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外伝!「黒龍ラザフォードとマッドサイエンティスト」その11

朝に話しを聞いて正午に謁見の爆弾スケジュールで国王との謁見に臨むラザフォード。

話しが早過ぎて考える暇が無く、気が付けば国王の間にドレス姿で立っていたのだ。


実は謁見自体は一週間以上前から決まっていてドレスやらの準備が進んでいたのだ。

間を空けるとラザフォードが緊張するだろうとの役人さんと銀髪少女の配慮である。


《はっ?!そう言えば、あの子に全裸を見られた?!》

ラザフォードは認識阻害魔法をモロに食らっているので銀髪少女事を16歳くらいの男の子だと思っている。

そして役人さんの事は普通に女性だと認識している。


そして所変わり出番待ちの国王の控室。


「ジャコブ様良いですね?黒龍王に変態行為をしたら問答無用で本気でブッ飛ばしますよ?」

役人さんに両手で襟首を掴まれてオラつかれている国王。


「これで黒龍王が敵になるなんて事になったら・・・

どうなるか分かってますよね?ジャコフ様?地龍も黙って無いっすよ?」


ゲ銀髪少女にもオラつかれてゲシゲシと足を蹴られている国王・・・

いやアンタ!この二人にいじめられてるんかい?!


「はははは、イヤイヤ、駄目だよ二人共・・・それだとジャコブ様を喜ばすだけだからね」満を持して登場する宰相さん、国王に近づき耳元で、

「・・・妙な事を黒龍王にしたらアメリア様にチクリます」と囁く。


すると今まで恍惚な表情だった国王の顔が一気に青ざめて行く。

「ママンにチクるのだけは御勘弁を!!」と半泣きになって宰相さん縋り付く国王。


「ジャコブ様が変態な事をしないければ良いんすよ!!」


「な・・・何故じゃ?!何故、儂だけがイジメられるのじゃ?!」


「ジャコブ様が黒龍王が街に到着した瞬間にコンタクトを取ろうとしたからですよ!

言ってみさい?!何が目的で黒龍王にコンタクトを取ろうとしたのか?!

絶対に碌でも無い理由なのでしょう?!」


あくまで自分の非を認め様としないジャコブに遂にブチ切れた役人さん。


「んな?!碌でも無い理由では断じて無いぞ?!

儂は念願だった「獄炎」ブレスを食らって見たかっただけなのじゃ!」


「そう言うのを「碌でも無い事」って言うのよ!この!幾つになっても愚か者め!」


「ひっ・・・酷いのじゃ!師匠よ!」


何と!役人さんは国王の師匠さんだったのだ!

・・・・・・・・・・・・・・・・いや・・・マジでどうでも良い情報だな。


「・・・・・・・・・もうこの人黒龍王に焼き尽くして貰ったの方が良いっすね」


「はははは、いやいや駄目ですよリリー、黒龍王に迷惑になるだけですから」


「それもそうっすね」


「はぁ・・・どうせ・・・この子は黒龍王に焼き尽くされても1年もあれば復活しますから物理攻撃は意味がないですよ」

深い溜め息を吐く役人さん・・・長年の苦労が偲ばれる。


「なんでこの人不死身なんっすか?」


「この子の「精神生命体の核」が惑星外にあるからよ・・・

宇宙空間にある核を破壊しない事には地上での肉体は滅びる事はないのよ。

だから「海星龍ジャコブ」なのよ」


「はー・・・何から何まで「変態」なんすねぇ。非常識っす」


何でこんな事態になったかと言うとジャコブが幼少期の時、フル○ンで海龍の女性文官達を追いかけ回していたのを母の海龍王アメリアが見つけて・・・マジ切れした。


アメリアがジャコブを折檻しようとブレスをぶっ放したら、怒りの余り威力があり過ぎて宇宙空間にまでジャコブをぶっ飛ばしてしまった。


ぶっ飛ばされたジャコブはたまたま惑星付近を通過中の彗星に激突してしまい、あろう事かその彗星と同化してしまう。


大慌ての海龍王アメリアはジャコブの精神生命体を自分の手元に転移させたが精神生命体の核だけは彗星と共に宇宙空間に消えてしまったのだった・・・

つまりここに居るジャコブは分身体の様な存在なのだ。


「だからその彗星が再接近する7500年後まで、この子は不死身なのよ」


「タチが悪いっす!最悪っす!アメリア様は何をやってんっすか!」

ジャコブの秘密と経緯を知りドン引きな銀髪の地龍少女リリー。

この銀髪地龍少女リリーは後の世に登場するエレンお姉さんの母親である。


「ジャコブ様が本気を出したら世界征服も出来るだろうね」


確かに不死身の上位龍種・・・タチが悪過ぎる!!最悪だぁ!

