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38話 「迫り来る世界大戦の足音」その3

「ところでイリスよ、ダンジョンの様子はどうなのじゃ?」

ラーデンブルク公国の衛星都市化しているイリスダンジョン・・・

東の大陸の領土と言う事なのでやはり首脳陣も様子が気になるらしい。


「ええと・・・軍事的な事でしたらブリックリンが魔族達を脅してからと言うもの周囲に敵影無し!ですね。

アトラクションの方ならヴァンパイアさんが役者をやってくれてるので演劇の方が連日大盛況です!ヴァンパイアさんって才能がありますね

それを目当てに魔王軍の人達も沢山遊びに来てくれてます!」


目を輝かせて楽しそうに話すイリスだが、いきなりの話しの飛躍ぶりにクレアは口を開けて呆然としている。


クレアが聞きたいのはイリスダンジョンには暫く帰れないと思うがお主的に寂しいとか何とかは、大丈夫か?との意味の質問だったからだ。

晩餐会の他の参加者達も少しサワサワとし始めた。


「色々と真偽と理由を聞きたいが・・・先ずはイリスよ・・・

ヴァンパイアが役者???とは、どう言う経緯の話しなのじゃ?」


何でいきなり最高位の魔物のヴァンパイアがイリスダンジョンで役者などをやる気になったか不思議でたまらないクレア。


そのやり取りを間近で見ていたが儂にも分からんかった・・・


エルフとヴァンパイアの関係は現在の所では「相互不干渉状態」だ。

魔王バルドルとイリス達の友好関係はエルフ族全体としては結構例外なのだ。


「あっ!言うの忘れてましたね!いきなりダンジョンに逃げ込んで来たんですよ。

なんでも中央大陸から人間達に追われて来て行く場所が無いらしくて・・・

ダンジョンも深刻な人手不足だったので思わず雇ってしまいました」


「ふむ・・・なるほど・・・まぁ・・・そこは良かろう、いや!良くない!

イリスよ、後で報告書に詳細を書いて妾に提出せよ。

次に魔王軍がイリスダンジョンに遊び???に来ているとは?

いや・・・言葉としては理解出来たが意味が分からぬ」


魔王バルドルが率いる魔王軍は謎が多い・・・

魔王バルドルは世界開闢以来から中央大陸と南の大陸の東部地方に支配しているのだが、いかんせん魔王軍は出不精でほぼ人族の前に姿を現さないからだ。


腕試しと称して、たまに魔王軍にチョッカイをかける者達もいるのだが大抵はボコられて返品されて来るのだ。


それが最近になって龍騎士隊イリスが魔王軍に喧嘩を売りに魔王城へ入り浸り少しずつ情報が入る様になって来たのだ。


そんな出不精な者達がイリスダンジョンへ遊びに来ている??

何でそんな事になっているのか?全然分からないクレアだった。


「魔王バルドルさんの方針で外出が出来なかったらしいです!

そんなのは良くないから遊びに来て下さいって言ったら来てくれる様になりました!

バルドルさんもツンデレさんなのでたまにコッソリと遊びに来ます」


ええい!誰がツンデレか!!

儂がイリスダンジョンへ赴くのは同輩の様子を見に行っているだけじゃ!

まぁ・・・演劇とかは普通に楽しんでおるがな・・・


それから妙な誤解がある様だが魔王軍は出不精では無い、移住した当初の契約を守って支配域から出ないだけだ。

魔族や人間達が欲望が大き過ぎて移住時の契約を守らな過ぎるだけだ。


我等の支配域への他種族の侵入は多少なら許すが大規模な国家ぐるみでの侵略として来るなら魔王軍は反転攻勢でいつでも支配域から出る準備は出来ておる。


イリス達は・・・まぁ、今更何を言っても儂が悪者になるだけなので好きにするが良いのだ。


儂だって悪者にはなりたく無いモンね!


「本当に・・・本当に言いたい事は山の様にあるが仲良くやっておるなら良い・・・

・・・いやイリスよ!さては、何か密約の様なモノを魔王と結んでおるな?!

ちゃんと話さぬか!」


「ぎくう!!!!」


「ぎくう!では、無いわ!

イリスがハキハキと話す時は必ず何か隠し事がある時じゃ!

どんな密約を結んだのじゃ?!」


あら不思議!優雅な晩餐会がイリス尋問会に早変わり。

何だかんだ長い付き合いになって来たイリスとクレアの間に隠し事をするのは難しくなって来ているのだ。


「えーと・・・実は・・・」


クレアの圧に負けて魔王バルドルとヴァンパイア達の約束事を説明し出したイリス。


「ふむ、つまり上手く行けば魔王バルドルに貸しが作れると?」

イリスの話しを聞いて国防大臣の侯爵は感心した様子だ。


「貸し・・・ってほどには、ならないと思いますね。

魔王軍の人達もお客様なので機嫌を損ねると大変な事になりますから・・・

主に経営の面で・・・」


「では、この件はイリス様にお任せと言う事で?」


いや・・・別にラーデンブルク公国の国主導でも構わないんですよ?

小娘が相手だと何されっか分かんないから儂的には、その方が助かりますが?


「いずれにせよ魔王バルドルとは正式に会談せねばなるまいて」


「しかし向こうが受けてくれますかな?

現状で魔王バルドルとの外交チャンネルはありませんから」


「そこはイリスに任せる。

勝手に魔王と密約を交わした責任で魔王バルドルとの対談の段取りをせよ」


えっ?!儂とクレアが対談すんの?


「ふあい・・・分かりました頑張ります」


ちょっと待て!儂にも心の準備が必要だろう?!


「対談は早い方が良かろう・・・来月中頃には対談をしたい旨を伝えてくれ」


来月中頃って1ヶ月も無いじゃん?!

そんな急に言われても無理だっての!この師弟は、せっかち過ぎじゃ!


「対談場所はイリスダンジョンじゃ。それならお互いに角は立つまいて」


ああ!なるほどねー。

お互いにイリスダンジョンに遊びに来た所で偶然会う設定って訳ね?


「そう言う事なのでバルドルさんお願いね・・・」

小声で自分の影に話し掛けるイリス・・・儂がイリスの影から話しを聞いておるのはバレバレか・・・


{仕方あるまいて貸し一つじゃぞ?}


「ぶーぶー」


こうして世界の歴史の転換点の一つ「魔王軍とエルフ族の会談」が始まろうとしていた・・・








魔王バルドルよ・・・


「なんじゃい変態作者?儂に何用じゃ?」


次回から数話ほど外伝の主人公をよろしこ!


「はあああ?!何を言っておるのじゃ?!お主!」


いや・・・そろそろ君の話しを書かないと辻褄合わせ出来なくなるんですよぉ。

魔族と君達「魔王軍」の違いを誰も分からないだろうし・・・


「まぁ・・・どちらも「魔族」じゃからな・・・」


今まで暈して書いていたけどその辺もそろそろ説明しないと・・・


「なるほどな・・・でも普通はこれ「魔法世界の解説者」の方でやるべきじゃね?」


あっちは別の外伝がネタ切れで話し途中で止まってるから・・・気まずい!


「・・・しかし何で過去編でネタ切れになるんじゃ?」


全体的な話しの辻褄合わせが上手く出来てません。

それも踏まえて「魔王バルドル編」をやらないとダメなんですよぉ・・・


「何でも後回しにして来たツケが回って来たのじゃ!愚か者め!」


はい^^)/と言う訳で次回から帳尻合わ・・・魔王バルドル編のスタートです。


明日は3本立てで投稿します^^


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