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外伝!「黒龍王ラザフォードとマッドサイエンティスト」その16

「「え?!夫婦・・・ですか??」」


「そうだよ」


「そうっす」


ブルクントとリリーが実は夫婦だったとし知り珍しく怪訝な表情のラザフォード。

今は黒龍の姿なので眉間に皺が寄ると・・・滅茶苦茶!顔怖えぇ・・・


ラザフォードは地龍の考えや習性をよく知らなくて・・・いや知っていてもあれは酷い。

この表情も当然だと言えよう。


二人が放つ傍迷惑な酷い金切り騒音に逃げ出したが、リリーを置いて完全に逃げる訳も無く少し離れた場所から様子を伺っていたのだが状況が全く理解出来ないのだ。


ラザフォードには何か・・・戦っていた二人が突然抱き合った様にしか見えなかったのだ。


「「えーと?・・・・夫婦なのに本気で戦っていたと言う事ですか?」」


「そうだよ」


「そうっす」


「「・・・・・・・・・ええ~?・・・・どう言う事です?意味分かりません。

すみませんが説明して頂けます?ちょっと納得出来ません」


ほとんど話し合わずに出会い頭にいきなり戦う夫婦・・・

常識人のラザフォードの理解を軽く超えてる奇怪な現象に対して詳しい説明を二人に求めるラザフォード。


そりゃ当然だね!


「「そうだな・・・「ピアツェンツェア王国の国王にムカついたから一発殴りに同行して来たら案の定ストレスでイライラしている妻が黒龍と現れたから発散させるのを手伝った」

って感じだな」


「それなら納得っす。ブルクントの頭が正常で安心したっす」


「「いや全然説明になってませんよ?リリーさんも同意しないで下さい。

色々と端折り過ぎです要約し過ぎですよ?

質問を変えましょうか結局の所でブルクントさんは敵なんですか?味方なんですか?」」


「ピアツェンツア王国の国王とは敵、リリーとリリーの仲間とは味方かな?」


「「・・・・・・・何で国王さんの事がそんなに嫌いなんですか?」」


「奴が「変態」だからだな、だって奴って訳が分からんだろ?

ついでに言えば奴のお守りせいでリリーが休み無しで長期間勤務に駆り出されて家に帰って来ないしな。

地龍王の人の使い方も気に入らねえ、長期間勤務なら普通交代要員くらい付けるだろ?」


つまり嫌いな奴のせいで妻が仕事から全然家に帰って来ないのが心配で見に行くついでに原因になってる嫌いな奴を殴って妻の労働環境について上司に抗議しに来たと・・・


あれ?意外と筋が通ってる?


「「・・・・・・・それなら事前に地龍王さんに抗議とかされては?」」


「そこはコーレンス王国に陽動も兼ねていたからな。

だって奴らって自分勝手過ぎるだろ?俺は嫌いなんだよ自分勝手な奴って。

奴らが王都襲撃を企てていると聞いてな、ついでだったから痛い目に合わせてやろうと海龍達と組んでハメてやったんだよ」


つまり今回の侵攻はブルグントが嫌いな自分勝手なコーレンス王国にお仕置きする為に罠に嵌めてやろうと、敢えて侵攻を誘発させて海龍達と共謀して連中をデスゾーンに誘い込んだと?

あれ?何かまともな事言ってる?


案外ブルグントはまとも?なのか??


「「・・・・・・・なるほど・・・いきなりの襲撃の原因は分かりました。

でも何でリリーさんと本気で戦う必要があったんですか?

魔力発散なら他にやり方がある様に思いますけど?」」


「そこは地龍なんでな、戦うのは仕方ないんだよ」


「仕方ないっす」


「「そ・・・そうなんですね?」」


語るのは拳で!!の精神モロ出しの地龍にドン引きしているラザフォード。

結果的にそれで敵味方の死者がゼロなのでこれ以上の苦言は言えないのだ。


ちなみに気絶しているコーレンス王国軍は後続の人間達の部隊の手によって漏れなく全員捕虜になっている。


政治目的で無く明確に略奪目的で侵攻して来たので捕虜交換等で解放されるとかの配慮は無くておそらく彼らは犯罪奴隷扱いになるだろう。


隷属の魔法を掛けられて炭鉱とか炭鉱とか炭鉱とかでの労働力としてこき使われるだろう。


そして4000人の主力兵力を一気に失ったコーレンス王国は間違い無く窮地に追い込まれるだろう。


略奪国家のコーレンス王国の敵はピアツェンツア王国だけでは無いからだ。

結果的にコーレンス王国に恨みを抱く略奪の被害に合っていた連合国家に3ヶ月と掛からずにコーレンス王国は地図から消える事になる。


そして王侯貴族達は生かされて炭鉱で働かされる事になるのだ。

炭鉱が好きだね皆んな!


「あ!ヤバいです時間がないっす!とりあえず急いで宿屋へ帰るっすよラザフォード。

お風呂入ってお化粧をするっすよ!公演参加者は10時に会場入りっすよ」


「「あ・・・はい」」


「んー?じゃあ俺は海龍達の所へ行って来るわ」


「はい、またね」


「「え~?」」


そう言って3秒前までイチャイチャしていたのにアッサリと別れたブルグントとリリー、

こう言う地龍独特の行動もラザフォードには理解が出来なくて困惑するのだ。


王都市街に帰って来たら住民は朝食の準備や仕事の準備に忙しく動いていた。


「あの変な音・・・何だったんだ?」


「お陰で1時間も早く叩き起こされたよ・・・全く」


「何でも木材の伐採作業らしかったぞ?」


「朝は勘弁して欲しいわね~」


ブルグントとリリーの戦う音は市街にも鳴り響いたのだが海龍達の情報操作で工事音として処理されて市民達はコーレンス王国が攻めて来た事すら知らなかった。


ちなみに国の最高責任者の国王は縄でグルグル巻きにされて転がされていたのでマジで何一つ侵攻への対策の仕事をしていない。


国王要らねぇじゃん!


部屋に戻ったラザフォードは早速またリリーに全裸にされ風呂にぶち込まれる。

もうリリーが女性だと知っているのでされるがままになっている。


「お風呂くらい自分で入れるんだけどな~」


リリーに黒髪を洗われながら恥ずかしげにぼやくラザフォード。


「いいから、いいから。気持ち良いでしょ?」


「ええ、それはもう」


リリーの洗髪テクニックは絶品なのだ。

そしてリリーが動く度に背中に当たる柔らかくデカい何かのブツ・・・


「うう・・・」思わず自分の貧相な胸にあるブツを思わず押さえるラザフォード。

前世でも立派とは言えなかったブツに少しコンプレックスを持っていたのだ。


少しガラスの心にダメージを受けたラザフォードだがスッキリと準備を終わらせて会場入りをしたのだった。









「ん?あれー?」


「どしたのシーナ?」


「エレンさんのお母さんって普通の話し方でしたよね?

・・・・・っす。とか言わなかったと思うんですけど?」


「ああ・・・多分、アタシがお母さんの話し方を真似するから止めたんだと思うよ?

朧気にお母さんが「お願いだからその話し方は止めるっすよエレン」って涙目でお願いされた記憶があるわ」

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