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17話 「大地の精霊王」その2

「私の周囲の戦争は全て止めて見せます!」

そう言い切るイリスにシルバニアが微笑んだ・・・様な気がした。


『そう・・・厳しいと思うけど私も応援するわイリス』


「あの・・・何でシルバニアさんは私の事を知っているのですか?」


『えっ?私がシルフィーナの母親だからよ?

娘と精霊契約しているイリスの事を知っていて当然じゃない?』


シルバニアが結構衝撃的な事実をブッ込んで来た?!


《えええええーー?!シルフィーナちゃんのお母さん??!!》

エリカが必要以上にめっちゃ驚くモンだから驚くタイミングを失うイリス。


「あ・・・うん・・・驚いたね」


《山?!山から産まれるの?!精霊って?》

エリカが驚いたのはココなのだ!てっきり何か神秘的な現象から精霊は産まれると思っていたゲーム脳のエリカ。


『えっ?違うわよ?

シルフィーナはちゃんと十月十日、お腹で育てて普通に出産したわよ?』


《ええ?!すみません、ちょっと混乱して来ました。

と言う事はシルフィーナちゃんにはお父さんが居るって事ですよね?》


『ええ、シルフィーナのお父さんは人間よ?

1000年も前だからさすがに死んじゃっているけどね』


《うえええ?!人間?!山と人間から赤ちゃんが産まれるモンなんですか?!》

山山、うるっさい!エリカ。


『ええ、私は精神生命体のまま人間に顕現出来るからね。

今は事情があってここから動けないけど昔は人間の集落に住んでいたのよ?』


《おおー?そうなんですか・・・シルバニアさんの人間の姿を見て見たいっす》


『うーん?残念ながら今は無理ね。

一回人間に顕現したら寿命が来て死ぬまでの80年くらいは、ここに戻れないの』


かなりの衝撃的な情報をブチ込んで来るシルバニアに唖然としているイリス。


《そうなんですか残念です。

・・・シルフィーナちゃんは、お母さんがココに居るって知らないんですか?》


エリカはシルフィーナからシルバニアの事を一回も聞いた事が無いのでシルフィーナがシルバニアの今の状態を知らないのでは?と思ったのだ。


『え?知ってるわよ?あの子、毎月一回はここに遊びに来るもの・・・

ええ~?あの子何も話してないの~?」


「聞いてません!全部が全部、初耳の事ばかりですよ・・・」


『ふう・・・困った子ねぇ』


この件に関して言えばシルフィーナは何も悪くは無い、悪いのはダメ精霊ことシルフェリアだ。


「イリスにお母様の事とか精霊の話しを私が話しておきましょうか?」


「あっ!授業の課題にしたいから私から話しますね、任せておいて下さい」


そんな大口を叩いておきながら見事に話すのを忘れたシルフェリア。

シルフィーナもまさかシルフェリアが話して無いと思わず、シルバニアの事や精霊の事はイリス達は当然知っていると思っている。


「・・・・・多分、こんな所だと思います」

イリスは相棒のシルフェリアのダメっぷりを的確に言い当てていた。


怒りたくても当の本人は死亡してしまっているので仕方ない・・・

3人は同時にため息を吐いた。


そして偶然にも同じ時にシルフェリアは地球の日本で「八千代」として産声を上げていたのだ。


『あら?・・・・・・噂のシルフェリアの魂が今・・・転生したわね』

さすがの精霊王、細かい事までは解らないがシルフェリアが異世界で新しい命として誕生した事は感じ取ったのだ。


「え?」最初シルバニアが何を言っているか分からなかったイリス・・・


《うえええ?!シルフェリアちゃん転生したんですか?!》

またエリカが先にめっちゃ驚くので驚くタイミングを失うイリス。


『そうね・・・反応が微小なので詳しくは解らないわ。

異世界・・・ガイヤ・・・かな?人間の女の子だと思う・・・

うーん?これ以上はダメね、ドンドン反応が小さくなって来る。

多分、何らかの封印がされているわね・・・ああ・・・消えちゃった」


《封印?!シルフェリアちゃん大丈夫なんですか?!》


『大丈夫よ、加護と封印の力を同時に感じたから・・・

何者かがシルフェリアを守る為に封印を施したのね。

ん?ああ・・・そうか・・・

精霊としての1500年もの記憶を人間の赤ちゃんが受け留めれる訳が無いものね』


2人の会話をボーとしながら聞いているイリス。

ただ、シルフェリアが無事に転生出来た事だけは理解出来た・・・


理解出来た瞬間に嬉しさの余りに気が遠くなり足の力が抜けてその場に倒れたイリス。

今までの不安と圧迫からようやく解放されたのだ。




心地よい安心感の中で眠るイリス・・・






「あれ?暖かい・・・」






そして意識は浮上していく・・・









そして気がつくとエリカの暖かい羽の中に・・・いなかった?!

またパックンチョされてヌメヌメしたエリカの口の中に居た!


暖かいって言うよりも湿気てて暑苦しいわ!!


「ぬあーーーー??!!」これにはマジで怒るイリス!これで今日3回目だ!

いちいち身体と服を洗うのが面倒くさいのだ!


しかもまた舌をレロレロしていやがる!


「舐めるなぁーーー!!」色んな意味でそう叫ぶイリス!


そしてまた、ぺっ!されてベチャっと転がるイリス。


「だから何で食べるのよ?!」


《仕方ないじゃない、シルバーファングの群れが襲って来たんだから》


「お手数おかけして、すみませんでした!」

命の恩人に即座に頭を下げるイリス、そして周囲を見回すと・・・


「うきゃーーーーー?!」そこには、めっちゃグロい光景が広がっていた!


死屍累々と転がる100頭以上のシルバーファングの亡骸・・・

切り裂かれ、引きちぎられて、爆殺されている?!


「こ・・・これ全部、エリカの仕業?」


《ん?そうだよ?》


『エリカって強いのねー、ビックリしたわ私・・・

まさに、ちぎっては投げ、ちぎっては投げ、・・・少し怖かったわ』


「もしかして・・・九頭竜王の加護で滅茶苦茶強くなった?」


《そうかも・・・全然疲れて無いモン》羽をバッサバッサさせるエリカ。


九頭竜王の加護と天龍王の加護が相互作用してエリカの戦闘能力はドえらい事になっているのだ。


下手をすれば黒龍王時代のブリックリンにも匹敵するかも知れない。


この世界の歴史の中でも最強のグリフォンが爆誕していたのだ!

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