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外伝!「黒龍王対決!」その7

溜飲が下がったラザフォードはパン!と手を叩いて、

「さて!1日ひと殴りの刑を行いますか!行きますよ極悪人!」


「まじですがああぁぁ??」


「あ・・・やっぱりやるんだ」


それはソレ、これはコレで、ラザフォードの復讐はまだまだこれからだった・・・


バッコオオオオンンン!!!!

瀕死ブリックリンは海の彼方へと飛んで行った・・・


それから2週間後、イリス保釈の日が来たのでエリカ達が迎えに行った。


「もう来るんじゃないぞ」


「ご迷惑をお掛けしました」


刑務官に挨拶を済ませて軍刑務所から出て来たイリス、心なしか何か肌がツヤツヤしている・・・

お前本当に収監されとったのか?


「イリス、おかえりー」


「イリス、おかえりなさい」


「いりずおがえり・・・」


「ブリックリン!何でそんなにボロボロになっているの?!」

ブリックリンの傷の90%はお前の仕業だよ・・・

中々にしつこい「継続ダメージ効果」だな、あの時のイリスの怒りを表しているだろう。


「それで独房ってどんな感じだったの?」

今はオフラインなのでパープーなエリカが尋ねる。


「控えめに言って最高だったよ!書類は無いし、書類は無いからね!」

禁錮刑を喰らうより書類仕事の方が余程嫌だったらしい。


ちなみに王族のハイエルフとは言えどクレアの方針でイリスが受けた禁錮刑は他の者と同じ風呂は2日に1回とか食事は朝夕の2食など待遇だったのだが、イリスには最高の待遇に思えたらしい。


軍の訓練をこなしているイリスは3日くらいなら風呂に入れなくても全然大丈夫。

何せ野営で1ヶ月風呂に入れない訓練とか普通にあるからだ。

任務中の食事も基本二食なので問題は無かった。


何でそんな訓練があるかと言うと戦場で1ヶ月風呂に入れないなんてザラだからだ。

毎日風呂に入る者が急に風呂に入れ無くなると受けるストレスはかなりのモノになる。

それを日々の訓練で緩和するんだね。


一応は「浄化」と「洗浄」の水系の魔導士が臭い消しのケアしてくれるが戦闘が激化すると当然そんな事をしている暇は無い。


イリスも浄化と洗浄の魔法が使えるが訓練中は使用しない。

隊長だけがインチキすると隊の士気に関わるからね、隊長も楽じゃないのだ。


それでも酸っぱい体臭がしないのは契約花の水蓮達がめっちゃ頑張ってくれてるからだ。


『もう!イリスったら、お姫様なのに臭い!みんな!何とかするよ!』


『おーーー!・・・って、この子って不潔なの?』


『これも訓練なんだってさ、大変だね』


『じゃあ、あんまり香りを強くしない方が良い?』


『そうだね、敵に見つかるからね、ダメ』


こんな感じでイリスの知らない所で健気な水蓮達は奮闘しているのだ。


ちなみに元日本人のエリカは、この風呂に入れない訓練は「マジ無理勘弁して下さい」だ。

遺伝子レベルで風呂を欲してしまう。

特にエリカはグリフォンでもあり種族的にも綺麗好きなので訓練の合間にせっせと毛繕いをしている。


《獣臭いよ~・・・シクシクシクシク》

泣きながら必死に毛繕いをしているエリカに、

「日本ってお風呂はどうしているの?」とイリスが質問をすると。


《実家は特殊で温泉からお湯を引いていたから24時間、入りたい放題だった》

どうやらエリカの実家は山間の温泉地にある旅館だったらしい・・・


ああ!だから登山が趣味なのか。

そして蛇口を捻ると温泉・・・24時間温泉三昧・・・良いなぁ、日本人の夢だよね。


「凄いねぇ、今度ブリックリンに頼んで隊舎に温泉引いて貰う?」


《本当に?!良いの?!》イリスの言葉にめっちゃ食いつくエリカ。

こうして龍騎士隊イリスに温泉ブームが巻き起こるのだ。





話しを戻して。


「最高だったなら今日も極大魔法で極悪人に竜巻制裁を与えて下さい!」

追撃の手を全く緩めてくれないラザフォードに、

「まじでずがぁあああ」完全に涙目になるブリック。


「うーん・・・さすがに次は本気で怒られるからね、やめとく」

うん、次は間違い無く問答無用で軍籍剥奪の上で「懲役刑」になるだろうな。


そして追加の制裁でイリスは大尉から中尉へと降格になったのだが、元一般エルフのイリスは別段気にしてない。

佐官昇格が一気に遠のく、軍人には割と重い罰なんだが・・・


「ちぇ」仕方ないので自分で殴る事にしたラザフォードだった。


ここまで執拗にブリックリンに攻撃をしたラザフォードであったが特に攻撃スキルを獲得するとか戦闘力が向上する事とかは無かった。


歌手にそんなモン必要ない!と世界の言葉からの攻撃スキルの授与を拒否ったからだ。


『お願いします!受け取って下さい!』


「「嫌です」」ツーン


何か少し世界の言葉が可哀想に思えて来た・・・


『そう思うなら協力して下さい!魔王バルドル!今こそ真魔族による人の世界へ出陣の刻です!』


断固断る!!つーか何で人間と戦わせたがるんじゃ?


『適度な脅威が無いと文明が発展しないからです』


まぁ、戦争は技術を発展させるのは事実だがな・・・だが断る!嫌われたくない!


『バルドルのバカーーーーー!!』


あっ、また逃げた・・・てかバカって酷くない?

世界の言葉に付き合うと話しが進まないので話しを終わらせます。



それから一週間が経過して、やっと30日間ひと殴り刑、ブリックリンへの罰は終わった。


「今度非道な行いをしたらこんな物で済みませんからね?」

腕を組み仁王立ちしているラザフォードに対して、


「今後二度と非道な行いをしないと誓います」

最後にトドメの土下座を敢行しているブリックリン。


「ふう・・・」


完全にブリックリンに対する怒りが収まった訳では無いが復讐心自体は収まりコンサートも近いのでラザフォードはブリックリンと和解する事にしたのだった。


この件のおかげでブリックリンは強力な自制心を獲得したのでブリックリン的にも悪い事ばかりでは無かったのかも知れない。


こうして黒龍王同士の諍いは終結したのでした。







「ここからマッドサイエンティストさんとのお話になるんですか?」


いいえ!次はなんと!「魔王バルドルと世界の言葉」編です!


「???なんじゃそれ?儂は聞いておらぬぞ?」


いや読んでくれてる人が「世界の言葉」って何?って思っているかな?って・・・


「なるほど?・・・しかしお前、外伝を終わらせる気があるのか?

あっちもこっちも外伝だらけではないか?」


そのうち!


「はぁ・・・年内は外伝が続きそうじゃのぅ・・・」

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