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23話 「帰って来ました!ラーデンブルク」その2

こうしてお風呂でゴブリナ達に洗われるイリス。


イリスは人に洗われるのは慣れているので大人しくジッとしている。

シルフェリアやシルフィーナにいつも洗われていたからだ。

たまにエリカやミイにも洗われた。


なぜか皆んなイリスを洗いたがるのだ。


《あっ・・・この人達、上手~》

4人で手分けしてチャッチャッとスムーズにイリスを洗う。

手際が良く力加減も肌を傷つけず、かと言って弱くも無く絶妙なのだ。


「うふふふ、クレア様のおっしゃる通りお美しい銀色の髪ですわ」

髪を洗ってくれているゴブリナがイリスの髪を褒めてくれる。


「えへへへへ♪ゴブリナさん達は師匠の知り合いなのですか?」


「はい!わたくし共はクレア様専属侍女なので」


「ええええ?!」ドンゴの配下かと思っていたら違った様だ。


聞けばゴブリナはどちらかと言うと精霊種に近く女性しかいないそうだ。

見た目は幼なく見えるが全員300歳を軽く超えているとの事。


命を助けられてからクレアに仕える事150年のベテラン侍女なのだ。


今年で120歳になったイリスでもなかなか年下と遭遇が出来ないのだ。

今の所はミイとエリカしか周囲に年下はいない。


「でもなんでわざわざ私の所へ来たの?」


「はい!イリス様はこの度、クレア様の「御養女」になられますので、その準備にと参りました」


「ふえ?!養女?!」

何の話しも聞いていなかったイリスは驚いたが、その事を伝える使者もゴブリナ達は仰せつかっているとの事。


「はー・・・なるほどー」特に嫌がる訳でも喜ぶ訳でもないイリス。

なぜかと言うと元々、クレアから養女の話しを聞いていたからだ。

ただクレアから聞いていた時期よりかなり早かったので驚いたのだ。


もうイリスの実の両親とも充分に話し合っており、これは決定事項なのだ。

クレアの養女になるのはハイエルフとしての「儀式」の意味合いも強く養女になったからと言って別に両親との親子の縁が切れる訳では無い。


「お風呂から上がりましたら沢山お洒落をしましょうね!」


「うわーん、そう言う事か~」ようやく全貌を理解したイリス。


つまり今回の帰還を利用してラーデンブルクの国民にイリスを大々的に御披露目するつもりのクレア女王なのだ。

ハイエルフは全員、国王か女王の候補なので国民との顔合わせは必須事項だ。


ちなみにクレアの後継者はバッチリ決まっているので養女になったからと言ってイリスがいきなり次の女王候補!とはならない。

そんな事になるんならイリスはとっくにトンズラしている。


但し、クレアの次の次の女王候補には名前が上がっている。

年齢的にも丁度良いのも有る。

まぁ・・・早くても500年後の話しらしいのでイリスは全く気にしていない。


どちらか言うと今回は「お姫様の紹介」と言った感じらしい。

なのでガッチリ着飾せる為にゴブリナ達が派遣されて来たと言う訳だ。


「そりゃ走ってお姫様登場はあんまりだよね~」


ようやく脳筋師匠のクレアが走って帰る案を却下した理由も分かった。

イリス的にはクレアから「しっかりと走って来い!」と言われると思っていたので意外だったのだ。


こうしてイリスは新たに「お姫様」の強属性が加わったのだ!

「・・・・・それ・・・・まだやっていたんだ」


話しを理解したイリスは諦めた。

お風呂から上がり色んなマッサージをされて色んなブツを塗られた

イリスが何をされたか私は知らん、ゴブリナ達に聞いておくれ。


「また丸投げ・・・」


ええーい!オッサンが女性のアレコレに詳しかったら逆にキモいではないか?!

一応調べたが女性のエステや化粧品や衣装など見た事もやった事も無いから解らん!


「無知が必死過ぎて笑う」


なにおーーー!小娘ーーーー!!


「はい、はい、はい、

イリス様もナレーションのバルバト様も子供見たいな喧嘩をしない!」


あっ・・・すみません。・・・なぜ我の名を知っておるのだ?ゴブリナよ。

そしてなぜイリスの影の我を認識しておる?・・・ゴブリナ・・・侮れぬ。


いや・・・ここは話しを戻そう。


こうして「お姫様仕様」にチェンジしたイリス。

・・・・・・プッ・・・・・思ってたよりお姫様してて笑う。


「なんだとぉーーー?!さっきの仕返しか?バルバトーーーー!!」


「おやめください!イリス様」


「あ・・・はい、すみません」


やーい怒られてやんの。

こうして美しいお姫様になったイリスは3日後、護衛のドンゴと侍女のゴブリナ達を率いて定期便の船に乗船した。


一応淑女教育はバッチリのイリスは静々と歩く。

こうしていると本物のエルフのお姫様なのだが・・・中身がねぇ。


「・・・・」

静かに目を瞑り大人しいイリスだが、これは我の再三のイジリにそろそろマジで怒っているのでこれ以上チョッカイをかけるのは止めておこう。


イリスが居る船室は甲板上にある特等席だ。

なかなか見晴らしが良く好待遇なのだ、これにはイリスも大はしゃ・・・ぎ?


「うううう・・・」

むむ?!どうした?!小娘!顔が青いぞ?!


「ごめん・・・やっぱり甲板上はやっぱり無理、船底のあまり揺れない所に移動させて下さい・・・」


イリスは既に船酔いしていた・・・だから目を瞑り妙に大人しかったのか・・・

しかしまだ出航すらしていないが大丈夫か?


意外な弱点を露呈させたイリス。・・・てか龍騎士ってめっちゃ揺れね?

何ならバレルロールとかもぶちかますと思うが?


「空を飛ぶのとは全然違うのよぉ・・・」


だそうです。

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