唯一の救いは、海星龍ジャコブは攻撃力がかなりイマイチな点だろう。

その代わり防御力がアホ程高いのだが・・・


「世界征服なんかより儂は「獄炎」のブレスを食らって見たいのじゃ!」

まぁ・・・ジャコブはこの様に徹頭徹尾アホなので世界征服とか大丈夫じゃろうな。


「何で「獄炎」のブレスなんかに拘るんっすか?」


「そうか・・・その訳を聞きたいか・・・」


「いえ、少し疑問なだけでそこまで聞きたく無いっす」


「そう・・・あれは500年前の事・・・」


「聞きたく無いっての!もう謁見まで時間が無いのに語り始めたっす!この変態!」


そこからジャコブは語り出したが・・・マジでしょうも無い話しだった・・・

無駄に長かったジャコブの自分語りの全文を書くと面倒くさいので要約します。


先ず、500年程前に朝の散歩でジャコブが歩いていたら、たまたま空を飛ぶ黒龍王を見つけた。

噂では黒龍王は、かなりキッツイ「獄炎」のブレスを吐くとの事だ。


「是非とも食らって見たいのぅ・・・」ジャコブはそう思った。

ジャコブは痛みを快感に感じるマゾのド変態なので黒龍王の「獄炎」のブレスに滅茶苦茶興味が湧いた。


そして血迷ったジャコブは、

「黒龍王ーーーーー!!儂にブレスを撃ってくれーーーい!!」

そう叫びながらジャコブは黒龍王に走って突進した?!


すると黒龍王は「アギャアアアアア???!!!」と悲鳴を上げて超音速でその場から逃げ去ったのだ!!


「ああーー??!!何故じゃあああああ??!!!黒龍王ーーーーーー!!!」

取り残されたジャコブの慟哭だけが周囲に広がったのだ。




話しは以上です。




さてでは、この話しを少し検証して見ましょう。

先ず黒龍王的が何故悲鳴を上げて逃げ出したかを考えましょう・・・


ある朝、道を歩いていたら正面から見知らぬ身長2m超えの大男が歩いて来ました。

そしてその大男が突如として!「俺を殴ってくれーー!!」と叫びながら自分目掛けて突進して来ました。

うん!誰でも逃げるね!簡単だね!




この話しを聞いた人達の反応です。


「聞いて損したっす!最低っす!」


「黒龍王・・・可哀想に・・・」


「これは黒龍王もトラウマ物ですなぁ・・・」


この時の前黒龍王が受けたトラウマもラザフォードはしっかりと受け継いでいるので初対面のはずのジャコブを見て悲鳴を上げて逃げ出したのだ。


「あれ?これって黒龍王とジャコブ様が謁見したら不味くないっすか?」


「これは・・・不味いわね・・・

間違い無く黒龍王は私達に不信感を抱くわね・・・」


「そうですね・・・謁見は中止ですなぁ」


はい!黒龍ラザフォードとピアツェンツェア王国国王との謁見は中止!


急遽役人さんから謁見中止がラザフォードに伝えられてメッチャ「ほっ」としたラザフォードだったのでした。







「何故じゃあああ??!!黒龍王ーーーー?!」


「アンタが悪いのよ!!!」


この先も黒龍王ラザフォードと海星龍ジャコブが遭遇するのを周囲の者が全力で阻止し続けたのでした。









「・・・・・・・おい、変態作者よ」


へい!なんざんしょ?


「タイトルにある「マッドサイエンティスト」には一体何時になったら辿り着くのじゃ?

確か物語の根幹にも影響している結構大事な話しのはずじゃが?」


・・・・・・・・・・・その内??


「年内には辿り着くんじゃろうな?」


・・・・・・・・・・・多分?


「ラザフォード編・・・長くなりそうじゃのぅ・・・」

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