外伝!「龍騎士隊イリスVS魔王軍!」その9
また魔王軍に敗北した龍騎士隊イリス。
負けて悔しいのか何だか知らないが1か月経っても奴等は魔王城に居座って帰ってくれないのだ・・・・
「帰れ、お願いします!帰って下さい!
ほらほら、君達の女王も「早く帰って来い!」て怒っているから!ね?!
もう帰ろうね!」
魔族の天敵が我城に居座っていられると何かと都合が悪いのだよ。
「嫌です」
ブッスーと頬を膨らませて拒絶するイリス。
魔王軍が龍騎士隊イリスを無理矢理拘束していると思われてもマジで迷惑なので、
エルフ達の女王に速達でお手紙を送り「お宅の部下達を何とかして下さい」と、
チクった儂。
そしたら「お友達なのに酷いです!」と完全に不貞腐れたイリス。
余計に意固地になり本格的に魔王城に居座ってしまったと言う訳じゃ・・・
それに毎日、四天王のマクシムとヴァシリーサが喜んでイリス達の相手をするモノだから兵士達もイリス達が城に居座っていても特に不審に思わなくなった。
うーむ・・・チクッたのは失当じゃったのう。
あっ!今日のイリス達の修行開始前に魔王の間の防御結界を張り直さんとな・・・
こんな感じに何だかんだ儂もキチンと相手をするから悪いんじゃが。
とりあえず閣僚会議をするか・・・
マクシムとヴァシリーサも普段は軍務卿と財務大臣を兼任している閣僚なのだが、
奴等が居ると会議が紛糾しそうなので放置している。
「何かあった時の為にエルフの女王に貸を作っておいて損は無いんじゃないですか?」
現宰相の四天王筆頭は政治的に今回の件を利用するつもりらしい。
確かに真魔族の本拠地である南の大陸に同居しているエルフ族との連携は今後重要になって来るであろうな。
「あー・・・なら滞在費代わりにイリスに「豊穣の祝福」をやって貰いたいな。
新種の芋がなかなか根付かなくて困ってんだ」
農政大臣の四天王二番手はハイエルフの「豊穣の祝福」が狙いらしい。
その話しを二番手がイリスに話したら、
「喜んで!」と、即答イリス。
頼られて嬉しいのかイリスは、すぐに「豊穣の祝福」をやってくれた。
「おおー凄い!あんだけ苦戦してたのにアッサリと芋が根付いちゃったよ」
「豊穣の祝福」を間近で見学して大喜びの二番手。
龍騎士隊イリスのメンバーも手慣れた様子で儀式中のイリスをフォローする。
うむ、これで寒冷地の食料事情がかなり好転するのう。
・・・イリス達はもう真魔族領に永住してくんねぇかな?・・・さすがに無理か。
こんな感じでせっせと働くイリス達を魔王軍のみならず真魔族全体が認める様になり今後イリス達が本当にフリーで真魔族領や魔王城へ出入りする事になる。
・・・それ以前に儂の執務室ではエリカに続きガストンまで書庫を黙々と漁っていやがるし!
本は楽しいですか?楽しいんですね、そうですか・・・
実際問題としてイリス達が真魔族領を歩き回る事は問題無かったのだが、
やはり儂の懸念は当り過去に龍騎士隊イリスに痛い思いをした「魔族共」が本格的に真魔族を敵視する様になった。
別に構わんが連中は真魔族が龍種と同じ「世界の守護者」だって事忘れてね?
