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外伝!「黒龍王対決!」その6

「はあーーー・・・スッキリしました!」


「ぞうでずが・・・ぞれはなにより・・・グオオ?」


パタリ・・・・・・・返事が無い・・・ブリックリンは死亡した模様だ。


仕事を邪魔された怒りから、まさかの勇者覚醒を果たしたイリスが極大魔法をブッ放して不届者のブリックリンは直撃を喰らい瀕死の重傷を負った。


いや何でそんな事で勇者覚醒するじゃい!

と思ってたら軍法会議中にクレアがイリスの弁護に訪れたイリスの両親にこの勇者の件を問い詰めたら、産まれた時からイリスのジョブは勇者だった事が判明した。


産まれた時から勇者か、そりゃ凄えな。


可愛い我が子が戦いに利用されるのが嫌で両親がシルフェリアにも言わずに今まで、ひた隠しにしていたのだが今回の事件でバレたのだね。


理由が子を思っての理由だしユグドラシルの森に在住していた時の話しなので特に両親にはお咎めとかは無かった。


両親はイリスにも隠していたがイリスは自分が勇者だと言う事を「世界の言葉」から聞いて知っていたとの事。

世界の言葉・・・アイツどこにでも現れるな?どんだけ暇なんだろな?


話しを聞いたイリス的には勇者とか割とどうでも良い事だったので今まで気にも止めていなかったらしい。


『ガアアアンン??!!』


毎回思うんだが「世界の言葉」って人選とかの才能が皆無だよな・・・


!!!ああー・・・そうかぁ儂、解っちゃったよ。

龍騎士隊イリスって「世界の言葉」によって選ばれた者達の集まりだ。


「世界の言葉」から各々に因果を与えられていたから、龍騎士隊イリスのメンバーの出会いは世界の必然だったって訳だ。


本来は勇者と魔王、敵味方に分かれるはずが、どいつもこいつも「世界の言葉」の言う事を全く聞かないで戦う前に最初から友達、仲間になっちゃったんだ。


そうか・・・世界の言葉よ・・・・・・・・・・・ドンマイ。


『シクシクシクシク・・・・・・・ありがとう、魔王バルドル・・・

っていや!アンタだけには言われたくない!私の言う事を聞かない筆頭め!

アンタが長年に渡り魔王の役目を果たさないから面倒な事になってんのよ!!

世界の解説なんてしてないで魔王をやりなさいよ!』


嫌だね。

それから世界の解説は失当、そこまで世界を熟知してませーん。

儂は趣味で気に行った奴のナレーションをしているだけの、なんちゃら魔王でーす。


大体からしてだな?そんな手あたり次第に大した理由も無く人間を殺す役目なんて果たす訳ないじゃん?


誰だって嫌われるより好かれたいじゃん?楽しく行きたいじゃん?

そんな当たり前の事が分からないから君はダメなのだよ。


『きぃーーーーーーーーーーー!!!!』


そうやって煽られたなら、すぐに過剰に反応する所を改善する事が人心を得る第一歩であろう。


『あうあうあう・・・・・・バルドルのバカァーーーー!!』


あ・・・逃げた・・・これはしたり、言い過ぎたか?






ま・・・まあ・・・得体の知れん世界の言葉はほっといて話しを戻そう。

つか世界の言葉、アイツ女だったんか・・・そっちの方が驚きなのじゃが・・・


はっ!!いかん!

この話が「黒龍王対決の最終話」の予定だったのに世界の言葉の乱入のせいで文字数が大幅にオーバーしてしまう?!これはもう1話続きそうじゃな・・・




グッタリと死んでるブリックリンにラザフォードが話し掛ける。


「どうですか?少しは弱い者の気持ちは分かりましたか?

アナタは長年、こんな酷い事をしていたのですよ?」


「もうじゅうぶんみにじめでおりまず・・・」

気合いで起きあがろとするブリックリンだが、足がガクガクだ。


全身の傷のせいで身体に力が入らずラザフォードの前でリアルで四つん這いになっている。

その情け無い姿を見てラザフォードの溜飲もかなり下がった様子だ。


イリスのぶっ放した「アーク・トルネード・ブラスト」には「継続ダメージ」と「精神体攻撃」の特殊効果が付与されていたので地龍と言えど簡単には治らない。

これは三龍王にエルフでも上位龍種を倒せる証拠を見せ付けた歴史的快挙である。


しかし快挙は快挙、軍法違反は軍法違反なのでイリスは、軍施設内での極大魔法の使用と他国の観戦武官への暴行の罪により禁錮2週間を喰らい独房入りになった。

まぁ本人には良い休暇になるだろうな。


そして事件の元凶であるエリカは、無表情のまま「私は何も知りません」と、しらを切り通してシレッと追求を逃れた。


無表情って良いね!


「師匠!お見事でした!この極悪人にも良い薬になったでしょう」

キャッキャしながら四つん這いのブリックリンの背中を足でグリグリしているラザフォード。


中々酷い追撃ではあるがラザフォードが旧黒龍王から受けた非道に比べると大した事では無い。


ぶっちゃけブリックリンを殺さないだけラザフォードは、お人好しと言えるだろう。


「そ・・・そうですか?お役に立ち何よりです・・・」

イリスの極大魔法発射はエリカにも予想外で今だにドン引きしているのだ。

顔は無表情だが声は上擦っている。


「悪い事をすると必ず報いを受けます!分かりましたか?極悪人さん」


「ぎもにめいじまずうううう・・・」


こうしてラザフォードのブリックリンへの復讐劇は幕を閉じた。

結局の所は「仲間が一番ブリックリンにダメージを与える事が出来る」と言う結果に終わったのだ。










約1000年後の「魔法世界の解説者」の世界線にて。


「パパ、かあいそう~」ナデナデ


「ありがとう~リリーアンナ~」グリグリグリ


「あの極悪人がこんな可愛い女の子の子煩悩な父親になるなんてね~」


「・・・ラザフォードさんは今でもアタシの夫を恨んでいるのですか?

・・・ブリックリンは?ラザフォードさんを恨んでいる?」


「あまりにも昔の事過ぎてもう恨みなんて完全に忘れてるわよ?

そう言えばリリーさんは?」


「義母は義父と世界旅行中です。

俺も当時の記憶が大分薄れているね、ああ~・・・そう言えばって感じだね。

それに今は、エレンとリリーアンナの事以外は考えて無いね」


「そっかぁ、良かったぁ~」


1000年後の世界で黒龍王同士の再戦は無かったのでした。



あっ!まだ話しは続きますよ。

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