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外伝!「黒龍ラザフォードとマッドサイエンティスト)その3

黒龍の呪いで勝手に後継者にされてしまったラザフォード。

今日も今日とて世界の言葉が黒龍の役割を果たす様に彼女の説得を試みて来る。


『お願いします!世界を破壊をして下さい!』


「「嫌です」」


もういい加減毎日の様に相手をさせられて面倒臭くなったのかラザフォードの対応がとにかく冷たい。


最初の頃こそ感情的に長文で反論していたが2ヶ月も経つ頃には一言二言しか言葉を返してくれないのだ。


「「はあ・・・・そもそも貴方が「神様」なら最初から争いが無い世界を作って下さい。

破壊が無いと発展出来ない世界って何なんですか?本当に最低です」」


『ガアアアアンン??!!!』

ラザフォードの久々の長文の返答が辛辣過ぎて大ショックの世界の言葉。


しかしラザフォードは、言ってはいけない事を言った?!

確かに神様が全知全能なら争いが無い完璧な世界が完成しているはずだからだねえ。


「「貴方も出来ない事をやれと言われても無理ですよね?

とにかく私は自分のやり方で黒龍さんの役割とやらを果たします。

要するに世界を発展させれば良いんですよね?」」


今日は少し、世界の言葉の話し相手をする様子だ。

久しぶりに相手をして貰えて何か世界の言葉が嬉しそうな感じがするのは気のせいだろうか?


しかし情け無い神様だなオイ、この神様は使いパシリなのか?


『例の「音楽で世界を繋ぐ」ですか?しかしそれでは、黒龍の力は過剰で・・・』


「「知らないですよ?文句なら前の黒龍さんに言って下さいな。

それに「破壊」するって言ったって一体何を破壊しろって言うんですか?

具体的に言って見て下さいよ、それを聞いて判断しますから」」


『例えば・・・エルフが作っている街とか?』


「「却下。

本当に何なんですか?人様が一生懸命に作っている街を目的も無く破壊するって貴方は本当に神様ですか?最低ですね?

少しは一般常識を学んでから世界を語って下さいね、愚問にいちいち答えるのも面倒くさいですから」」


辛辣だーー!!普段はオットリした感じだが嫌いな相手は徹底的に嫌うタイプだ。


『ガアアアアンン??!!!』


「「はい、ではさようなら」」


こんな感じで世界の言葉に全く従わないラザフォードさんでした。


前世の記憶が戻った以上、ラザフォードには「音楽」をやる選択肢以外に選択肢は無いのだ。


破壊?そんな暇な事をやってる場合では無し!

持ち歌をこの世界に合う様に歌詞を変えねばならないのだ。

と言うか、ほぼほぼ全部描き直しなのだよ。


まぁ、それの歌詞を作るのは変態作者なのだが、ほれほれ頑張れ。

その時は迫っておるぞ(ハアト)


歌手復活活動の手始めに同族の炎竜達を相手に前世の歌詞のままでのロックを披露している。


歌とは魔法行使の技術的な手段としか思っていなかったので「音楽を楽しむ」と言い出したラザフォードに最初こそポカーンだった炎竜達も最近は少しずつロックの概念を理解しつつある。


その内、人族の街へも進出するつもり満々のラザフォードに「街を破壊しろ」なんて言うのは彼女の音楽を侮辱して盛大に喧嘩を売っているのと同じなのだ。

そりゃあ態度も辛辣になりますわ。


「「でも・・・この姿じゃなぁ・・・」」


そう今の彼女は黒龍・・・もの凄く厳ついのだ、子供が見たら絶対に泣き叫ばれる。

ラザフォードには自信があった。


・・・いや大人が見ても絶対に泣かれると思うがな、それも失神するレベルで。

それに反比例して可愛いらしい声、アンバランスなのだ。


「「早く人間になれる手段を探さないとね」」

ラザフォードの目下の目的はそれだ、しかし人間になれる方法なんてどうやって調べれば良いのやら・・・


頭を悩ますラザフォードだが鴨がネギを背負って突然現れた?!

前世での行いが良かったのであろうな。


「貴様!!悪辣な黒龍と見た!妾が成敗してくれる!」

木陰から飛び出て来たエルフらしき女性がビシッとラザフォードを指差す!


ラザフォードは隠れ家の洞窟近辺をブラブラと散歩していたら突然もの凄く綺麗なエルフの女性に絡まれる。


「「?」」コテンと小首を傾げるラザフォード、「このエルフさんは、いきなり何を言ってるの?」って感じだ。

突然現れたエルフに驚かないのは日本の小説のおかげだろう。


「うっ?何か可愛い仕草ではないか?!・・・・・・・・はっ?!いかんいかん!

妾にはそんな奸計は通用せぬぞ!覚悟いたせ!」


いや、思い切り奸計は通用してる思うのだが・・・

今一瞬フラフラとラザフォードの足に抱き付きそうになってはしなかったか?

どうやらこのエルフは可愛いモノが大好きな様子だ。


「「はあ・・・えーと?私はポポと申します」」


「ああ、これはご丁寧に、妾はクレアと申します」


つい条件反射で礼儀には礼儀で返してしまう育ちの良いお姫様のクレア。


「「そうですかクレアさんですね?

クレアさんの言う黒龍王は私が倒して消滅?しました、もう居ません。

この身体はその時に黒龍王から受けた呪いのせいでこうなりました。

そして私は、前の黒龍の様に暴れるつもりは毛頭ありません」」


「はあああ?!黒龍王を倒したぁ?!」


「「はい、ガブって」」

そんな可愛い表現で済まない程に血がダバダバなエグい光景だったけどね!


「ふむ?・・・ん?んんー?」

これはどうしたモノか?と、考え込むクレア。

安易に他人の言葉を信じてしまうのもお姫様らしいと言うか・・・


「「それに可能だったら黒龍を捨てて人間になるつもりですので。

クレアさんの心配する様な事は何もありませんよ?」」

元々、超絶傍迷惑な話しだったので黒龍になんぞに微塵の未練も無いラザフォード。


「つまりお主は人間になれればもう暴れる事は無いと?」


「「今まで暴れた事も無くて人間になれなくても暴れるつもりはありませんけど・・・・

まあ、有り体に言えばそうですね」」


「ふむ・・・んー?・・・・では妾が何かしらの手段を講じよう!

約束せよ、今後絶対に暴挙を起こさないと」


「「約束するまでも無く暴れませんよ?何もしてないのに風評被害が酷いなぁ・・・

でも人間の件は大変ありがたいです、是非ともお願いします」」


「よろしい決まりじゃな!お主は妾の弟子となるが良い!」


「「ええ?!弟子ですか?」」


こうしてラザフォードは何の脈絡も無くなく崩し的にエルフのクレアの弟子にされてしまったのでした。

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