度を超えた敵対行動は龍種参戦を招くのだがのぅ・・・
直接南の大陸の直轄領には奴等は侵入はせぬのだが、中央大陸にある真魔族の領土ではビシバシと不穏な空気が漂い始めている。
奴等も生きるのに必死なのだろう。
しかし他の種族を踏み台にして・・・そんな傲慢を許す訳にはいかんのだ。
ホント協調性が無い連中じゃ。
そんな不安定な情勢を受けて儂は、「中央大陸は軍事拠点以外の領地は放棄する」との決断をした。
これから来るであろう戦乱の時代を見据えて中央大陸と南の大陸に無駄に広がっていた真魔族領を少し整理する必要に迫られたからだ。
中央大陸に居た一般の真魔族を南の大陸へと避難させて戦いの準備を進めておく。
うーむ・・・良し!岩で作った魔物っぽいゴーレムを大量に作り、真魔族への魔族や人間の侵攻の足止めを試みるとしようかな。
本物の魔物も使役化出来るが意味も無く死なせると彼等も可哀想だからね!
幾ら壊されても罪悪感は無いので遠慮なく大量に戦場にぶち込んでやろう。
ほらほらどうする?沢山ゴーレムが来るぞ?
問題点は儂が公務の合間にせっせとゴーレム制作を頑張らないといけない所か。
結構大変なんだよね、ゴーレムを作るのって。
そしてこの魔王バルドル特製の魔物型ゴーレムの相手に魔族と人間は1000年に渡り苦戦するハメとなる。
私欲で他所様の領土に侵略なんてすっからだよ!バーカバーカ。
へっ!ざまぁーーーー!!!
あっ!このゴーレム、イリス達の修行の相手に丁度良くね?
そう思いイリス達にぶつけて見た所、これが大好評!
トトカルチョの項目が増えた兵士も大満足!良かったね!
魔物ゴーレム登場によりイリス達の相手にも余裕が出来たマクシムとヴァシリーサを自分達の執務室に引きずり込んで仕事をさせる。
おら!とっとと働け!
サボっていた分、君達は確認しなきゃならん書類溜まってんだよ!
・・・・・・・・
・・・・・
・・・
ああ~・・・そう言えばそんな事もあったなぁ・・・と、
儂はイリスダンジョンにて同輩が熱演している、演劇「吸血鬼と美少女」を鑑賞しつつ考えていた。
今日はラーデンブルク公国の公爵、クレア・ラーデンブルクとの密会の日だ。
イリスダンジョンで働く同輩の様子を見に来た儂と地方視察に来たクレアが偶然鉢合わせする設定じゃ。
ちなみに今回、儂は護衛を連れて来ていない・・・
なぜなら、ここイリスダンジョンに遊びに来ている魔王軍の兵士が大量に居るからだ。
今、兵士達は新アトラクションの「じぇっとこおすたぁ」に乗りキャーキャーしておる。
儂も乗ったが面白いよね!アレ。
先行して来ているはずの四天王筆頭はどこに居るか分からんしな!
やべえ儂もイリスダンジョンをエンジョイし過ぎて女王クレアと話す内容を忘れそうになって来ている。
イリスダンジョン、マジやべえっすね。
そうこうしている内に儂が居る貴賓席の隣りに美しい女性が座る。
ラーデンブルク公国の公爵にしてエルフ達の女王、クレア・ラーデンブルクじゃ。
さて、気持ちを切り替えて儂も「魔王」らしくするかのう。
☆
「おい、変態作者よ・・・外伝が終わったぞ」
うむ、ご苦労だった。
「儂が感じるに終始ギャグしか無かったがお主が言う設定の回収は終わったのか?」
うーん?もうちょい?
「だろうな、お主はただ書きたいモノを書いておったろう?」
うむ!その通りだな。
まだまだ書きたい話しを書いて行きますよ!
次は、外伝!「黒龍ラザフォードとマッドサイエンテスト」です!
魔王バルドルよ!またナレーションよろしこ!
「題名からして「何それ?」じゃが、まぁ・・・了解した」
なんと!次のお話はギャグ話しです!
「いや・・・「魔法世界の解説者」シリーズが、ずーーーーーーとギャグ話しだろうが?」
だってその方が楽しいじゃん?
こんなので良ければ読んでやって下さい^^)/