表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
189/266

62話 「投石はまだまだ続くよ!」

「これ、もっと丸くすれば落下速度と軌道が安定すんじゃね?」


「それだーーーーー!!!」「キュイ!キュイイイーーンン♪♪」


「削れ!削れーーーー!!」「グエエエ!クエーーー♪♪♪」


龍騎士達に抜かり無し!鍛冶屋さんから石工屋さんにジョブチェンジして石を綺麗に削り始める!


「まだ正式に許可降りて無いから!待ってーーー!!」

一生懸命に龍騎士を抑え様と頑張るイリスだが彼らは止まらない。

お咎め無し!と隊長イリスから聞いた龍騎士達は次の投石攻撃の改良に余念が無いのだ。


「見て見て!まん丸ーー!」「おおー!上手い!」「キュイキュイ!」


「石工屋に負けんな!鍛冶屋は鉄を叩けーー!」「おおーーー!!」


カーンカーン!!ガリガリガリ!!カーンカカァーン!!ガリガリガリ!

龍騎士隊イリスの駐屯地に鉄を叩き石を削る作業音が鳴り響く・・・どこの工場かな?


竜達もピストン輸送でグリプス王国から「岩」をたくさん採取、運搬して来ているのだ。

そうですか、竜達も楽しそうで何よりです。


ゴルド王国艦隊よ、震えて眠るが良い。

恐ろしいと思うのは、まだまだ本命の攻撃じゃない点だ。

龍騎士達に「練習相手」と認識されているゴルド王国艦隊。

この勢いだと多分、爆弾が揃う前にゴルド王国艦隊は潰走するんじゃね?


と思っていたらゴルド王国艦隊が怒り狂ってラーデンブルク公国の沿岸要塞に攻撃を仕掛けて来た!

よっぽどラーデンブルク公国の態度にムカついたらしい。


だが無策で突っ込んで行ったので新型兵器の250mm要塞砲の恰好の的になる。


「撃てーーー!!」

ドオーーーーーンン!!トゴオオーーーン!!ドオーーーーーンン!!

約150門の250mm砲が火を噴く!!!


ガアアアーーーンン!!スゴオオーーーンン!!ドオオオーーーンン!!

ラーデンブルク公国の要塞砲の一斉斉射で3隻の大型戦艦が爆沈する!!


龍騎士隊イリスの「なんちゃら爆撃」と違い威力が段違いだ!


「んなあ?!」

意気揚々と先行した大型戦艦3隻がいきなり轟音を立てて爆発して心臓が止まるくらい驚く艦隊の提督。


「回避!!回避しろーーー!!」

叫ぶ提督だが一旦進み始めた大型戦艦はそう簡単に転舵が出来ない、次々に要塞砲の射程内に侵入してしまう。


「あ・・・・」要塞から光が見えた提督。

スドオオオオオオオンンンン!!!提督が乗る大型戦艦は7発の砲弾を受け爆沈した。


ドオオオーーーンン!!ゴオオーーーンン!!ズドオーーーーンン!!

要塞砲の轟音が止む事は無い、的確な砲撃で次々に沈む大型戦艦。


口径が大き過ぎて小型艦にはクリティカルに命中はしないが近くの水面に着弾すれば小型艦はひっくり返り転覆して行くのだ。


「撤退!取り舵一杯ーーー!!」

指揮を受け継いだ後続艦隊の別の提督から全艦撤退を指示が出てそれ以上の被害は出なかったのだが、大型戦艦9隻爆沈、大型戦艦6隻大破(後に浸水で1隻沈没)小型艦14隻転覆、死者行方不明者、推定2800名以上。


龍騎士隊イリスの嫌がらせ攻撃が発端の戦いで、とんでもない大損害を出してしまうゴルド王国艦隊。


「報告です!正式に開戦したそうですよイリス隊長!!」


「よっしぁあーーー!!」「キュイイイーーンン♪♪♪」「グエエエーー♪♪」


正式に開戦して何故か大喜びの龍騎士隊イリス。


「ああうん・・・じゃあ・・・行く?」


勢いに圧倒された隊長イリスの出撃命令に、

ウオオオオオーーーーー!!!鬨の声を上げる龍騎士達。

さあ!投石のお時間だーーーー!!・・・・・・アホほど士気が高いなコイツら。


こうして大損害を受けて再編成中のゴルド王国艦隊に更なる試錬が訪れる。






「今回は絨毯投石はダメだからね!

ちゃんと爆撃手順を踏んで小隊毎に投下を開始します!」


先頭を飛ぶ隊長イリスから指示が飛ぶ、前回の様なノリ一発の投下では無く精密性と戦術を意識した投石になる。


「隊長!ゴルド艦隊発見!」


イリスが見ると雲下の海上には円状に転舵しているゴルド艦隊が見える。

こうして隊形を徐々に整えているのだ、そして残存艦数はまだ100隻以上は残っている。

侮ると手痛い目に合うだろう。


「いい?!敵の警戒は強い!油断していると攻撃魔法が飛んで来るよ!」

手負いの連中は射程外だろうと構わず攻撃魔法を撃ってくる可能性が大だ。

その点をイリスも充分に心得ているので先ずは一旦離れて風上を取りに行く。


「各小隊毎に最高速度で敵上空へ侵入!投石をしたら即撤退!!

攻撃後は北東15m地点で再集結!!」


先ずはイリスとガストンが率いる第1小隊57騎がゴルド艦隊上空1100mに侵入する。

100m上空なのは前回の攻撃で高度を測られてる可能性が高いからだ。

命中率は下がるが仕方ない、これは訓練でもあるからな。


「投下!」先ずはイリスとガストンが投石を行う。


それに続き第1小隊の龍騎士達も投下するがタイミングが微妙にずれる。


ヒューーーーーーン・・・・・・ゴン!ボチャーン!ボチャーン!トボーン!!


第一小隊の攻撃はイリスが落とした石が1発命中、他全弾ハズレ!


シルフィーナ率いる第2小隊の攻撃も全弾ハズレ!

やはり高度を100m上げたので偏差が難しい、今回はダメか?


それに対空砲の様に無数のファイアーアローが上空へと撃ち出されて来ている。


「うーん・・・」

無理せずに撤退かな?と思ったイリスだが対空魔法攻撃に晒されながらでも第3小隊が魅せる!


「投下!!」

先頭のロイの投下に合わせて素晴らしいタイミングで次々に投下して行く第3小隊!


ゴン!ゴン!ボチャーン!ドボーン!ゴン!ガン!バキイ!ゴンゴン!ドン!ドボーン!


「おお?!」次々に響く命中音に驚くイリス。


続くハドソン隊長が率いる第4小隊、「投下!!」ハドソン隊長に続き、

「投下!」「投下!」「投下!」

グリプス王国組みも見事なタイミングで投下を始める。


ゴン!ドン!メキメキ!ゴン!バキイ!メキメキメキメキ!!ドボーン!!ゴン!


55発中52発命中を叩き出して小型艦一隻が沈んで行く!お見事!!


どうやら本国組よりグリプス王国組の方が実戦投下経験が多く投下技術が高い様子だ。

第5小隊以降はゴルド艦隊怒りのファイアアロー攻撃が激しくなり上空へ退避して攻撃が出来なかった。


しかし敵の魔導士の魔力をゴッソリと奪ったので無駄にはなっていない。


「よし!訓練終了!駐屯地へ引き返します!」全隊員無傷で投下訓練終了だ。


本命爆撃の前に良い実戦経験が出来た龍騎士達イリスだったのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