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23話 「兎人族の街を見学」

キョロキョロと忙しく首を動かして物珍しげに街を見ているイリス。

周囲が岩山なので石作りの家が多い。


イリス的には家=木なので真四角の家が珍しく見てるだけで飽きない。


そんなイリスを見てトトが、

「そんなに珍しい?アタシはエルフの木の上の家とかに興味あるけどなぁ」

確かに浪漫の塊だよね。


「あっ、木の上にあった家は赤ちゃんの頃の私が寝ぼけて落っこちてから地上の家に引っ越しました」


「うええ?!それで大丈夫だったの君?」


「私は赤ちゃんだったので全然覚えて無いですが精霊のシルフェリアが助けてくれたそうです」


その時は・・・

「はっ!!何かイリスが落ちる予感がする!」と虫の知らせを聞いたシルフェリアが見に行くと直後にイリスが木の上のバルコニーから頭から落っこちた。


「きゃあああーー?!てえええいい!!」ボスン!


シルフェリアが咄嗟に自分の枝を伸ばして事なきを得たが、次の日には地上の家に引っ越したのでイリスが木の上の家に住んでた期間は短い。


と言うかほぼ記憶が無い


「今なら木の上の家でも大丈夫だと思うんです!」


「いえ、多分また落ちますわ」


「うん、私もそう思う」


「大丈夫だもん!」不貞腐れるイリス。

この出来事がシルフェリアのトラウマになってイリスが高い場所へ登るのを過剰に嫌がる様になったのだ。


上級魔法の「浮遊」を何より先に覚えさせたのもシルフェリアだった。

その「浮遊」で今日のイリスは助かったので大精霊の虫の知らせは予言と言って良いかも知れない。


「酒場の時間にはちょっと早いから夕方の市場を見に行く?

夕方の市場はどっちかと言うとお酒関係が多いけど」


目の前にはランタンで照らされた露天商が並んでいる。

確かに良い野菜とかの店は余り無い様に見える。


「はい!」


「もちろん行きますわ!」


「面白そう!」


イリスとラザフォードは単純な好奇心からだがシルフィーナは「お酒関係」のワードに反応したのは言うまでも無い。


「おっ!そこのお嬢さん達、人間?かな?珍しいね。

兎人族の果実酒は飲んだ事あるかい?試飲して見るか?」


「はいぃ!是非ともお願い致します!」


最初のお店の店主の策謀にまんまと掛かったシルフィーナが一直線にお店へ行ってしまう。親父見事!


コップで渡されたお酒は水色の珍しい色だった。


「あら?珍しい色ですわ?」


「だろう?俺が色々と発酵を調整して作ったブルーベリーのお酒だ」


「ほー、凄い!これで自然色なんだ?」ラザフォードも興味津々だ。


「味も良いんだぜ、飲んで見てくれよ」


店主に促されて一口、少し味わってさっきより大目に、最後にキューと行った。


「おお?お嬢さんイケる口だねぇ、お酒好きかい?」


「プハァア!これ凄い美味しいですわー!」


「買うかい?」


「買います!・・・あっ、これでも大丈夫かしら?」

シルフィーナは銀のインゴットを差し出す、すると店主は驚いて、

「多すぎるってお釣り出せねえよ!」と笑う。


「私が建て替えておきます!おじちゃんいくらですか?」


「エルフの金貨なら2枚だ」


「はい!」イリスは両親が持たせてくれたエルフ金貨を2枚店主に渡す。

すると「ほらよ」と3リッターほどの酒瓶が出て来た。


おおよそ2万円で3リッターなので高級酒の分類になる。

さっきシルフィーナ出した銀のインゴットは15万円ほどの価値だ。


シルフィーナは「もうちょっと欲しいです、インゴット分を全部」と顔に出てたが、

「すまねえな、量が作れない酒なんで、お一人様一本って決まってんだ」

そう言って店主に笑われた。


「ここの市場はこんな感じだよ」笑顔でトトが教えてくれた。


「なんて素晴らしい!ここに住みたいですわ!」


兎人族は別名「酒蔵の民」と呼ばれるくらい酒作りが上手く種族の主力産業なのだ。


今は南の大陸のみ認識されているが海運が盛んな時代になると爆発的な勢いで世界に兎人族のお酒が広まるのだ。


「でも、トトはお酒飲まないって」


「兎人族全員が呑兵衛って訳じゃないって」


まあ・・・お酒に弱いはずの精霊でも飲んだくれ精霊がここに居ますからね。


「マジックバックに入り切らないから程々に、買うなら後で」

そう幼児に注意されて一周見学だけして最後に気に入ったお酒だけ買おうと言う事になり市場を周り始めたイリス達一行。


すると市場中央の広場に精霊の銅像があった。

兎人族の守り神である雷の大精霊ペルクナスの銅像だ。


「ふわー!カッコイイ!」


「ええ?!イリスーー?!私は?私も大精霊よ!カッコイイわよ?!

確かにペルクナスは武の精霊だけど、私もそこそこよ?!」

なぜか張り合うシルフィーナ。


「え~?だってシルフィーナは家族だし・・・」


「あっ、そうでしたわ・・・」

そりゃ家族にカッコイイって言う者はあまりいないよね。


《フフフ、相変わらず、うるさいなぁシルフィーナは》

銅像が喋ったーー?!


《んん?!貴方は本物のペルクナスですの?何で銅像に入ってますの???》


《休んでいるんだよ、休息の眠りをしてたんだが・・・異変を感じて寝覚めた。

シルフィーナが南の大陸に居るって事はやはりユグドラシル様に何かが・・・

ここに居るのはその関係か?》


《残念ですがユグドラシル様に「刻」が来てしまいました。シルフェリア様も連座する事に・・・》


《そうか・・・これは世界が荒れそうだな》


《私はその為の準備に南の大陸へ参りました》


《了解した。俺はまだ休息が必要なのでその準備を任せても良いか?》


《しばらく南の大陸に滞在する予定なのでお任せあれ。

ウフフ♪でも古き友よ、貴方に会えて嬉しいですわ》


《フフフ、それは心強いな、いずれまた・・・・・・・・》


安心したのか雷精ペルクナスはまた休息の眠りへと落ちて行った。


こうして人知れず動乱の時代に備える精霊達だったのだ。

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