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外伝!「黒龍ラザフォードとマッドサイエンティスト」その12

結局、国王との謁見は中止になったが宰相とは謁見したラザフォード。

50歳代のナイスミドルで落ち着いた感じの好印象しか受けない人物であった。


この宰相さんの正体は「海渦龍レヴィアタン」と言う。

マジガチの神龍である、日本だと「リヴァイアサン」と言えば分かり易いだろうか。


そして海龍王アメリアの叔父さんで海星龍ジャコブの大叔父さんである。

2万年に渡り「海龍王」を務め、「龍種にも世代交代が必要」とアメリアに地位を譲り現在は海龍王アメリアの側近である。


「なんて素敵な叔父様・・・」完全に目がハートのラザフォード。

そう・・・芸名から分かる通りラザフォードは「渋い叔父様が大好き」なのだ。


「・・・・・・・これ、レヴィアタン様が普通に王様役で良くないっすか?

絶対に海龍は人選を間違えてるっす」


そうなのです。

この第一期ピアツェンツア王国は中央大陸の動乱を軽減させる為に海龍主導で建国した仮想国家なのですね。

オブザーバーとして銀髪少女が地龍側より派遣されていると言うのが真実なのですよ。


「それはそうなんだけど・・・

今回の事業、一応これアメリア様の命令でジャコブ様の王太子の勉強の一環でもあるのよね・・・

で無ければ、この子が王様役になんてなれる訳ないのよ・・・真正の愚か者だから」


「そうなんですか?大変っすね、真正の愚か者の相手をするのも」


楽しそうに談笑する黒龍王ラザフォードと海渦龍レヴィアタンとの謁見の様子を扉の影からコッソリと見て海星龍ジャコブをディスりまくる役人さんと銀髪少女。


その二人の足元には猿轡を噛まされて魔封じのロープでグルグル巻きの芋虫状態のジャコブが転がる。


とりあえず足元の変態をゲシゲシと蹴っ飛ばしておく二人。


「ふいはぁほほほーひはあひいふぁーふ(追加のご褒美ありあーす)」

遂に正体を隠さなくなったド変態であった。


バッタモンの王様では無く、真の王様との謁見を無事に終えて本格的に御前コンサートの準備に移るラザフォード。

勿論当日はジャコブは芋虫にして垂れ幕の中に転がす予定だ。

連続のご褒美確定良かったねジャコブ君!


龍種(神々)の間でそんなアホなやり取りが行われていたとは知らずに今日の王都は取り敢えずは平和でした。


そして御前コンサートの2日前に遂にこの世界に合わせた歌詞の翻訳を終える。

コンセプトは「二人の少女の葛藤」だ。


二人の少女の栄光から転落を吟遊詩的に書き上げたつもりだ!

いやマジでそれで良いのか?ラザフォード?ハッキリ言って何から何まで間違えていると思うぞ?


しかし恋は盲目とは良く言ったモノだ。


「おおー!なるほど!ようやく歌詞が理解出来ました!素晴らしい!」

「イリス!可哀想に!」

「ところで「じえっとこうすたぁ」って何だ?」

「きゃー♪姉御♪カッコいい!!」

「姉御はやめて下さい!」

「これ悪いの全部エリカだよな?」

「えっ?!天舞龍様の事を勝手に歌っても大丈夫なのか?」

「あの方も歌が好きだから大丈夫じゃね?」

「予知夢のままに書いたけど天舞龍って誰ですか?」

「天龍王の娘さん」

「へえ~、そうなんだ」

「とにかくこれで御前コンサートはバッチリだぜ!」


これはリハーサルでスタッフのみに初公開した時の反応だ。


いや頭大丈夫か?!スタッフの諸君!君達はこの歌詞が何か妙だとは思わぬか?!

ロックに対して風評被害が出るレベルで何かがおかしいのだよ。


スタッフ達は歌詞の内容より、やっと自分達にも歌詞の内容が理解出来た事の方が重要な様子やね


ちなみにこの時点では歌詞の中に出て来る二人の少女は、まだこの世界には産まれていない。


黒龍ラザフォードには「予知夢」の特殊スキルがあり多少未来に起こる事象を予知してこの歌詞が産まれた。


この物語だけで無くシリーズ全体の時系列が飛びまくるので良く分からん!

このラザフォード編はエルフのイリスが産まれる100年程前だと思って下さい。

グリフォンのエリカもまだ地球でも産まれてもいません。


《ちゃんとシリーズ全体の年表を公開した方が良いかのう?》


うん・・・その方が良いと思うよ?それで公開はいつですか?明日ですか?

これで変態の仕事がまた増えるね!無駄に風呂敷広げるからだ!ざまぁ!

それでいつ本編の外伝は話しが進むのですか?そろそろ1ヶ月放置してますが?

エロい方の後編もいつ公開するんですか?

早く書け!ほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほら。


《めっちゃ煽り倒されてる・・・》


年表公開を楽しみにしつつ話しを進めましょう。


御前コンサートは王宮広場(整備中)を全て使い観客1万人程を想定している。

この世界においては前代未聞の大規模な娯楽の集まりである。


「うわぁ・・・何も無いねぇ・・・」

整備中の王宮広場は見た目の感じは、荒れた広い原っぱでラザフォードはデビューしたての頃に参加したコーアチェラ・バレーで行われた全米ロックフェスを思い出した。


ラザフォードは前座も前座、パンフレットにも「虫眼鏡が必要?!」と思ったくらい小さく名前が書かれていた。


ラザフォードのステージはそれなりには盛り上がり「参加出来ただけ上出来!」とは思わず単純にメインステージに上がれなくて「悔しい!」と思ったラザフォードは名前を売る為にアメリア全土をアルバイトをしながら周り、各州のライブハウス巡業を行いジリジリとビルボードで上に上がっていったのだ。


「あの頃に比べると上出来だよね」ラザフォードは改めて気合いを入れるのだった。

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