。


この時の読み違いが割と深刻な事態を引き起こすのだが、ここでは割愛します。


「ん?リールよ、保護者とは誰なのじゃ?名付け親のシーナではないのか?」


「アリーセの保護者は黒龍王ラザフォードよ。

シーナとも強い親子の繋がりが有るけど、基本的にアリーセは黒龍王ラザフォードの加護が第一よ、黒龍王の直系眷属になるわね」


「「アリーセは、ラザフォードお姉ちゃんの眷属なのですね?」」


「まあ、それはとても残念です」思わず演技を忘れるユグドラシルだった。


「なんと?黒龍王と樹龍とで属性相性的にどうなのじゃ?」

いかにノイミュンスターでも闇魔力や黒龍王の事柄の全てを知っている訳ではない。


「私も心配して徹底的に調べたけど問題無し!

黒龍王からの闇の魔力は純度の高い緑の魔力に変換されてアリーセに流れているわ。

ビックリだよね~、闇の魔力の新魔法理論の確立だよね~」


後に闇の魔力とは何なのか?と言う疑問は女神ハルモニアによって解明されるのだがここでは割愛します。

割愛部分がどうしても気になる人は「魔法世界の解説者・完全版」へGO!

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