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22話 「帰って来ました!ラーデンブルク!」その1

修行の一環の為に走ってラーデンブルクへ帰還すると決めたイリス。


ここからラーデンブルクの首都まで1500kmほど。

当然、途中にある海は泳いで渡る!素晴らしい修行になりそうだと気合いを入れる。


《そんな訳に行くか!!馬鹿者ーーーー!!》

女の子一人でそんな危険な旅をさせれるかい!と、通信用宝玉でクレアに思い切り怒られるイリス。


「うん、俺もそう思うよ・・・」


「ブリックリンまで?!」


「イリスは少しは自分の容姿の事を考えた方が良いよ?

こんな美少女が一人でノコノコ旅なんてしてたら「狙って下さい!」って言ってる様なモンだよ?」


「エリカまで?!」


この10年でイリスは本当に美しく成長したのだ。

身長も160cmを超えてもう立派なハイエルフになった。


クレアに怒られたので転移陣で鬼族の街へと向かい南の大陸行きの船に乗る事になった。


「じゃあイリス、転移陣一回使用で5000円(日本円相当)ね」

エリカが両手を出しながらイリスに使用料を請求して来た。


「お金取るの?!オーナーから?!」


「当たり前じゃん、オーナーだからこそ、ちゃんとしないとね」


「ぶー」そう言われると何も言えずお金を払うイリス。


そう言えば、この魔法世界の解説者シリーズでは通貨単位は全て(円)の表記になっております。


実際には各国の通貨名もありますが、前にそれを細かく書いたら電卓持って作品を読まにゃならん事になったので(円)に統一した経緯があります。

その辺は御了承下さい。


この時代の各国は大体、金貨、銀貨、銅貨、錫貨の四種貨で大体物品の取り引きされています。

鉄貨や紙幣は技術不足で偽造し放題なので採用してない国が多いです。

ただ田舎などでは、まだまだ物物交換がメインですね。


まだまだ発展途上の世界なのです。

そして発展途上なので各大陸で戦争が乱発する悪循環に陥っている。


イリスはそんな中でラーデンブルクに帰国する事にした。

そんなイリスがイリスダンジョンに帰れる日はいつになるのか・・・


「んじゃ!行ってくるねー。お土産楽しみにしててねー。」

手をフリフリ転移陣を発動させたイリス。


シュウン!と、一瞬でイリスの姿は消えた。


「よおーし!作業を再開するよ~」

イリスを見送り新イベントの準備を再開するエリカだった・・・





イリスが転移したのは鬼族の街の行政府の建物の一画だ。


「おお?!凄い発展している!」

40年ほど前に来た時は建設中だった建物も軒並み完成して更に色々な建設物も増えて滅茶苦茶大きな街に発展していた。


「おおおおおおーーーー!!イリス様ーーー!!」


「あー!ドンゴさぁん!久しぶりー」


ゴブリンロードのドンゴが凄い勢いで走って来た。

久しぶりの戦友との再開に手をブンブン振るイリス。


歳のせいかイリスに近づくと息切れしてしまったドンゴ。

「ぜーぜー・・・いやぁイリス様!お美しいなられて」


「いきなりなぁに?お世辞なんて」クスクス笑うイリス。


「いえいえ!本当にお美しいなられて・・・あの幼い女の子が・・・」

目をウルウルさせて喜ぶお爺ちゃんゴブリン。


定命180年ほどのゴブリンにとって40年はやはり長かったのだ。

今のドンゴの年齢は130歳・・・人間に換算すると60歳くらいかな?


前に会った時に比べて随分と老けて小さくなってしまったドンゴ。

今は執政官は引退して行政府の庭師としての引退生活を送っている。


「もう!ドンゴさん泣かないで!」ドンゴを手を両手で持つイリス。


「いやはや歳を取ると涙腺が緩くなってしまって」


「ただいま!ドンゴさん!」


「はい・・・おかえりなさいませイリス様」


とりあえずラーデンブルクへの定期便の船の出発は3日後だ。

どこかで宿を・・・と思っていたイリスだが、オーガロードのホワイトに・・・


《ダメに決まってるでしょ?!

話しをしておくからドンゴの所へ泊まりなさい!》と怒られた。


「むー?何で皆んな怒るんだろう・・・」

不貞腐れるイリスだが、ハイエルフは人間、魔族を含めた敵性勢力の第一目標だ。

どこにイリスの誘拐を企てている輩が居るか分かった物では無いのだ。


「この度、イリス様の護衛をホワイト様より仰せつかりました」

ドンゴの家で寛いでいるとドンゴがそんな事を言い出した。


「ええ?!ゴブリンロードのドンゴさんが?!

そりゃ・・・私は嬉しいけど・・・街を離れたら不味くない?」


「はっはっはっ!後継者がしっかりしておりますので大丈夫です。

老いたりとは言えイリス様の護衛はしっかり熟せますのでご案内を!」


表の舞台から降りたとは言えまだまだ戦闘力は衰えていないドンゴ。

ゴブリン生の最後の大仕事に気合いが入っているのだ!


「そうなの?!じゃあ!ラーデンブルクまで一緒だね!」

思わぬ旅の道連れが出来て嬉しいイリスはニコニコしている。


それから昔話しに華を咲かせていると・・・


ドンゴの部下の可愛いらしいゴブリナの侍女がやって来て。

「イリス様、ご入浴の準備が整いました」と言って来た。


「おお、分かった・・・イリス様、お風呂が沸いたとの事ですぞ」


「えっ?!本当!嬉しいな」

ニコニコ顔のイリスは早速、お風呂を頂く事にした。


そして浴場に到着すると・・・


「ひゃああああ?!」


4人のゴブリナの侍女に服を脱がされて行くイリス。


「あああああの?!これは?!」めっちゃ狼狽えるイリス。


「はい、イリス様の侍女としてご入浴のお手伝いをさせて頂きます」

リーダー格と思われる侍女がニッコリと微笑む。


「じっ、じっ、侍女って?!」


「はい、クレア様からの御命令でイリス様にはハイエルフとして恥ずかしく無い様に身嗜みを整えよ・・・と仰せつかっております」


「うえええ?!」


どうやらただの里帰りでは済まない予感がするイリスだった。

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