2話 「試練開始!」
私との精霊契約をする為に、それはそれは恐ろしい試練を受ける事になったイリス。
小さな体で握り拳で「ムン」と気合いを入れる姿がまた可愛いです。
「でも試練って何をするの?シルフェリア」
ふふふ、試練とは!それはですね・・・あっ、やべっ!何も考えて無かったわ~。
さ~てと、どんな恐ろしい試練を与えてやろうか?私は鬼だからね~。
うーん、・・・イリスに必要なのは知識?の試練から行くかな!
「先ずは学力の試練です!大精霊の契約主たる者、優れた知識が無いと話しになりませんからね」
「うん!分かった、イリスは本を読むの大好きなの!」
「え?ええ!では始めますよ!」
こうして語学から始まりイリスの学力の確認から始めます。
しかしイリスが本を読むのが大好きか・・・それは知らんかったな~。
・・・・・
・・・・
「はい!出来たよ!シルフェリア」
私が渡した語学のテストを渡すとスラスラと書いて渡してくるイリス。
「え~?ちょっと早くないかな?ちゃんと確認しないとダメよ?」
そう言いながら解答をチェックすると・・・
「あらまぁ、全問正解だわ」
「やったー!」両手を上げて大喜びのイリスです。
まぁ最初は簡単な所からだしね。次はそう簡単には行かぬぞ小娘よ!覚悟せよ!
私の試練は甘くは無いぞ!
「はい!出来たー!」
「全問正解!」
ほほう!やるなお主!これなら?!
「出来たよシルフェリア!」
「おお・・・全問正解!」
あれ?もしかしてこの子って凄い頭良い?教えるのが楽しくなって来たぞ?
「は~い!出来ました!」
「凄え!全問正解じゃん!」
テストを終えて語学に関しては問題ない、と言うか現在世界にある語学を大体全て暗記していた、しかも結構高難易度のレベルで。
本当に凄いわ!あらいやだわ!うちの子ってばもしかして天才?!
「本を読む為に勉強したの!」
ドヤ顔のイリス、うん!これはドヤ顔して良いわ!
まぁ・・・実際に会話が出来る出来ないかは語学とは違う才能が必要だけど。
「語学は良し!じゃあイリス、手をだして」
精霊契約に際して2人共に体調不良をなど起こさないか?
とかのチェックを今、済ましてしまいましょう。
「手?」イリスが不思議そうに差し出して来た小さなお手てを握ると、
ウニョミョミョニョ~と私の魔力を流してお互いの魔力を同調させて見る。
「くすくすくす、シルフェリアくすぐったいよ」
「ふむふむ、同調の相性は完璧に良い感じだね、契約するに問題無し!
って?あああああ???いやーん!」
イリスがふざけて自分の魔力を私に逆流させて来やがりましたよ!
これはヤバい!なんか凄く気持ち良いじゃないか!
なんちゅう事をしやがりますか?
ええ~い小娘よ!変な事に目覚めたらどうしてくれる!
危ない橋を渡る前に次の科目に行こう!そうしよう!
「次の試練は算数です!」
「さんすう?」
イリスは算数の事を知らない様子。
そりゃ森で生活してりゃ算数を覚える必要は無いよね、物物交換の自給自足だし。
でも魔法陣構築には計算は必要なので教えますよ。
こうして算数の授業を始めると・・・
「あっ、イリス解ったよ~、これはこうだ!」
あっと言う前に二次関数まで覚えてしまいました・・・いや~マジですか~。
さすがに二次関数以上になると私では役不足なんだよね、私も独学だし。
となれば数学の先生が必要か・・・う~ん・・・
まっ数学は保留だね!次行こ次。
「数学ってパズル見たいで楽しいね!」
あっ!そうかなるほど。
語学も数学も遊びと認識してるから覚えが早いのか。
そうかそうか、なればこの調子でもっと「遊び」を教えましょう。
いや!試練だった!
こうして一通りの科目の勉強を教えた結果は、基本的学力は問題無し!
と言うか・・・
天才的に頭が良いと判明。
私も精霊の中では長く生きてる方で年齢相応に物知りと言われているけど教師としては役不足なのでこれ以上は専門の講師が必要ですね。
先生か・・・んー?ド田舎だから難しいなぁ・・・
なんなら私がエルフの子供達の先生的なポジションだし、
これは私自身にも勉強が必要ですね!頑張ります。
「はい!これで学力の試練は終了です。問題無し!
おめでとうイリス、試練に合格です」
「わーい!やったー!」
うん?そう言えば私が相手してる間はイリスは奇行に走らんかったな。
もしや友達居なくて寂しいからの奇行だったかも?
この集落イリスと同年代の子居ないからな~、
イリスよりすぐ上の子は130歳だし、友達と言うよりお姉ちゃんだよね~。
と言うか元々エルフの同年代の子自体が少ないからなぁ、世界的に見ても。
なにせ長命種だから、子作りものんびりした物なのです。
今度テコ入れしてエルフ子作りキャンペーンでもして見るか?!
・・・いや絶対に怒られるからやめておこう。
それならいずれイリスを大きなエルフの集落に連れて行かにゃならんね!
大きな集落に行く前に人付き合いの仕方を教えましょう!
「次の試練は「人付き合い」のやり方です!」
「人付き合い?」
「そうです!いずれ出来るイリスの友達と付き合う為に必要な事ですよ」
「シルフェリアはイリスの友達じゃないの?」
シュンとしちゃったイリスが可愛いくて私の理性がまた崩壊してしまったのは言うまでもありません。
《あらあら、うふふふ、
何だかんだ言ってシルフェリアがイリスを1番甘やかしていますね~》
そんな事をユグドラシル様が思っているとは知らない私でした。